某大手ホテルの公式サイトから「直接予約」の成功要因を予測してみた

数年前に、ビジネス雑誌の日経ビジネスとダイヤモンドのそれぞれで「ビジネスパーソンが選ぶベストホテル」というアンケートを集計した結果、ダイヤモンドではアパホテルが1位、片や日経ビジネスでは最下位(対象ホテル35ホテル中)という結果でした。

宿泊業界では大きな話題となり、当時のアパホテルの宿泊料金は現在と比べて2~3倍高く、価格高騰が最下位の理由。

一方のアンケート調査で1位になった理由は、キャッシュバック特典のある会員プログラムという、両方ともお金に関わる理由でした。

今となっては宿泊単価はリーズナブルで誰もが利用でき、日本の宿泊業界の先駆者ともいえる存在です。

ピーク時の都心に位置する施設では1日の稼働率は100%超えの実績を持つ、普通の宿泊施設では検討もつかない数字を叩き出していました。

今回は、そんなアパホテルのWebサイトから汲み取れるマーケティング戦略について、解釈した記事となっております。

*アパホテルが公表しているマーケティング戦略ではないので、そこだけ理解した上で読んでいただければ幸いです。

アパホテルのWebサイトの強み

Webサイトのトップページの上部に「アパ直」からなら、比較なしで最安値とキャッチなーフレーズを打ち出しています。

意図としては、「楽天やじゃらんなどの各OTAに掲載されている価格を比較しなくても、アパホテルの自社サイトが最安値だよ」というメッセージが読み取れます。

宿泊施設が持つWebサイトとOTAで料金が異なるのは、予約の仲介手数料があるかないかの差です。

普通なことのようにも感じますが、キャッチーなフレーズなのかというと、ユーザーはWebサイトが決して最安値ではないことを知っているからです。また、宿泊予約サイトではポイント還元がされたり、最安値保証されているケースもあります。

つまり、GoogleやYahooで調べたときにサイトに入る前のタイトル名に表示されている【ベストレート保証】は保証されていないと知っているのです。

それに反して、アパホテルは全施設での価格を一括で操作できて、「アパ直」が最安値になる設定を行っているのが、直接予約されるマーケティング戦略となっているのでしょう。

情報が混在していないサイト設計

最安値で予約できる以外に、ターゲットでもあるビジネスパーソンが宿泊施設を選ぶ際に、時間を削減して予約ができることです。

この点に関しては、アパホテルのコンセプトである「Time is Life」とお客様の時間を奪ってはいけないに当てはまっています。

また、Webサイトに訪れるユーザーが回遊しやすいように、または簡単に予約が行えるように、トップページで「地図・目的・エリア」と宿泊するユーザーの目的を複数設定し、最短で顧客ニーズに応えられる設計になっています。

Webサイトでのユーザー満足度を下げないように必要とされる情報だけを取り上げているのでしょうか。

多くの宿泊施設のサイトで見られるのは、トップページに情報を詰め込みすぎているのにも関わらず、次に見られるページは基本的に決まっている傾向です。

「良いWebサイト」というのは、ユーザーがスムーズに情報取得できて、探しているページ(情報)に訪れさせることが、サイト内の満足度が高くなり、再訪問されることに繋がります。

「お金」に関わる特典の効果

アパホテルの会員登録者に向けて提供している特典は、ほとんどがお金やポイントの還元で、出張者などで頻繁にホテルを利用する人はにとってはポイントが貯まったり、割引なら出張費用を節約できるメリットがリピーターを釘付けにしているのでしょう。

この意図から、新規で利用したターゲット層はリピートしてもらい、リピーターは何度でも利用してもらえるような特典を作り上げているのがヒシヒシと伝わってきます。

これだけ「アパ直」と最安値を打ち出しているにも関わらず、年間利益率が30%以上と宿泊業界では恐るべき割合です。

業務などで削るべき部分は削りながら、高い顧客満足度に追求しているのが高利益を維持できるコツなのでしょうか。全施設の価格コントロールしているのは計り知れない領域ですね…。

アパホテルから盗むべき部分とは

少し話は逸れますが、有名な「アパ社長カレー」は、緊急時の備蓄のためにあるらしく、自社生産することでコストを下げ、ユーザー向けに販売したり被災地に送ったりすることで在庫圧縮&PRに繋げています。

何かに還元しながら広告宣伝をも怠らないアパホテルの方針なのでしょうぁか。本気で日本の宿泊業界の頂点に立とうとしているのが感じられます。

どのホテルや旅館でも取り入れることができるのは、ずばりターゲットを意識したWeb上でのブランディングです。

WebサイトやOTAの見直し、宿泊施設を利用するターゲット層に向けて、響きやすいキャッチーな文言やコンテンツに変えて、サイトを閲覧するユーザーの行動や反応を分析することが、最適な導線づくりの根幹となります。

【アパホテル成功要因のまとめ】
・明確なターゲット選定
・目的(予約)まで最短化
・自社サイトのみの特典付与

Webサイトを通じてブランディングの強化をし、直接予約の獲得を増やすためには、自社マーケティングの強化が求められます。

ホテルや旅館を運営する方に向けて、自社サイトの予約強化をするためのデジタルマーケティングの電子書籍を配布していますので、ダウンロードしてぜひ実践してください!

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投稿者プロフィール

渡邉典史
渡邉典史
デジタルマーケティングによる集客戦略を担当。独立後コンテンツマーケティングにおける企画立案から記事作成などを行い、サービス提供開始から最短2ヶ月で集客数6.5倍を達成。Googleアルゴリズムの研究を行い、SEO,MEO対策の目標達成が短期間で可能。海外経験を活かしインバウンドマーケティングの責任者としてホテル・旅館を中心に集客支援を行っている。