「ホームページを作り直したいが、何から手をつければよいのか分からない」。私たちmicadoはホテル・旅館の公式サイトの制作と運用を支援していて、この相談をよく受けます。制作会社に連絡する前に、施設の中で決めておくべきことがいくつかあります。そこが決まらないまま見積もりを取ると、金額の違いばかりが目につき、何を比べているのか分からなくなります。
この記事では、ホテル・旅館のホームページ制作の始め方を、決めておくこと、制作の手順、費用の見方の順に整理します。制作会社の選び方と比較は、別の記事で扱っています。
ホテル・旅館のホームページ制作は、何から始めればよいですか?
ホームページ制作の出発点は、デザインではありません。そのホームページに何を担わせるのかを決めることです。役割が決まれば、載せる情報も、必要な機能も、かけるべき費用も決まってきます。皆さまの施設のホームページは、いま何のためにあるのでしょうか?
最初に、ホームページに担わせる役割を決めます
ホテル・旅館のホームページに期待される役割は、大きく分けて3つあります。1つ目は、直接予約を受けることです。経由の予約には手数料がかかるため、公式サイトからの予約が増えれば、同じ売上でも手元に残る額が増えます。2つ目は、施設の魅力を伝え、選ばれる理由をつくることです。のページでは伝えきれない、施設の考え方や過ごし方を伝える場所になります。3つ目は、問い合わせや団体の相談、採用など、予約以外の窓口になることです。
どの役割を一番に置くかで、作り方は変わります。直接予約を一番に置くなら、予約ボタンの位置や、予約画面までの流れが最も大切になります。魅力を伝えることを一番に置くなら、写真や文章、周辺の情報が中心になります。
役割が決まったら、目標も1つ決めておきます。たとえば「公式サイト経由の予約の割合を、いまより高める」といった目標です。数字の目標があれば、公開後にホームページがうまく働いているかを確かめられます。
載せる情報と、予約の仕組みを書き出します
役割と目標が決まったら、ホームページに載せる情報を書き出します。客室タイプごとの写真と説明、宿泊プラン、料金の見せ方、食事やお風呂、館内の設備、アクセス、周辺の観光情報などです。誰に向けたホームページなのかも、ここで決めておきます。家族連れが多い施設と、出張の利用が多い施設では、前に出すべき情報が違います。
次に、仕組みについて決めます。予約は、どの予約エンジンとつなぐのか。海外からの予約を受けるなら、どの言語に対応するのか。公開したあとの更新は、施設のスタッフが自分でするのか、制作会社に頼むのか。自分で更新するなら、専門の知識がなくても文章や写真を差し替えられる仕組みが必要です。
最後に、ロゴや色、文字の使い方など、施設の見せ方の決まりがあれば集めておきます。決まりがない場合も、残したい雰囲気や参考にしたいサイトを挙げておくと、制作会社との話が早く進みます。トップページ以外にどのページを先に整えるべきかは、公式サイトの主要ページを扱った記事で整理しています。
ホテル・旅館のホームページ制作は、どんな手順で進みますか?
決めておくことがそろったら、制作に入ります。制作会社に依頼する場合も、施設側がどの段階で何を求められるのかを知っておくと、進行が止まりにくくなります。皆さまの施設では、制作の期間中に誰が確認や判断をするか、決まっているでしょうか?
設計、デザイン、構築、確認、公開の5段階で進みます
ホームページ制作は、一般的に次の5つの段階で進みます。1つ目は設計で、どのページをどんな順番で並べ、どこから予約画面へ進むのかを決めます。2つ目はデザインで、施設の雰囲気に合わせて、色や写真の使い方、文字の大きさを決めます。3つ目は構築で、デザインを実際に動くページにします。設計とデザインの段階では、施設側の確認が何度も入ります。ここで役割や載せる情報がぶれると、作り直しが増え、期間も費用も膨らみます。
4つ目は確認です。すべてのリンクが動くか、スマートフォンでも正しく表示されるか、予約エンジンの画面まで問題なく進めるかを確かめます。ホテル・旅館のホームページでは、予約画面までを1つの流れとして確かめることが特に大切です。予約の途中で離脱が起きやすい場面は、公式サイトの予約完了率を扱った記事で詳しく紹介しています。
5つ目が公開です。ただし、公開はゴールではありません。公開後にアクセスや予約の数字を見て、改善を続けることで、ホームページは少しずつ予約につながる形になっていきます。公開から数か月の数字を見る日を、あらかじめ決めておくとよいでしょう。
施設側の準備が、進み方と仕上がりを決めます
制作の期間が延びる原因の多くは、施設側の準備にあります。写真がそろっていない、客室やプランの説明文が決まらない、確認する人が多く判断に時間がかかる。こうしたことで、制作の手が止まります。
写真は、ホームページの印象を大きく左右します。古い写真や枚数が足りない写真のまま作り直すと、新しいデザインの良さが生きません。撮影を合わせて行う場合は、使う場所とカットを先に決めておきます。撮影の進め方は、ホテルの写真撮影を扱った記事で整理しています。
作り直しの場合は、古いページのアドレスの扱いも忘れずに決めます。検索結果に出ている古いページのアドレスが消えると、そこから来ていた人が行き場を失います。新しいページへ自動で移す設定をしておけば、検索からの流入を引き継ぎやすくなります。また、繁忙期に公開の時期が重なると、確認や修正に手が回らなくなるため、公開日は施設の閑散期に合わせると安心です。

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ホテル・旅館のホームページ制作の費用相場は、どう見ればよいですか?
費用は、ホームページ制作を考えるときに最も気になる点だと思います。ただ、同じホームページという言葉でも、作業の範囲によって金額は大きく変わります。金額だけを並べて比べると、判断を誤ります。皆さまの手元の見積もりには、何が含まれているでしょうか?
費用は、依頼先の形と作業の範囲で変わります
依頼先の形には、主に4つあります。ホームページ制作を専門にする制作会社、広告の運用まで一緒に請け負う広告代理店、個人で活動するフリーランス、そして施設が自分で制作の道具を使って作る方法です。一般的に、制作会社や広告代理店は費用が高くなる代わりに対応できる範囲が広く、フリーランスや自作は費用を抑えられる代わりに、品質や対応できる範囲が人や時間によって変わります。
金額を左右するのは、依頼先の形だけではありません。ページの数、多言語への対応、写真や動画の撮影、予約エンジンとの連携、スタッフが自分で更新できる仕組み、公開後の保守。どこまでを含むかで、同じ依頼先でも見積もりは大きく変わります。
見積もりを比べるときは、合計の金額ではなく、この作業の範囲をそろえて比べます。特に見落としやすいのが、公開後にかかる費用です。サーバーの維持や安全対策、情報の更新、改善の提案。これらが月々いくらで、どこまで含まれるのかを確かめておかないと、作ったあとに思わぬ費用がかかります。
ここは率直にお伝えします
ホテル・旅館のホームページ制作の費用について、裏づけのある公開の相場は見当たらないため、この記事では依頼先ごとの金額の目安は載せていません。作業の範囲によって金額の幅が大きすぎ、目安の数字がかえって判断を誤らせるからです。私たちの公式サイト制作でも、新しく作る場合の費用は、ページ数や多言語対応、撮影の有無などの条件によって変わり、100万円未満から制作しています。
もう1つお伝えしたいのは、費用の高さと予約の増え方は比例しないということです。見た目の整ったホームページでも、予約までの流れが分かりにくければ、予約は増えません。判断の軸は、そのホームページが最初に決めた役割を果たせるかどうかです。直接予約を一番に置くなら、予約までの流れの設計にどれだけ時間をかけてくれるかを見ます。
制作会社を選ぶ段階では、作業の範囲と、公開後に何を確かめてくれるのかを比べます。会社ごとの違いと、契約の前に確認したいことは、ホテルのホームページ制作会社の選び方を扱った記事で詳しく整理しています。

まとめ
ホテル・旅館のホームページ制作は、デザインからではなく、ホームページに担わせる役割を決めるところから始めます。役割と目標が決まったら、載せる情報と、予約エンジンや多言語、更新の仕組みを書き出します。
制作は、設計、デザイン、構築、確認、公開の5段階で進み、予約画面までを1つの流れとして確かめます。写真や原稿、古いページのアドレスの扱いなど、施設側の準備が進み方と仕上がりを決めます。費用は依頼先の形と作業の範囲で変わるため、見積もりは公開後の費用まで含めて範囲をそろえて比べ、最初に決めた役割を果たせるかで判断します。
読んで「なるほど」で終わらせていませんか?
施策は思いついても「どの順で・いつやるか」で止まっていませんか。いま売上を伸ばしている施設と、そうでない施設の差は、「どこで取りこぼしているか」に気づき、「いつ・何をすべきか」を数字で判断できているか。違いはそこだけです。
同じエリア・同じ規模の施設は、すでにデータを見ながら最適なタイミングで手を打ち始めています。一方で「分析する仕組みがない」「何から手をつければいいか分からない」と判断を後回しにしている間も、機会損失は静かに積み上がっていきます。
まずは”自社で実際に何が起きているか”を見るところから。それが、最適なタイミングで最適な一手を選べる施設への第一歩です。
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ホームページを作り直すべきか迷っている、何を決めてから制作会社に相談すればよいか分からない、という段階でも構いません。いまのホームページと予約の状況をお聞かせいただければ、役割と載せる情報を一緒に整理するところから始められます。