ホテルの売上を上げるには?行動経済学で紐解くレベニューマネジメント

ホテル経営にはただ数字をマネジメントする力だけでなく、人の心理を考慮したマーケティング力も必要になります。

今回は、ホテルの売上を上げるために必要とされるレベニューマネジメントを、行動経済学に付随する3つの法則・効果を用いて解説しています。

集客対策はしっかりできているはずなのに、なぜか宿泊予約までつなげることができず売上にお悩みの宿泊施設さまはぜひお役立てください!

行動経済学はホテル経営に役立つ!?

行動経済学とは、心理学と経済学をかけ合わせたもので、人の心理が考慮されていない経済学に心理学を入れ込むことで、より現実的になります。また、行動経済学はマーケティングに応用できるので、ホテルの売上を管理するレベニューマネジメントにおいても重要な知識です。

ホテル経営を成功させるために経営学や経済学を学んだ方も多いと思いますが、あくまで経営学と経済学は、「人は合理的に動く」という前提となっています。つまり、極論で言うと心を持たないAIやコンピューターを相手に展開されている学問なのです。

ですが、人間には心があり非合理的なので心理学も理解する必要があります。行動経済学を理解すると、ただ安いだけでは購入しない人が一定数いることも分かるので、非合理的な行動に対応できるようになり、効率良く売上を上げることができます

ホテルの売上を上げるために活用できる3つの知識

行動経済学にはたくさんの法則や現象があり、今回はホテル・旅館に応用できる3つを紹介していきます。

客室料金をお得に感じさせる

人が何かを決定するときに、ある値を基準として比較することで判断する現象のことを、「アンカリング効果」といいます。

多くの場合、最初に提示された情報が基準となる傾向があります。

「5,000円の商品が今だけ4,000円!」といったセールスフレーズは、5,000円という評価基準を提示することで4,000円をよりお得に感じさせられます。単に「この商品は4,000円です」と言うだけでなく、比較できる値段や条件も一緒に提示すると、「こっちの方がお得だから買おう」という購買行動へ促すことができます。

ホテル・旅館では何種類か客室を用意していると思いますが、需要によって変動する客室料金の最高額を記載しておくことで、「この日ならお得に泊まれる!」と思ってもらえるようになり、宿泊予約を獲得しやすくなります。

また、セールを行う場合は元の値段も記載しておくことで、お得感から宿泊予約が期待でき、需要が低くて在庫が余ってしまいがちな日でも客室を売り切りやすくなるので、売上を上げることできます。

関連記事:「高付加価値プラン」とは?ホテル・旅館の宿泊単価を上げるために欠かせない価値の見出し方を解説

一押しの宿泊プランを売れやすくするにはおとりを

複数のプランを提示するときに、あえて選ばれにくいおとりの選択肢をまぜることで他の選択肢が選ばれやすくなる現象のことを「おとり効果」と呼びます。

たとえば、ホテル・旅館の宿泊プランで以下の2つのプランがあったとします。

    1. 通常料金 (素泊まり)       15,000円
    2. 朝食付きプラン      17,000円

2つのプランしかないので、比較的安いAの通常料金が売れやすくなります。

続いて、新たにもう1つプランを追加します。

    1. 通常料金 (素泊まり)       15,000円
    2. 朝食付きプラン      17,000円
    3. 24時間滞在+朝食付き   17,000円

3つのプランがあることで、Cの24時間滞在と朝食がついているプランが売れやすくなります。なぜなら、Cのプランは通常のチェックイン・チェックアウト時間よりも長く滞在できる24時間滞在が可能な上、朝食がついているので他の選択肢と比べてお得だと感じるからです。

Bの朝食プランでは24時間滞在できないので、同じ価格であればCのプランで予約しよう、となります。Cのプランをよりお得に見せるためにも、比較対象となるおとりを入れることで効果が発揮され、ホテル・旅館の売上を上げることができます。

高単価な宿泊プランを売るには他の選択肢も提示する

複数の選択肢を提示することで中間の選択肢が選ばれやすくなる現象は、「松竹梅の法則」と呼ばれます。

たとえば、以下の2つのプランを提示したとします。

    1. デラックスルームプランA 5,000円
    2. デラックスルームプランB 8,000円

各プランに大きな差がなければ、価格の安いAを選ぶ人が多くなります。

そこで、おとりではなく価格によって内容の変わる選択肢をもう1つ追加します。

    1. デラックスルームプランA   5,000円
    2. デラックスルームプランB   8,000円
    3. デラックスルームプランC 10,000円

選択肢が3つ以上に増えると、最低価格のAでもなく、一番高くて付加価値のあるCでもなく、中間のBがお得なのではないか、と感じるようになります。2つの選択肢では8,000円が高く感じても、より高い値段を提示されたことで比較的安く感じ、Bを選ぶ人が増えます。

安さを重視する人もいるのですべての人に対して効果があるわけではありませんが、ホテル・旅館に特別な思い出を求める人にとっては「高単価なプラン=良い思い出」となる場合があるので、3つ目のプランは無駄にはなりません。

高いか安いかの選択肢だけでなく、中間層もいることを考えれば、3つ以上の選択肢を提示することで、さまざまな顧客の需要に対応することができます

ホテルの売上を上げるにはさまざまな角度からの知識が必要

比較材料となる選択肢を提示することで、今まで高く感じていたものでもお得に感じるようになりますが、選択肢を増やしすぎてしまうと、情報が多すぎて比較することすら諦めてしまう傾向があり、これにもある法則が関係しています。

人の心理を理解して経済学に応用する行動経済学は、レベニューマネジメントやマーケティングでとても重要です。今回紹介した法則や効果は、実際に自分にも当てはまったと感じる方もいらっしゃたのではないでしょうか?

行動経済学のように、経済学だけではなく心理学も取り入れたマーケティングが必要な理由については、OTAマネジメントではなく、OTAマーケティングが求められる理由とは?販売促進のポイントを徹底解説!の記事でも解説しているのでぜひお役立てください!

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投稿者プロフィール

髙橋瑞希
髙橋瑞希
ホテル・旅館の集客戦略やブランディングなどの情報を発信し、mint(micado hint)のメディア運営を担う。海外のホテルマーケティングを研究し、新たなデジタルマーケティング施策を推奨しながら、宿泊業界に貢献をする。