
ホテルマーケティングの最終目標は、公式サイトからの直接予約の最大化です。もちろん、直販数を増やすためには、認知度・集客力の向上やブランディングなどを徹底することで、達成できるようになります。
コロナ前とコロナ後を比較すると、宿泊予約にまつわる情報収集から比較検討の仕方など、ユーザーのネットリテラシーが上がっていることから、今までのような曖昧な情報では選ばれる可能性が非常に低くなっています。
本記事を最後までお読みいただくことで、5年後・10年後にも競争力の高い宿泊施設でいることのできるマーケティング戦略についてご紹介します。
ホテルマーケティングに有効な8つの施策

続いては、ホテル・旅館で欠かせない8つのマーケティング施策を解説していきます。
施設の規模や人的リソースによって、適切なものとそうでないものもございますので、今に見合った施策を実践してみてください。
1.公式サイト分析・改善
公式サイトの直販増加に欠かせないのが「ユーザー行動・思考の分析」です。
無料で利用できるGoogle Analytics(グーグルアナリティクス)という分析ツールを活用し、Webサイトを閲覧したユーザの行動や思考を分析することで、予約検討熟度を上げる誘導がしやすくなります。
また、予約されやすい宿泊プランや予約されにくい宿泊プランのデータを蓄積していくことで、ユーザーの好みに合う宿泊プランを訴求させることも可能です。直販を増やす分析に特化した記事をご覧になりたい方はこちらの記事をご覧ください。
【期待できる成果】
・直接予約数の向上
・ユーザーの予約検討熟度の向上
・ユーザーの直帰率/離脱率の減少
・ページセッションの改善
・検索結果の表示順位UP…..など
2.OTAマーケティング
集客源となるOTA(オンライン旅行代理店)を運用していないホテル・旅館さまは、本当にごく僅かでしょう。売上を支える支柱と言っても過言ではないくらいの需要がある媒体で、公式サイトによる直販数を増やすのが難しいきっかけでもあります。
OTA集客にもさまざまな条件やルールがあり、レベニューマネジメントだけでなく、各OTAでのタイムセールや広告などの活用は欠かせません。プランや客室のみを販売しても予約は入ってきますが、効率的な販売促進を行うことで、さらなる予約獲得につながります。
OTAでより成果を伸ばしていきたいとお考えのホテル・旅館のご担当者様は、各OTAで売上を伸ばすコツを解説しているE-Bookをご活用ください。
【期待できる成果】
・宿泊売上の向上や改善
・認知度/ブランディング力の強化
・公式サイトへのアクセス貢献
・競合施設との差別化…..など
3.SNSマーケティング
ホテルマーケティングにおけるSNS運用は、高い拡散力があり、認知度拡大に効果的です。写真や動画は視覚で宿泊時のイメージがしやすくなることから、ユーザーに「泊まってみたい」と予約へのあと押しに効果が期待できるので、SNSマーケティングによって予約検討熟度の向上にもつなげることができます。
さらに、令和時代のSNSトレンドはInstagram・TikTok・Youtubeでのショート動画コンテンツが急速に浸透しています。スマートフォンの普及はもちろん、SNS利用の拡大とインターネット環境の変化によって、ショート動画でバズを狙える可能性が高まっているのです。
ホテル・旅館において、ショート動画の相性は良いので、動画を活用して魅力の発信や滞在イメージの訴求が重要となります。
【期待できる成果】
・ブランド認知度の向上
・反応とエンゲージメントの増加
・インフルエンサーとの提携
・コミュニティの構築…..など
4.Web広告運用
Web広告は、即効性の高いマーケティング施策にあたり、1クリック毎に広告費が発生する課金型となっており、表示させたい検索キーワードに応じて、1クリックあたりの単価が変動します。つまり、運用テクニック次第では、コストパフォーマンスの高い結果が見込めます。
しかし、細かい調整や複雑な設定機能などから、最適な運用をすることができず、OTA広告の方に多くの予算を配分している施設も少ないないでしょう。
ホテル・旅館におけるWeb広告施策について、より詳しく知りたい方は、プロが教える広告運用3つの極意を参考にしてみてください。
【期待できる成果】
・直接予約数の向上
・予約転換率の向上
・新規ユーザーの認知獲得
・ホテルブランドの形成…..など
5.新規パッケージの販売
マーケティング戦略で認知や集客力を伸ばしていくのであれば、新規パッケージの販売は不可欠です。そもそも新規パッケージを造成する目的とは何でしょうか?
我々の定義する新規プランの必要性としては、顧客の需要に合わせたパッケージ販売を行い、市場に新しい風を吹き込むためです。マーケットニーズの先取りはもちろん、1番を取ることで競争優位性を高めることができ、ブランドイメージの向上にも繋がるからです。
“売ることを目的としたプラン”と””売ることを目的にしないプラン”の主に2つの軸に分けたマーケティング要素を踏まえたアクションが必要になるでしょう。
独自性の高い新規パッケージの造成方法は、micadoの事例紹介をご覧ください。
6.期間限定イベントの開催
バズを生み出して一気に認知度を獲得することや、ブランドイメージの向上などを目的にした取り組みであれば、最も効果が期待できるのが「イベントの開催」です。
新しいお客様を集客していくためには、関心と参加意欲を高めるためのプロモーションが欠かせないでしょう。有名ブランドのホテルであれば、季節に合わせたイベントを通年開催しています。コンテンツが充実しているイメージから、ブランディングや差別化に結びついていくのです。
ただし、イベントの規模が大きくなればなるほど予算や必要とする人員も増えるので、なかなか取り組むことのできないホテル・旅館さまもいるかと思います。
【期待できる成果】
・ブランド認知度の向上
・顧客満足度の向上
・メディアや媒体露出
・予約獲得の増加…..など
7.コンテンツマーケティング
Webマーケティング施策の一つでもあるコンテンツマーケティングは、サイトアクセス数の向上やユーザーの予約検討熟度を高める効果が期待できます。
さらに、魅力的なコンテンツを増やすことで、ホテルブランドの向上に繋がるだけでなく、ユーザーやメディアに拡散される可能性も十分にあるのです。
昨今ではWeb検索が多様化していて、GoogleやYahoo!だけでなくInstagramやYoutubeなどのSNS上での情報収集が当たり前になっています。ですが、宿泊予約をするときに必ず訪れる公式サイトでの情報が不足していると、ユーザーは不安になってしまい、他施設に予約されてしまう可能性もあるでしょう。
共感や驚きのあるコンテンツを発信することで、泊まってみたいホテルになり、将来的に宿泊してくれるであろう顕在層へと成長させることができます。
【期待できる成果】
・ブランド認知度の向上
・SEOによるアクセス向上
・SNSなどでの拡散
・予約検討熟度の向上…..など
8.SEO/MEO対策
ホテル・旅館の直販数を増やすためには、公式サイトにアクセスするユーザー数の向上が求められます。もちろん、OTAをキッカケに公式サイトへ訪れるユーザーも多くいますが、SEO(Search Engine Optimization)対策による自然流入でユーザーを獲得する流れも必要です。
「ホテル+地域名」や「東京+ホテル+高級」などの宿泊予約を検討しているユーザーからのアクセスを獲得できるようなキーワード戦略やサイト構築が求められます。
また、Googleマップ検索での認知や集客力を向上させるには、MEO(Map Engine Optimization)対策を行いましょう。
予約検討熟度の高いユーザーは、Googleマップ上での検索をする傾向や、日本の立地に詳しくないインバウンドの利用者数はかなり多いことがデータでも出ています。
テクニカルな知識を必要とするSEO・MEO対策に力を入れているホテル・旅館はまだまだ少ないのも、短期的な成果を見込めるわけではなく、中長期的で地道に効果が出るからです。
公式サイトでの直接予約を増やすためには、欠かせない施策だと言えるので、ぜひご活用していみてはいかがでしょうか。
【期待できる成果】
・検索結果での上位表示
・サイトアクセス数の増加
・競争力の向上
・直販数の向上…..など
宿泊業界が抱える3つの課題

新型コロナウイルスの感染拡大によって、ホテル・旅館の離職率は増加し、人材不足という課題があり、ホテルマーケティングに取り組めない施設が多いことが予想されます。
また、OTAや旅行代理店などを通しての予約獲得が主流であることから、社内でマーケティングに特化した人材が極めて少ないことも大きな課題と言えるでしょう。
上記のような背景から、DX(デジタルトランスフォーメーション)が推奨されるになったものの、接客に対するデジタル化のみで、マーケティングに対するデジタル化は進んでいない状況です。
前述で紹介した8つのホテルマーケティング施策を一人で網羅することは難しく、最低でも2人以上は必要だと思います。そこで、宿泊業界における人材不足を解消するためには、「一部の業務委託」も有効な手段です。
特にホテル・旅館に特化しているマーケティング会社出ないと、スムーズに進められない可能性も十分にあるため、依頼する前には何社かの説明を受けて判断することを推奨いたします。
将来的に業務委託をご検討されているご担当社様は、外部委託のメリット・デメリットを解説している記事もご活用ください。
<宿泊業界が抱える3つの課題>
①人材不足と離職率の増加
②マーケティングに特化した人材の不足
③デジタルマーケティングの遅れ
まとめ
ここまでが直接予約を増やすためのマーケティング施策の解説となりましたが、皆さまの施設では、どういった取り組みをされていますでしょうか?
特に重要なポイントは、公式サイトの存在意義です。直接予約に至るまでに欠かせない導線でもあることから、サイトデザインだけでなく、使用する写真やキャッチコピーなど、ユーザーの温度感を上げるための工夫が必要になるのです。
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