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OTAの実質手数料をCPAで可視化|施策の利益を確かめる手順

公開 更新 OTA レベニューマネジメント 販売促進 河野 雄大

この記事の要点

  • 実質手数料は、契約手数料にポイント、広告費、クーポン原資を足して月ごとに出します。売上で割れば率、予約件数で割ればCPAです。
  • 判断基準は、1件の予約で手元に残る額です。CPAがその額に近づいたら、媒体ごとに施策を縮める線を先に決めます。
  • 施策の止めどきは、増えた予約だけを数えて判断します。割引率は10%と5%を並べ、同時施策を変えずに詰めます。

本文をもとにAIで作成しました。

OTAの実質手数料をCPAで可視化|施策の利益を確かめる手順

「今月は稼働が読めないので、とりあえずクーポンを出しておきました」。私たちmicadoはホテル・旅館の運用を支援していますが、相談の最初によく聞く言葉です。売上の数字は動くので、打ち手として間違っていないように見えます。ところが四半期で振り返ると、「売上は伸びたのに、利益がほとんど残っていない」という声に変わります。

これは担当者の力量の問題ではありません。セールやクーポン、ポイント、広告が重なったときの本当のコストが、契約の数字からは見えないという、仕組みの問題です。この記事では、そのコストをの実質手数料と(予約1件の獲得にかかった費用)で可視化し、施策を続けるか止めるかを数字で決める手順を整理します。


の実質手数料とは、どう出せばよいですか?

最初に、物差しをそろえます。私たちは、のコストを2つの数字で見ています。売上に対してどれだけ払ったかを示す実質手数料の率と、予約1件を得るのにいくら払ったかを示すです。どちらも、契約の手数料だけでなく、施策のコストまで足して出します。皆さまの施設では、先月に払った額の合計を、すぐに答えられるでしょうか?

契約の手数料に、施策のコストを足して合計を出します

に払っているのは、契約の手数料だけではありません。施設が負担するポイント、会員向けのプログラムの費用、の中の広告費、施設が発行したクーポンの原資が、その上に積み重なります。私たちが支援する現場では、契約の手数料が1割程度でも、これらを足すと実際の負担が2〜3割に達しているケースを見てきました。

まず、媒体ごとにこれらのコストを1か月分書き出し、合計します。そのうえで、合計を同じ月の売上で割ったものが実質手数料の率、予約の件数で割ったものがです。たとえば、ある媒体で1か月に払った合計が60万円、売上が300万円、予約が100件なら、実質手数料の率は2割、は6,000円です。上乗せが生まれる経路の詳しい分け方は、OTA手数料の上乗せを扱った記事で整理しています。

率との両方を見るのは、比べる相手が違うからです

実質手数料の率は、同じ売上を上げるのにどれだけ払ったかを示すので、媒体どうしを比べるのに向いています。一方のは、予約1件あたりの額なので、1件の予約で手元に残る額と比べられます。単価の高い媒体は、率が同じでもが大きくなります。率だけを見ていると、1件あたりの負担が利益を超えていることに気づけません。反対に、だけを見ていると、単価の高い媒体ほど割高に見えてしまいます。2つを並べて見ることで、どちらの見誤りも防げます。

は、公式サイトからの予約にも出せます。予約システムの利用料や検索広告の費用を予約件数で割れば、と公式サイトを同じ物差しで並べられます。どちらに在庫や販促費を寄せるべきかを、感覚ではなく数字で話せるようになります。

表は月ごとに同じ形で残し、請求の時期のずれに気をつけます

計算は、表計算の1枚の表で十分です。媒体ごとの行に、契約の手数料、ポイント、広告費、クーポンの原資、売上、予約件数を並べ、毎月同じ形で記録します。高度な分析の道具は要りません。数字は、各の請求明細と、や予約の管理に使っている仕組みの予約データを突き合わせて拾います。大切なのは、毎月同じ項目を同じ形で残し、前の月と並べて見られるようにすることです。

気をつけたいのは、請求の時期です。施策のコストは、宿泊した月と別の月に請求されることがあります。今月使った広告費が翌月の請求に載ると、今月は利益が出て、翌月は出ていないように見えます。表には、宿泊した月に合わせてコストを置き直すと、判断を誤りにくくなります。置き直しが難しい場合でも、請求の月と宿泊の月がずれている項目に印を付けておくだけで、読み違いはかなり減ります。


その実質手数料は、どこまでなら許されるのですか?

実質手数料とが出たら、次はその数字が高いのかどうかを判断します。判断の基準は、ほかの施設の平均ではなく、自社の1件の予約で手元に残る額です。そこから、ここを超えたら縮める、という線を先に決めておきます。皆さまの施設では、にいくらまでなら払ってよいか、線を決めているでしょうか?

1件の予約で手元に残る額から、超えてはいけない線を決めます

最初に、1件の予約で手元に残る額を出します。平均の予約の単価から、清掃やリネン、アメニティ、食事の原価など、1件ごとにかかる費用を引いた額です。がこの額に近づくほど、予約が入っても利益は残らなくなります。この額は、媒体や客室タイプ、食事の有無によって変わるので、主な客室とプランごとに出しておくと判断が細かくできます。最初は大まかな額で構いません。

そこで、媒体ごとに、がここを超えたら施策を縮める、という線を決めておきます。手元に残る額のうち、どこまでを獲得の費用に使ってよいかを、施設の方針として決めるということです。線は、施策を始める前に決めます。始めたあとで決めると、結果に合わせて線を動かしたくなるからです。決めた線は、表の横に書いておき、毎月の数字と並べて見ます。

施策の重なりで、線を超えていないかを確かめます

実質手数料が線を超える原因として多いのが、施策の重なりです。のセール、ポイントの上乗せ、施設が出したクーポンが、同じ予約に同時に使えると、1件の予約に割引と費用が何重にも積み上がります。それでも予約の件数と売上は伸びるので、現場では、うまくいっているように見えてしまいます。稼働が落ちたから割引する、という反応が止まらなくなるのは、この見え方のせいです。

重なりを防ぐには、割引を率で決めるのではなく、月ごとのコストの上限で管理します。から企画の案内が届くたびに参加を決めるのではなく、上限を超える企画には出ないと先に決めておきます。上限を先に決め、その範囲の中で施策を選びます。重なりが起きる仕組みと防ぎ方は、OTAの二重割引を扱った記事で詳しく扱っています。

線を超えた媒体は、まず上乗せの項目から見直します

線を超えている媒体が見つかったら、契約の手数料ではなく、施設が自分で選んで出している上乗せの項目から見直します。契約の率は簡単には変えられませんが、上乗せは施設の判断で増やしも減らしもできるからです。

最初に見直しやすいのは、効果を測っていないまま出し続けているクーポンと、毎月なんとなく参加しているポイントの上乗せです。たとえば、が主導する共通のクーポン経由の予約がどのくらいの割合かを調べ、少なければ、対象を絞った自社型のクーポンに切り替えると、費用を抑えられることがあります。見直した月とその前の月の実質手数料を並べれば、効果はすぐに分かります。予約の件数も一緒に並べ、減っていないかを確かめます。

OTAの実質手数料とCPAを出す流れ
の実質手数料とを出す流れ

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施策の止めどきは、どう決めればよいですか?

実質手数料とで線を決めたら、施策ごとに続けるか止めるかを判断します。ここで大切なのは、施策の期間の予約の件数ではなく、その施策で増えた予約に、いくら払ったかを見ることです。施策がなくても入っていた予約まで成果に数えると、どの施策も効いているように見えてしまいます。皆さまの施設では、施策を止める基準を、始める前に決めているでしょうか?

施策で増えた予約だけを数え、その1件あたりの費用で判断します

施策の効果を見るときは、施策を出した日と出さない日、参加した期間と参加しなかった期間を並べ、その差を施策で増えた予約とみなします。そのうえで、施策の費用をこの増えた予約の件数で割ります。これが、その施策で予約1件を増やすのにかかった費用です。

この額が、先に決めた線を超えていれば、施策は縮めるか止めます。線の内側なら続けます。広告の効果は、売上を広告費で割ったでも見られますが、手数料やポイントを引く前の売上で見ると、実際より良く見えます。の中の広告と成果報酬の率の使い分けは、露出を買う前の判断を扱った記事で、広告のを利益で読む方法は、楽天トラベル広告の記事で整理しています。

割引率は、条件を変えた回を並べて詰めます

割引は深いほど予約が取れますが、そのぶん費用も乗ります。そこで、割引率を一律に決めず、少し浅くした条件と並べて、どこまで浅くしても予約が落ちないかを探ります。たとえば、ある期間は10%、同じ条件の別の期間は5%にして、予約の件数と手元に残った額を並べます。1回では偶然の影響が大きいので、数回分を積み上げてから決めます。比べる間は、同時に走るほかの施策を変えず、見る数字と判定の決まりを先に決めておくことが、あとで結論がぶれないための条件です。

ここまでを毎月の定例の中で回せると、実質手数料を出す、線と比べる、割引率を詰める、という流れが、担当者の勘ではなく施設の仕組みとして続いていきます。担当者が替わっても、表と線が残っていれば、同じ基準で判断を引き継げます。

ここは率直にお伝えします

施策をやめれば、そのぶん露出が下がり、掲載の順位に影響することもあります。露出と実質手数料は、片方を良くするともう片方が悪くなる関係です。止めることが常に正しいわけではなく、決めた線の内側で選ぶことが大切です。止めた施策があれば、その後の閲覧の数や順位の動きも見て、影響が大きければ条件を変えて戻すことも考えます。

また、この記事の「2〜3割」という数字は、私たちが支援先で見てきた例で、どの施設にも当てはまるとは限りません。媒体ごとの契約の条件も施設によって違います。自社の請求明細から、ひと月分を出すところから始めてください。単価を下げる施策は、私たちは最後の手段だと考えています。実質手数料を下げるために料金を下げるのではなく、上乗せの選び方を見直すことから始めます。

OTA施策の止めどきを決める3ステップ
施策の止めどきを決める3ステップ

まとめ

のコストは、契約の手数料ではなく、ポイント、会員向けのプログラム、広告、クーポンの原資まで足した実質手数料で見ます。売上で割った率は媒体どうしの比較に、予約件数で割ったは1件で残る額との比較に使います。

1件の予約で手元に残る額から、超えてはいけない線を先に決め、施策の重なりで線を超えていないかを確かめます。施策ごとには、増えた予約1件あたりの費用で続けるか止めるかを判断し、割引率は条件を変えた回を並べて詰めます。

読んで「なるほど」で終わらせていませんか?

施策は思いついても「どの順で・いつやるか」で止まっていませんか。いま売上を伸ばしている施設と、そうでない施設の差は、「どこで取りこぼしているか」に気づき、「いつ・何をすべきか」を数字で判断できているか。違いはそこだけです。

同じエリア・同じ規模の施設は、すでにデータを見ながら最適なタイミングで手を打ち始めています。一方で「分析する仕組みがない」「何から手をつければいいか分からない」と判断を後回しにしている間も、機会損失は静かに積み上がっていきます。

まずは”自社で実際に何が起きているか”を見るところから。それが、最適なタイミングで最適な一手を選べる施設への第一歩です。

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に実際いくら払っているのか、どの施策を止めればよいのか分からない段階でも構いません。ここ数か月の請求明細と、参加している施策をお聞かせいただければ、媒体ごとの実質手数料とを一緒に出すところから始められます。

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    OTAの実質手数料とCPAに関するよくある質問

    OTAの実質手数料とCPAはどう計算するのですか?

    OTAの実質手数料とCPAは、契約の手数料に施策のコストを足して月ごとに合計し、売上か予約件数で割って出します。売上で割ると実質手数料の率、予約件数で割るとCPAです。

    OTAの実質手数料は何を基準に高いか判断しますか?

    OTAの実質手数料は、自社の1件の予約で手元に残る額を基準に判断します。平均の予約単価から清掃やリネン、アメニティ、食事の原価などを引き、CPAがその額に近づいたら線を超える前提で見ます。

    OTAの施策を止めるか続けるかはどう決めますか?

    OTAの施策は、増えた予約だけを数えて、その1件あたりの費用で決めます。施策を出した日と出さない日を比べ、費用を増えた予約の件数で割って、先に決めた線を超えれば縮めるか止めます。

    OTAの実質手数料を表で管理するときの注意点は何ですか?

    OTAの実質手数料は、媒体ごとに同じ形の表で毎月残し、請求の時期のずれに注意します。広告費などは宿泊した月に合わせて置き直すと、今月だけ利益が出たような読み違いを防げます。

    本文をもとにAIで作成しました。

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    この記事を書いた人

    河野 雄大

    河野 雄大

    マーケティングコンサルタント

    シティホテル→グローバルホテル→株式会社micadoで、OTA運用×デジタルマーケティング×メディア編集者を担当しております!OTA運用やレベニューマネジメントなどの経験をもとに、全国のホテル・旅館様のお役に立てるような情報をお届けできる情報を発信していきます。

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    監修

    田代貴彦

    株式会社micado 代表取締役

    マーケティング支援実績700社以上