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2024.04.03

2024.03.22

巨大チェーンに勝つ!独立系ホテルが成功するための差別化戦略

巨大チェーンに勝つ!独立系ホテルが成功するための差別化戦略

大手ホテルチェーンの進出により、宿泊業界はかつてないほどの競争激化時代を迎えています。生き残るためには、単に宿泊サービスを提供するだけでは不十分です。顧客の心を掴み、唯一無二の存在として選ばれるためには、独自の価値提案と差別化戦略が不可欠です。

本記事では、独立系ホテルが大手ホテルブランドに打ち勝ち、成功を収めるための戦略をご紹介します。競合施設との差別化戦略にお悩みのホテルの方は、ぜひ最後までご覧ください!

ホスピタリティ業界のブランド化が加速

近年、ホスピタリティ業界におけるブランド化は、著しい速度で加速しています。その象徴とも言えるのが、ヒルトンとマリオットの2大ホテルチェーンです。

2023年の財務結果を発表したヒルトンとマリオットは、いずれも好調な業績を報告しました。特に注目すべきは、契約中または開発中のホテルルーム数(パイプライン)です。

ヒルトン:3,270軒、462,400室
マリオット:536,000室

https://www.hospitalitynet.org/opinion/4120425.html

これらの数字は、両社が世界的な規模で積極的な事業拡大を進めていることを示しており、ヒルトンとマリオット以外にも、世界の主要ホテルチェーンは軒並みパイプラインの拡大を図っています。数年の間に、複数のチェーンが10,000軒以上のホテルをネットワークに抱えることになるでしょう。

以下は、2023年のホテル客室所有状況です。

アメリカ:ブランドホテル:73%、独立系ホテル:27%
イギリス:ブランドホテル:50%、独立系ホテル:50%
ヨーロッパ:ブランドホテル:45%、独立系ホテル:55%
アジア太平洋地域:ブランドホテル:50%、独立系ホテル:50%

https://www.hospitalitynet.org/opinion/4120425.html

ヒルトンとマリオットが本部を置くアメリカは特にブランドホテルが占めており、日本での拡大も進んでいるため、独立系ホテルは戦略的なマーケティングが今後求められます。

ブランドホテルチェーンは資金が潤沢なため、最新技術への投資やデジタルマーケティング、ブランド認知度に対して膨大な予算で取り組むことができますが、独立系ホテルはいかに少ない予算のなかで費用対効果の高い施策を行えるかがポイントとなります。

大手ホテルチェーンによる脅威

ホスピタリティ業界におけるブランド化加速は、独立系ホテルにとって大きな脅威となっています。特に、ヒルトンやマリオットなどの大手ホテルチェーンは以下のような強みを持ち、独立系ホテルを圧倒しています。

1. 高度なITソリューション

大手ホテルチェーンは、最新技術を積極的に導入し、顧客体験の向上に努めています。たとえば、モバイルチェックイン、モバイルキー、ゲストメッセージングなど、利便性の高いサービスを提供することでユーザーエクスペリエンスを充実させています。

2. 高いブランド認知度とロイヤルティプログラム

世界中に広く認知されたブランドを有しており、顧客からの信頼を獲得しています。また、リピーターの獲得に効果的なロイヤルティプログラムを運営し、顧客ロイヤルティを高めています。

マリオット・ボンヴォイやヒルトン・オナーズなどのロイヤルティプログラムは、リピートビジネスを確保し、ブランドへのロイヤルティを高める重要な役割を果たしています。現在、各社の会員数は1億人を超えており、直接顧客データを獲得することでさらなるマーケティングにも活かしています。

・マリオット・ボンヴォイ:会員数1億9600万人
・ヒルトン・オナーズ:会員数約1億8000万人
https://www.hospitalitynet.org/opinion/4120425.html

これらのプログラムを通して顧客にポイントや特典を提供することで、何度も同じホテルを利用する動機付けをしています。さらに、世界中で利用できる点も大きなメリットを生み出しています。

独立系ホテルはどうやって差別化するか

巨大チェーンに勝つ!独立系ホテルが成功するための差別化戦略

大手ホテルチェーンの脅威に立ち向かうためには、独立系ホテルは独自の価値提案を確立し、差別化戦略を展開する必要があります。以下では、5つの具体的な戦略をご紹介します。

1. ニッチ市場への特化

特定の顧客層に特化することで、競争優位性を築くことができます。ブランドホテルチェーンと同じ市場を狙っても何もせずに勝つことは難しいため、ポジショニングマップなどを作成してから、どんな市場であれば自社はポジションを獲得することができるかを分析し、マーケティング戦略を考えていきます。

ニッチ市場は競争が少なく、顧客のニーズを深く理解してより的確なサービスを提供でき、高い顧客満足度とロイヤルティを獲得できます。さらに、ブランドイメージも確立しやすく、ブランディング戦略においてもニッチ市場への特化はメリットがあります。

しかし、ニッチ市場への特化は、必ずしも成功を保証するものではありません。ニッチ市場は、規模が小さいというデメリットもあります。収益性を確保するためには、顧客単価を高める必要があるので、市場調査や顧客分析をしっかりと行い、慎重に計画を進めることが重要です。

2. 独自のサービスや体験の提供

現代の顧客は単に宿泊するだけでなく、特別な体験を求めています。こちらの記事でも解説していますが、旅行において体験を重視するユーザーが増えている傾向があります。特別な空間で過ごしたいと思っている旅行客や、新しい文化や体験に触れたい旅行客など、日常では体験できない時間を過ごしたいと思っている人が増えています。

先ほどもご紹介したニッチ戦略にも繋がりますが、特定のホテルでしか楽しめないコンテンツを作り出せれば、そのホテルに滞在する価値が生まれるため、独自のサービスや体験はとても重要です。

たとえば、ヨガや瞑想などのウェルネスプログラムや料理教室やワインテイスティングなどのイベント、地域の歴史や文化を体験できるツアー、アートや音楽などの文化活動への支援など、顧客のニーズを理解した上で競合との差別化を図ることで顧客満足度の向上も期待できます。

独自のサービスや体験を開発するには、時間とコストがかかるため、十分な準備と計画が必要です。顧客のニーズや市場の変化に合わせて、柔軟に対応して常に改善していきましょう。

3. マーケティング戦略の見直し

多くの独立系ホテルにとって、OTA(Online Travel Agency)は重要な予約チャネルです。しかし、OTAへの依存度が高いと、高額な手数料を支払う必要があり、顧客データは主にOTAが管理しているため掌握できずに顧客との直接的な関係を築けない課題があります。

顧客との直接的な関係を築き、収益性を向上させるためには、OTA依存からの脱却と独自のマーケティング戦略の構築が重要です。

マーケティングにおいて、”ストーリー”はどんなプロダクトやサービスでも重要とされています。ホテルの独自性を活かしてブランドストーリーを構築し、ターゲット顧客を明確にした上で公式サイトやSNSなど、効果的なチャネルを組み合わせ、マーケティング戦略を考えましょう。

また、保有している顧客データは最大限に活用しましょう。データを分析して顧客体験のパーソナライゼーションを行うことで顧客エンゲージメントの向上が期待できます。具体的には、メールマガジンの配信や顧客ロイヤリティプログラムの導入などがあります。

まとめ

現代のホスピタリティ業界は、ブランド化加速と大手ホテルチェーンの脅威により、独立系ホテルにとって厳しい状況となっています。生き残るためには、独自の価値提案を確立し、差別化戦略を展開する必要があります。

本記事では、独立系ホテルが生き残るための5つの戦略をご紹介しました。変化の激しいホスピタリティ業界において、常に顧客ニーズを理解し、柔軟に対応していくことが、独立系ホテルが成功するための鍵となります。

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