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2024.05.31
2023.10.11
宿泊需要が高まっているのはもちろん、さまざまな理由からホテルの料金が高騰していることから、コロナ禍に通用していたマーケティング施策で同じような結果を得ることは難しいです。
料金が高くなれば期待値も高くなるため、提供できるサービスの質が下がってしまうと、今まで以上に顧客満足度へと影響が出やすく、口コミが下がってしまう危険性もあります。そこで、本記事では宿泊料金の高騰の背景や、期待に応えるために必要な考え方や施策について解説していきます。
やむを得ず宿泊料金を上げているが、予約の増え方が鈍くなっているとお悩みの施設の皆様は、ぜひ最後までお読みください!
昨今、宿泊需要の回復とともにホテルの宿泊料金が高騰していると話題になっていますが、約2年ほど続いた旅行支援によってかなりお得に泊まれていたことから、拍車をかけるように、ユーザーの宿泊料金に対する価値観は変化しています。
ホテル・旅館では在庫を繰越すことができないため、需要に合わせて宿泊料金を変動させるダイナミックプライシングを従来より取り入れていましたが、「これまでお得に泊まれていたのに、最近は料金が高騰していて泊まりづらい」と感じているユーザーがいるのも事実で、施設側は今まで以上にマーケティング施策に力を入れる必要性が生じています。
ホテルの料金が高騰している要因はさまざまありますが、コロナ禍に旅行へ行けていなかった分、旅行へ行けるようになったことで急激に需要が増えたことや、インバウンド需要も同時に回復しており、国内需要よりも料金に寛容なインバウンド需要に合わせた基準で宿泊料金が高騰しています。
施設側からすると円安や物価高、人手不足などの深刻な課題もあるため、料金を上げざるを得ない状況に陥っているだけですが、宿泊客はそこまで深く背景を汲み取ることは難しいため、「ただ料金が高騰している」と感じやすく、戦略的にマーケティングを行わないと集客はどんどん難しくなってしまいます。
さまざまな理由で最低料金を高くせざるを得ない施設が多いなか、どうしたら顧客満足度を下げずに予約を獲得することができるのでしょうか?そのカギは、「付加価値」にあります。
先ほども少し触れましたが、ホテルのビジネスモデル上、ダイナミックプライシングを採用しているため、需要に合わせて料金が高騰するのは仕方のないことです。
旅行に慣れているユーザーであれば、週末や連休は高いという認識があるので、需要に合わせて料金が変動していることに理解はありますが、全員がそういった状態でないのが現状です。
そこで重要になってくるのが、「付加価値」です。もし宿泊料金が高騰していても、支払う”価値”を感じてもらえれば、顧客満足度が高い状態で宿泊してもらえ、良い口コミを獲得して集客へと繋げることもできます。
付加価値を作り出すにはさまざまな方法がありますが、どの施設でもできるのが、宿泊プランで差別化を図るマーケティング戦略やブランディングを徹底したSNS運用です。
シンプルに素泊まり・朝食付きだけのプランを販売しているホテルもありますが、施設のコンテンツを活かした宿泊プランを企画できれば、差別化によって「宿泊料金が高騰していても泊まりたいホテル」と思ってもらうことが可能になります。
料理が自慢の旅館であれば、2食付きに好きな浴衣が選べる特典が付いたプラン、館内施設が充実しているリゾートホテルであれば、有料施設も利用できる特典の付いた満喫プラン、ビジネスホテルであれば、連泊で朝食が無料になる特典付きプランなど、プランのアイディアは数えきれないほどあります。
自社のターゲットや魅力を整理することで、今まで思いつかなかった宿泊プランを企画できたりもするので、ユニークなアイディアをお探しの方は、こちらの記事もぜひご覧ください。
一般的なホテルのイメージとして、一流のサービスが受けられたり、いつもとは違う日常が楽しめるといった期待があるため、もちろんサービスのクオリティを高めるために投資することも重要ですが、それにはコストも時間もかかってしまいます。
宿泊プランで付加価値を見出すことで、”施設に泊まる理由”が明確になると、料金が多少高くても支払う価値があるとユーザーが判断して予約をしてくれるようになるだけでなく、顧客満足度を高めることも可能です。
多くの施設様がSNS運用を行っていますが、施設の魅力を伝えきれていなかったり、ブランディングを徹底できていない施設様が多い印象を受けます。
というのも、「新しい宿泊プランの販売を開始しました」「期間限定の料理メニューが開始しました」といったお知らせのような投稿ばかりしていて、”主観で伝えたい情報”にフォーカスしてしまっているからです。
OTAでたまたま施設のことを見つけたり、友人や家族の投稿から施設を見つけた潜在ユーザーは、施設の情報を得るために公式サイトやSNS、口コミをチェックします。
言葉よりも視覚的な情報の方が入ってくるスピードが早いため、せっかく公式サイトにこだわっていても、公式SNSから得られる情報が少なかったり、サイトで表現されているブランディングが統一されていないと、施設に対する期待値は下がってしまいます。
すると、価値を感じづらくなってしまうため、宿泊料金が高騰している昨今ではかなり影響が出てしまいます。
実際に宿泊したお客様がどういった体験をしたのかをSNS上で表現することで、「このホテルはこういった体験ができる施設(=ブランディング)なので、泊まる価値があります。(=付加価値)」と伝えることが可能になり、宿泊料金が高騰していても泊まりたいと思ってもらえるようになります。
UGCを活用したり、ブランディングを徹底したSNS運用を通して付加価値を生み出すことができれば、競合施設と差別化できるので、ぜひ行っていただきたい施策の一つです。
不可避な宿泊料金の高騰によって予約が入らなくてお悩みの施設様もいらっしゃるかと思いますが、すぐに料金を下げてしまうと価格競争が始まってしまいます。
予約が入らないからと料金を下げるのではなく、その価格のままどうしたら予約が入るのか、周りの施設が料金を上げている理由は何なのか、ホテルの魅力を打ち出すためには何をしたらいいのか、などを分析して戦略的なマーケティングを行えれば、予約を増やすことは可能です。
また、宿泊料金の高騰によってビジネスホテルを観光目的で利用するのが当たり前になってきているように、宿泊情勢によって臨機応変にマーケティング施策を考えられる力は、今後必須となります。
mint plusでは、有料級のコンテンツを無料で配信しております。約10分で簡単に最新のホテルマーケティングが学べる動画講座や実践的な施策が書いてあるE-Bookなど、ホテルマーケティングを専門とするmicadoがこれまでに得たノウハウを惜しみなく提供していますので、ぜひご活用ください!