契約の前には、本体に含まれる機能とオプションの範囲、予約データをどの項目・形式で施設が取り出せるか、乗り換えや解約のときに過去のデータを受け取れるかを確認することが大切です。この記事では、ホテル向け・旅館向けを含む9製品を、8つの機能で同じ表に並べて比較しています。目的別の探し方と、で解決したい6つのことも、あわせてご紹介します。
の運用で、こんなお悩みはありませんか?
当てはまる項目から、に求める機能と、比べるべき項目が見えてきます。
から入った予約を、台帳や別のシステムに手で入力している。二重入力や入力漏れが、ときどき起きている。
チェックインや精算の時間に業務が詰まる。夜間のフロントに人を置き続けるのが難しくなってきた。
食事の時間や場所、献立を別の台帳で管理している。売掛や経理への転記が手作業で、施設全体の数字がまとまらない。
どのから、どの部屋が、いくらで売れているのかをすぐに出せない。日ごとの集計を表計算ソフトで作り直している。
「現場が今のシステムを使いこなせていない」という悩みも、操作のわかりにくさではなく、誰が・いつ・何を入力するのかが決まっていないことが原因の場合があります。「データが出せない」も、今の製品の設定やプランで解決できることがあります。製品を比べる前に、何を解決したいのかを整理しましょう。
選びで起こりやすい3つの失敗
候補を比べる際は、次の選び方になっていないか確認しましょう。
導入施設数が多くても、その中に自施設と近い業態の施設がどのくらいあるかはわかりません。部門の多い大型施設向けの製品は、客室数の少ない施設には機能も費用も過剰になることがあり、省人化を得意とする製品では、料飲の比重が大きい旅館の食事管理が別の台帳に残ることもあります。
との連携、セルフチェックイン機、外部ツールへのデータ連携、分析の機能が、本体に含まれるのかオプションなのかは製品によって違います。大型施設向けは個別見積もりが中心です。優先する目的に必要なものを含めた総額で比べましょう。
「データは出せます」の中身が集計表なのか予約1件ごとの明細なのか、施設が好きなときに出せるのかで、販売の判断に使えるかが変わります。解約後にデータを受け取れるかは契約の内容次第です。
判断のポイント:「施設が予約データをどの形で取り出せるか」と「乗り換えや解約のときに何が施設に残るか」を確認しましょう。
ホテル・旅館の9製品の比較表
各社が公開している製品情報をもとに、ホテル・旅館のを同じ8つの機能で整理しました。
同じ「」でも、宴会や婚礼、売掛、会計まで1つの仕組みでまとめる多部門・大規模向けの製品、施設の運用に合わせて調整できることを強みにする製品、クラウドで提供し、セルフチェックインや決済の機能を必要に応じて足していく製品、予約エンジンと一体になった製品など、得意分野はさまざまです。この表は優劣を決めるランキングではなく、自施設に必要な機能を持つ製品を探すための入口としてご覧ください。
掲載について:本記事は株式会社micadoが運営しています。micadoは(宿泊管理システム)を提供していないため、比較表には含めていません。掲載料は受け取っておらず、掲載は推奨や順位を意味しません。
| 製品・会社 | 予約・ 客室管理 | フロント (チェックイン・会計) | セルフチェックイン・ 自動精算機 | 料飲・宴会・ 売掛 | 連携 | 複数施設の 一元管理 | クラウド 提供 | データ出力・ 分析(帳票) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| タップ「タップホテルシステム」多部門・大規模向け | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
| 日本電気「NEHOPS」多部門・大規模向け | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
| Oracle「OPERA Cloud」多部門・海外製 | ◎ | ◎ | △ | ◎ | △ | ◎ | ◎ | ◎ |
| バリューコマース「DYNA PMS」中〜大規模・多部門 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | △ | — | △ |
| USEN-ALMEX「Wincal」ホテル向け(宿泊特化型) | ◎ | ◎ | ◎ | △ | ◎ | △ | ◎ | ◎ |
| 陣屋コネクト「陣屋コネクト」旅館向け | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | △ | ◎ | ◎ |
| HOTEL SMARTクラウド・省人化 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | △ | ◎ | ◎ |
| aipass「aipass」クラウド・省人化 | ◎ | ◎ | ◎ | △ | ◎ | △ | ◎ | ◎ |
| ステイシー「Staysee」小規模向け・料金公開 | ◎ | ◎ | ◎ | △ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
調査について:2026年11月1日時点の各社公式サイト・公式発表の公開情報をもとに編集部が整理しています。比較サイトや第三者の記事(料金を含む)は判定の根拠にしていません。海外製品は、日本語の公式ページで提供内容を確認できたものに限っています。なお、タップはmicadoが主催するイベント(HMC2026)でmicadoと同じセッションに登壇する企業ですが、判定は他社と同じ基準で行っています。公開情報だけでは範囲を判断できない項目は「△」、確認できなかった項目は「—」としました。「—」は非対応を意味するものではありません。社名のリンク先は各社の公式サイトです。
比較表の見方:記号の数だけで製品の良し悪しは比べられません。宴会や売掛を持たない施設にとって、その列が◎でない製品は劣っているのではなく、必要な機能に絞った合理的な選択肢です。候補を絞ったあとは、予約データをどの項目・形式で出せるか、オプションを含めた総額、乗り換え時のデータ移行の扱いまで、商談で確認しましょう。
多部門・大規模向け
宿泊に加えて婚礼・宴会、レストラン、売掛、会計まで、施設全体を一つの仕組みでまとめたいシティホテル・リゾート・旅館やチェーン。
料金は公式に記載がなく個別見積もり。20を超えるサブシステムから選ぶ形のため、どこまでを導入範囲に含めるかで総額が変わる点を確認したい。
多部門・大規模向け
宴会・レストラン・売掛まで含めて全館を管理したいシティホテルや、シティホテルとビジネスホテルが混在するチェーン。
月額利用料金制と記載されているが金額は非公開。新版「NEHOPS+」が2026年度から順次提供予定のため、導入時期にどちらの版になるかを確認したい。
多部門・海外製
海外ブランドの基準で運営するホテルや、複数施設のゲスト情報を一元管理したいチェーン。
国内のとの連携や、セルフチェックイン機との組み合わせは公式ページで具体的に確認できなかった。料金も非公開。
中〜大規模・多部門
宴会・売掛まで扱うホテルで、フロントの省力化と、同じ提供会社の予約エンジン・との組み合わせを考えている施設。
公式のQ&Aでは、予約データは移行せず新システムで再入力する運用と案内されている。クラウドでの提供か、予約データの出力形式は公式ページで確認できなかった。導入まで約3〜6か月。
ホテル向け(宿泊特化型)
自動精算機と組み合わせてフロントを回したいビジネスホテル・宿泊特化型ホテル。
旅館の食事・宴会の管理は公式の機能一覧にない。複数施設の一元化は製品の位置づけとして掲げているが機能の詳細は問い合わせ。料金は非公開。
旅館向け
食事の予約や厨房との連携、館内の会計までまとめたい旅館。自社サイトの予約エンジンも同じ仕組みで持ちたい施設。
予約エンジン経由の手数料(カード決済手数料込み2.4%)は公式に記載があるが、本体の月額は公式ページで確認できなかった。複数施設の管理は横断検索・予約の記載まで。
クラウド・省人化
セルフチェックインや自動精算機で省人化しつつ、旅館の食事・団体・売掛も一つの仕組みで管理したい小〜中規模の施設。
料金は施設数・部屋数に応じると記載されているが金額は非公開。本部から複数施設をまとめて見る機能の範囲は公式ページで確認できなかった。
クラウド・省人化
セルフチェックインやゲストアプリで、少ない人数での運営を目指すビジネスホテル・ブティックホテル。
月額2.5万円〜(客室数とプラグイン数で変動)と公式に記載。料飲はPOS連携による部屋付けが中心で、旅館の食事・宴会の管理範囲は確認が必要。
小規模向け・料金公開
料金を公開している製品から始めたい民泊・ゲストハウスや、小規模の旅館・ホテル。
連携と複数施設管理は最上位プラン(月額9,980円・税込)で、施設を追加するごとに料金がかかる。売上・経費分析ツールは月額5,500円(税込)のオプション。
目的別に探す、おすすめの
自施設の課題に近い目的を選び、比較表の該当する列で◎が付いている会社から候補を絞り込みましょう。
比較表で見る列:予約・客室管理/フロント(チェックイン・会計)/連携
いずれも◎の会社:タップ「タップホテルシステム」、日本電気「NEHOPS」、バリューコマース「DYNA 」、USEN-ALMEX「Wincal」、陣屋コネクト「陣屋コネクト」、HOTEL SMART、aipass「aipass」、ステイシー「Staysee」
比較表で見る列:セルフチェックイン・自動精算機/クラウド提供
いずれも◎の会社:タップ「タップホテルシステム」、日本電気「NEHOPS」、USEN-ALMEX「Wincal」、陣屋コネクト「陣屋コネクト」、HOTEL SMART、aipass「aipass」、ステイシー「Staysee」
比較表で見る列:フロント(チェックイン・会計)/料飲・宴会・売掛
いずれも◎の会社:タップ「タップホテルシステム」、日本電気「NEHOPS」、Oracle「OPERA Cloud」、バリューコマース「DYNA 」、陣屋コネクト「陣屋コネクト」、HOTEL SMART
比較表で見る列:複数施設の一元管理/データ出力・分析(帳票)
いずれも◎の会社:タップ「タップホテルシステム」、日本電気「NEHOPS」、Oracle「OPERA Cloud」、ステイシー「Staysee」
この一覧の見方:比較表の記号から、該当する列がすべて◎の会社を抜き出したものです。支援の質や成果の順位ではありません。△の会社も対応している可能性があるため、気になる会社には対応範囲を直接確認しましょう。
で解決したい6つのこと
を検討し始めたきっかけによって、確かめるべき機能は変わります。自施設が何を解決したいのかに近いものから整理してみましょう。
予約を自動で取り込み、変更や取り消しまで正しく反映できるかを見る。手間の多くは、部屋の移動や団体の予約など、標準の流れから外れた処理にある。
セルフチェックイン機や自動精算機、客室の鍵との組み合わせで、どこまで機械に任せるかを考える。カードが通らない、予約が見つからないときに誰が対応するかも決めておく。
予約と食数・食事の場所をつなげられるか、会計ソフトへ連携できるか。旅館では、室料と食事の売上を分けて記録できるかが、プランの値付けを見直す材料になる。
予約の受付日時、取り消しの日時、名まで分かれた予約経路、室料と食事の内訳が記録され、施設が取り出せるか。記録されていない項目は、あとから分析ツールを足しても埋まらない。
複数の施設のデータを同じ形式で集められるか、本部と各施設の権限をどう分けるか。税込・税抜や団体の扱いなど、集計の定義がそろっているかも確認する。
過去のデータをどの範囲と形式で移せるか、並行して使える期間はあるか。旧システムの解約を通知する前に、全期間の予約データを書き出しておく。
複数に当てはまる場合は、何を優先するかを決めておくと、製品ごとの得意・不得意のどこを妥協してよいかを判断しやすくなります。開業に合わせて初めて導入する場合は、移行の心配がない代わりに、どれを優先するかを最初に決めることになります。小規模な施設や一棟貸しでは、予約システムと、表計算ソフトの組み合わせで運営している施設もあり、を入れないことも選択肢の一つです。
乗り換え・導入の前に確認したい、範囲と役割分担と成果の考え方
解決したいことが見えてきたら、候補の製品と提供会社が実際に何をしてくれるのかを確認しましょう。
連携、セルフチェックイン機、外部ツールへのデータ連携、分析の機能がどちらに入るかを確かめ、必要なものを含めた総額で比べましょう。「出せます」「つながります」という答えには、どの項目が、どの形で、どちら向きにという説明が続くかも見てください。
客室やプラン、料金の登録、過去データの移行、スタッフへの操作説明のうち、どこまでを提供会社が担うのか。や会計ソフトとの連携がうまくいかないときの問い合わせ先と、運営を委託している場合のの契約名義も確かめておきましょう。
手間を減らしたいなら手入力や締めの集計にかかる時間、少人数での運営なら人員配置をどこまで変えられたか、データの活用なら必要な集計を施設が自分で出せるか、乗り換えなら過去のデータが欠けずに引き継がれ前年と比べられるか。稼働直後と数か月後で確認する時期を分けておくと判断しやすくなります。
聞いてみたい質問:「導入後に現場で定着しなかった施設では、何が起き、どう対応しましたか?」「解約するとき、全期間の予約データをどの形式で受け取れますか?」。導入実績の数だけでなく、導入後の問題にどこまで関わってくれるのかを聞いてみてください。
関連記事:サイトコントローラー、「連携先が多い」で決めていいのか?導入前に確認したいこと/サイトコントローラーだけでは守れない。PMS連携まで含めた“ダブルブッキング防止”の管理術
を提供していないmicadoが、選定と活用をお手伝いできる4つの理由
micadoはを販売していません。に入っている予約データを、販売の判断に使う側の会社です。だからこそ特定の製品に寄らず、施設の販売の目的から、選定や乗り換えで確かめたい項目を一緒に考えられます。なお、製品の機能の確認や導入、データの移行は各提供会社へのご相談になり、フロント業務の効率化や料飲部門の管理そのものは、私たちの専門ではありません。
特定の製品を勧める立場にないため、「どの製品が上か」ではなく、施設の販売の目的に照らして必要な項目を一緒に洗い出します。比べるのは、予約の受付日時やキャンセルの日時、名まで分かれた予約経路、室料と食事の内訳を、施設が自分で取り出せるかといった、販売の判断に直結する項目です。
- 製品に寄らない立場で選定項目を整理
- 帳票・データ出力・連携の中身を確認
- 商談で聞くべき質問を一緒に準備
運用や料金の判断を日々担当しているマーケターが、の帳票や予約データを実際に読み、販売経路・客室タイプ・ごとの売れ方を確かめています。今のから出せるデータでどこまで分析できるのか、足りない項目が判断にどう影響するのかを具体的にお伝えできます。
支援の実例甲信のスキーリゾートのホテルで、海外を含む運用を担当。の帳票で確認した2026年1月の室料は、前年同月比+38.7%でした(運営体制の変更と同じ時期です)。
- 帳票から室料・販売室数の推移を読む
- 販売経路・客室・日数で売れ方を分解
- 足りない項目の影響を具体的に示す
税込か税抜か、団体や手数料をどう扱うか。同じ「平均単価」でも定義が違えば、施設同士も前年とも比べられません。micadoは、毎月の振り返りで使う数字の定義をそろえ、施設と共有します。乗り換えで前年比が途切れないよう、書き出しておくデータの範囲も一緒に確かめます。
- 集計の定義(税・団体・手数料)をそろえる
- 前年と比べられる数字を残す
- 乗り換え前に書き出すデータを確認
分析AI「Levitt」で、今日までの予約データとマーケティング活動から、売上目標に届く見込みを早めに把握します。差が出ている月は、販売経路や客室タイプ、予約から宿泊までの日数から原因を探し、、SNS、公式サイト、価格、プランの中から打ち手を選んで実行します。
支援の実例全国に複数の施設を持つホテルチェーンで、会員向けのクーポンを設計。第1〜3弾の発行期間の自社予約の売上は+73.4%で、同じ期間のブランド全体の伸び(+40.6%)を差し引いても約400万円の上積みでした。
- 今日時点の着地見込みを把握
- 課題を販売経路・客室・日数で特定
- ・・料金の施策を実行
実例は、施設名を伏せて支援期間中の推移を記載したものです。運営体制の変更やブランド全体の動き、市場の動きと並行しているため、すべてがmicadoの支援による成果とは限りません。
micadoは、契約期間でクライアントを縛らないことを方針にしています。「を替えるべきか、今の使い方を見直すべきか迷っている」「売上が伸びない原因が、データにあるのか販売の方法にあるのかもわからない」という段階からご相談いただけます。
の選定や乗り換えの前に、
予約データの使い方を整理してみませんか?
製品を決める前の段階でも構いません。現在の状況と、これから実現したいことをお聞かせください。