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2023.12.13
2023.06.21
かねてより宿泊業界では人材不足が課題となっていましたが、コロナ禍に人員削減をしたことでより一層問題に直面しているホテル・旅館が多いのではないでしょうか。
接客を行うスタッフからバックオフィス業務まで、さまざまな業種がある宿泊業界では必要となる人材が多いことから、経営者から従業員まで、多くの方々が日々頭を抱える存在となっております。
本記事では、「ホテル 人材不足」を解消するための具体的な対策方法を取り上げているので、現在抱えられている課題の解決にご活用いただければと思います。
コロナ禍による宿泊需要が激減してしまったことにより、ホテル・旅館業界から退いてしまう人が増え、インバウンド需要の回復をきっかけに、人材不足の課題が浮き彫りになっています。
帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2023年4月)」やメトロエンジン株式会社が実施した「業界の人手不足とDXについての調査」の結果を踏まえても、半数以上の方々が問題視しているようです。
実際に、国内のホテル・旅館さまの集客支援をさせていただいてる私たちも、現場の方々から聞いている課題についてまとめてみました。
”お客様の要望に十分対応できないこと”や”清掃が行き届かない”、”チェックイン・アウトの手続きが遅延する”など、細部にわたるサービスの低下が目立っているとのことで、実際にOTAやGoogleマイビジネスなどのクチコミで見受けられました。
これらは人手不足が根本的な原因であり、サービスの質は人ありきの部分なので、特に重要な要因だと言え、早めに対策を行わないと今後の集客に影響が出てしまいます。
参考記事:ホテル業界の7割が人手不足に悩み、DXと外部委託の活用を決断しなければいけない状況に…
人手不足による影響は、ホテル・旅館の収益にも及びます。フロントや清掃面などのリソースが足りていないことから、稼働の上限が定められてしまう施設様もいらっしゃるのではないでしょうか?稼働率を抑えるためにあえて単価を上げて販売する施設もあり、”稼働のコントロール”と”単価のバランス”による現場負担を減らすことに重点を置いているようです。
しかし、長期的な目線で見ると、お客様が料金に見合った価値を感じなければ、リピートや口コミ評価に影響する可能性があります。そのため、人手不足への対策を行ってオペレーションの改善を行う必要性が出てきます。
参考記事:稼働率70%超えのホテル・旅館が約半数!宿泊需要の回復を感じるなかで不安の声も上がる現状の業界を紐解く
人手不足の課題はフロントや清掃などの現場だけではなく、マーケティングにも大きな影響を与えます。
繁忙期や閑散期ごとで棲み分けられたマーケティングができておらず、予約売上の機会損失をしてしまっている施設様は多いかと思います。マーケティングに精通した人材が不足しており、売上向上につながる集客施策や、認知度アップにつなげるプロモーションなどができず、ホテル業界においてマーケティングは課題となっています。
参考記事:あなたの施設は”正しいマーケティング”ができていますか?ホテル・旅館のマーケティング運用チェックリスト
今後の宿泊業界では、人材不足という課題はもっと大きくなることが予想されるなかで、コロナ禍をきっかけに「DX(デジタルトランスフォーメーション)化」が注目されるようになりました。また、AI(人工知能)の進化も著しいことから、ホテル・旅館で効率化できる業務も増えています。
続いては、人材不足を解決するホテル・旅館の業務について取り上げているので、日々の仕事の見直しや改善にお役立てください。具体的な対策方法については、こちらをご覧ください。
AIとDXの導入により、フロント業務の人材不足を対策できます。AIチャットボットや自動化チェックイン/チェックアウトシステムを導入することで、受付・チェックイン・チェックアウトの手続きを自動化することも可能ですので、人手不足の影響が顕著に現れやすく、ホテル・旅館の第一印象を左右するフロント業務において対策ができます。
また、客室アサインと清掃スケジュールを最適化するDXツールもあります。フロント業務の一部にツールを導入することで、効率化が図れることは間違いなく、最も導入しやすい部分とも言えます。
AIとIoTで業務を効率化して対策することで、レストラン業務の人材不足問題を解消できます。自動化された予約システムをもとに席のアサインや予約管理ができ、タブレットやスマートフォンを使用したデジタルメニューの導入により、効率的なオペレーションを実現できるでしょう。
在庫管理や注文発注も自動化することができ、AIが過去のデータから需要予測を行い、自動的に適切な量の食材を発注することも可能です。
AIやクラウドベースのシステムを使用することで、宿泊予約センターの業務を効率化することができます。AIチャットボットや自動応答システムは、電話やメールでの予約受付や確認を自動化し、スタッフの負担を軽減します。予約システムの管理と更新についても、AIとクラウドベースのシステムを使用することでリアルタイムに情報を更新し、手作業の削減につながるでしょう。
AIとDXの活用により、コンシェルジュ業務も効率化して人材不足を対策でき、観光案内や地域情報を迅速に提供したり、レストラン予約やチケット手配などのタスクは自動化が可能です。さらに、レンタカーや交通手段の手配、イベントや観光スポットのアレンジについても、適切な選択肢を提案することで効率よく業務を行えます。
AIを駆使せずとも、公式サイトのコンテンツを充実させることで、コンシェルジュ業務の負担を減らすことも可能ですので、コンテンツの見直しも必須です。
AIが過去のデータと市場の動向を分析し、客室料金の設定や調整を効率的に行うことが可能です。AIはシーズンや需要予測に基づく価格戦略を立案し、より具体的で効果的な戦略を提案することができます。
収益管理や予算達成のモニタリングについては、リアルタイムのデータ分析とレポーティングを行うことで、事業の成果をリアルタイムで把握し、予算達成に向けた戦略的な決定ができるでしょう。
関連記事:レベニューマネジメントの鉄則を解説!収益が伸びているホテルがやっている一連の流れとは?
続いては、ホテル・旅館の人材不足を解消することを目的とした対策方法を6つご紹介いたします。
すでに取り組まれている施設様もいらっしゃるかと思いますが、その他の方法も検討することで、より良い環境づくりにつながる可能性もございます。参考にして、ホテルの人材不足問題を改善しましょう。
安定した集客の仕組みを構築するためには、マーケティング活動が欠かせません。特にマーケティングなどの専門知識を持った人材の採用は難しく、採用コストや給料面を考慮すると、外部委託をした方がコストパフォーマンスが良いことが多いです。
業者によっては内製化を最終目標としてコンサルティングを行ってくれる場合もあるので、外部委託をした上で今ある人材を育てていくのもおすすめです。
また、専門業者とのパートナーシップを組むメリットは、目標の達成に近づけるだけでなく、新たな知識をノウハウとして蓄積することも可能です。外部委託を上手く活用し、ホテル・旅館の発展に繋げましょう。
ホテル業界でのDX(デジタルトランスフォーメーション)は、業務効率化や自動化を通じて人材不足の対策ができます。
現時点でもAI技術が進化していることから、フロント業務やレベニューマネジメントの業務負担を軽減が可能です。また、予約や在庫管理の時短にも繋がるので、状況に応じて仕事の効率化が図れるでしょう。
ホテル・旅館業で働く人の声に多いのは、「1日の労働時間が長い」や「夜間や休日の勤務が発生しやすい」などです。年次有給休暇の取得率が低かったり、子育てとの両立が難しいことから、働き方の課題が数多く挙げられます。
忙しい日々の中でも、ストレスを蓄積させることなく働ける環境づくりは重要です。先ほども紹介したようにDXを活用したり、まずは業務オペレーションの効率化から見直し、少しでも労働に対する負担を軽減させるといいでしょう。
離職率が高い理由の一つとして、仕事で得た知識・スキルが将来的に活かすことができるか…という問題です。昔から宿泊業界の労働スタイルは一貫していますが、”仕事へのやりがい”が多様化してきた現代社会だからこそ、ホテル・旅館のやりがいも拡充させることも必要となっています。
昨今ではリモートワークが浸透し、柔軟的に働ける社会にまでなったことから、ホテル・旅館業界のワークスタイルも今後変化を求められるでしょう。
バックオフィス業務ではリモートワークを導入し、昇進を目指したくなるような仕組みや、現場スタッフにも定期的な研修を行い、自分のポジションでどうしたら売上に貢献できるのか、それに伴うインセンティブなどを導入することで、モチベーションにもつながり、離職率の低下も期待できます。
ただお給料のために働いてもらうのではなく、ホテルで働くことで得られるスキルやメリットを明確にし、優秀な人材へと育てていく仕組みも作っていきましょう。
採用基準の柔軟性も重要で、学生や再教育を求める大人たちと連携して、インターンや職業訓練のプログラムを提供することで、新たな人材確保にもつながります。
リゾートバイトなどの特定の期間をアルバイトとして働いてもらう媒体もありますが、”4.教育の仕組みづくり”で取り上げた「仕事へのやりがい」を見出すことで、宿泊業界へ興味を持つ人材が増える可能性もあるので、多角的な面で採用にトライすることも重要です。
また、未経験での採用も積極的に行うと、人材の確保ができます。最初は教育に時間がかかりますが、教育の仕組みづくりが出来ていれば、そこまで大変ではないので、お客様殻の評価を低下させてないためにもおすすめの人材不足の対策方法です。
近年、インバウンド対策として外国人の雇用が増加していることは広く知られています。外国語に対応できない日本人スタッフのサポートとしても大変貴重な人材かつ、日本語を活かして働きたいという人材も多く、外国人を受けれている企業は少ないことから、人材不足の対策としては効果が見込めるでしょう。
外資系ホテルチェーンでは、外国人が日本オフィスで働いていることは当たり前で、優秀な人材が大規模ホテルへと流れてしまうため、ポテンシャルのある人材を積極的に採用することで、人材確保ができます。
ホテル・旅館が人手不足を補うための方法はさまざまでしたが、「ホテル専門業者への外部委託」と「DX活用による人材不足の解消」に注目されている施設さまが多い印象があります。
私たちmicadoでも驚いたのですが、2023年の約半年間で、2022年の年間問い合わせ件数を超えており、外部委託が注目されているのかが明らかでした。
実際にお問合せをいただく内容としては、OTA運用代行やマーケティング支援についてのものが多く、人材不足の解消を目的としたご相談よりも、将来を見据えて安定的な収益の維持または増加を実現させたいというご要望が多くございます。
ホテル・旅館のコンサルティング会社へ依頼する方法を解説!未来を見据えた計画力が売上を左右する?でも詳しく説明をしているのですが、マーケティング会社は多いのに対し、ホテルマーケティングに精通している企業は数少ないのはご存じでしょうか?
宿泊業界や宿泊情勢について熟知していないと、共通認識がズレてしまうことから、micadoは目的や要望に寄り添える委託先を推奨しております。
ご検討されているホテル・旅館さまは、「相場感などを詳しく知りたい」や「どのような支援をしてもらえるかなどを知りたい」などとお考えの方は、micadoのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。みなさまの目標達成に向けて、最適なプランをご提案し、お手伝いさせていだきます。