(Googleアナリティクス4)の管理画面を開いたものの、メニューが多くて、どこから見ればよいか分からない。私たちmicadoはホテル・旅館のとの運用を支援していますが、公式サイトの相談でまず出てくるのがこの悩みです。けれども、を伸ばすための判断に、すべてのレポートを読む必要はありません。
この記事では、を使い始めたばかりの宿泊施設が最初に見る3つの基本レポートを、来た経路、見たページ、予約の数え方の順に整理します。それぞれのレポートで何を確かめ、どんな判断につなげるのかまでを扱います。
公式サイトに来た人は、どこから来ていますか?
1つ目に見るのは、公式サイトへの入口です。どこを通って来た人が多いのかが分かると、いまの集客のどこが効いていて、どこが弱いのかの見当がつきます。では、左のメニューの[レポート]から[集客]、[トラフィック獲得]と進むと、流入の経路ごとの内訳が表で並びます。経路ごとの人数は、施策の効果を振り返るときの出発点にもなります。皆さまの施設では、公式サイトに来る人がどの経路から多く入っているか、思い浮かぶでしょうか?
経路ごとの内訳を、3つのまとまりで読みます
表には「Organic Search」「Direct」「Referral」「Paid Search」「Organic Social」といった経路の名前が並びます。宿泊施設では、まず3つのまとまりに分けて読むと迷いません。1つは検索から来た人(Organic Search と、広告を出していれば Paid Search)。もう1つは、ブックマークやURLの直接入力、メールのリンクなどから来た人(Direct)。最後が、他のサイトのリンクやSNSから来た人(Referral と Organic Social)です。
経路ごとの人数だけでなく、同じ表の右側にある予約の件数や、予約に進んだ割合も並べて見ます。人数は多いのに予約が少ない経路は、来た人の期待と公式サイトの中身がずれている可能性があります。反対に、人数は少なくても予約の割合が高い経路は、伸ばす価値のある入口です。
検索から来た人は、施設名で探した人かどうかで意味が変わります
検索から来た人の中には、施設名で探した人と、「地域名+ホテル」のような言葉で探した人が混ざっています。施設名で探す人は、や口コミで施設を知り、確かめに来た人が多く、すでに予約に近い段階にいます。この層がスムーズに予約まで進めるかどうかは、予約ボタンの位置や料金の見せ方で決まります。施設名で来た人が多いのに予約の割合が低いなら、比べている途中でに戻っている可能性があります。公式サイトで予約する理由が、料金の近くで伝わっているかを確かめます。
一方で、施設名以外の言葉で来た人は、まだ比べている段階です。ここが少ない場合は、検索で見つけてもらうためのページやが足りていない可能性があります。ただし、だけでは、どの言葉で検索されたかまでは分かりません。検索された言葉は Googleサーチコンソールで確かめます。2つのツールの役割の分け方は、ホテルが無料で使える3つの分析ツールの記事で扱っています。

来た人は、どのページで何を確かめていますか?
入口が分かったら、2つ目は公式サイトの中での動きです。来た人がどのページを開き、どこで時間を使ったのかを見ると、顧客が施設に何を求めているかが見えてきます。予約の前に何を確かめているかが分かれば、ページの直す順番も決めやすくなります。では、[レポート]から[エンゲージメント]、[ページとスクリーン]と進むと、ページごとの表示回数や平均エンゲージメント時間が並びます。皆さまの施設で売りたいプランのページは、実際によく見られているでしょうか?
よく見られているページは、顧客が確かめたいことです
宿泊施設のサイトでは、トップページの次にどのページが見られているかに注目します。客室の紹介なのか、料理なのか、温泉や館内の設備なのか、それともアクセスなのか。よく見られているページは、顧客が予約の前に確かめたいことを表しています。
ここで、施設が売りたいものと、顧客が見ているものを並べてみます。たとえば施設は上の客室のプランを売りたいのに、よく見られているのは手頃なプランや日帰りのページばかり、ということがあります。顧客の関心が施設の想定と違うこと自体は、悪いことではありません。予約の中身と照らし合わせると、売り方を変えるべきか、見せ方を変えるべきかが判断できます。この場合、上の客室のページがトップページから見つけにくい、あるいは違いが伝わっていない可能性があります。トップページでの並べ方や、ページ同士のつなぎ方を見直す手がかりになります。
表示が多いのに、すぐ離れているページを探します
もう1つ見るのが、表示回数は多いのに、平均エンゲージメント時間が短いページです。人がたくさん来ているのに、すぐに離れている。これは人気のページではなく、期待して開いたのに、写真や情報が足りない、料金が分からない、といった理由で離れている可能性が高いページです。
こうしたページは、写真の差し替えや設備の説明の追加、料金と予約ボタンへのつなぎ方を見直すことで、への取りこぼしを減らせます。ただし、時間が短い理由は数字だけでは決められません。端末ごとに分けて見ると、スマートフォンだけ時間が短い、といった偏りが見つかることもあります。そのうえで、実際にスマートフォンでページを開き、顧客と同じ順に見てみると、つまずく場所が分かりやすくなります。公式サイトの予約の手前で起きる離脱の見直し方は、予約直前の離脱を見直す記事で詳しく扱っています。
その課題、”自社の数字”を見れば打ち手が見えてきます。同じエリアの施設はもう動き始めています——気づかないうちの取りこぼしを止めませんか? 予約データを入れるだけで改善点が見えるLevitt Lite、その場で相談できるmicado AI、記事もツールもすべて無料。▶ **mintに無料で会員登録する**
予約は、正しく数えられていますか?
3つ目に確かめるのは、予約そのものです。入口と動きを見ても、予約の件数と金額が正しく数えられていなければ、どの経路やページが予約につながったのかは判断できません。では、予約の完了のように成果として扱いたい操作に、キーイベントとして印をつけます。皆さまの施設のでは、予約の件数が予約エンジンの管理画面の件数とおおむね合っているでしょうか?
まず、予約の件数を管理画面と照らし合わせます
最初にやるのは、のキーイベントの件数と、予約エンジンの管理画面にある予約件数を、同じ期間で並べることです。大きくずれていれば、計測のどこかがつながっていません。公式サイトと予約エンジンのドメインが違う場合は、とくにずれが起きやすくなります。キャンセルの扱いも、と管理画面では違うことが多いので、完全に一致しなくても慌てず、差が大きいかどうかで判断します。
ずれがある状態で経路やページを比べても、結論が逆になることがあります。ですから、3つのレポートのうち、実はこの確認を最初に済ませておくのが安全です。サイトの作り直しや予約エンジンの変更のあとは、テスト予約をして、予約の完了がに届いているかを確かめます。予約エンジンとの計測のつなぎ方は、GA4と予約エンジンの計測連携の記事で手順を説明しています。
3つのレポートを、毎週同じ順に見ます
計測が合っていると確かめられたら、3つのレポートは毎週同じ順に見ます。まず予約の件数と金額を見て、先週や前年と比べて動いたかを確かめる。動いていたら、トラフィック獲得でどの経路が変わったかを見て、ページとスクリーンでどのページの見られ方が変わったかを見る。結果から入口へと戻る順に見ると、理由を探しやすくなります。見るたびに気づいたことと、その週に変えたことを1行ずつ残しておくと、数字が動いた理由をあとから追えます。
数字の比べ方は、季節の波がある宿泊施設では前年の同じ月と並べるのが基本です。前年同月比の読み方は、GA4の期間比較の記事で扱っています。また、予約の割合が低いときに原因を絞る見方は、CVRが低い理由をGA4で探す記事にまとめています。
ここは率直にお伝えします
の画面の名前や置き場所は、更新によって変わることがあります。この記事のメニューの名前は執筆時点のものです。見つからないときは、Googleの公式ヘルプでレポート名を検索してください。また、3つのレポートは「どこを見ればよいか」の入口であって、ここだけで予約が増えるわけではありません。見えたずれを1つずつ直し、直したあとに数字が動いたかを確かめる。その繰り返しで、はじめてがの判断に使えるようになります。小さな施設では、1週間の予約が数件ということも珍しくありません。件数が少ないうちは、週ごとの上下に一喜一憂せず、月単位で傾向を見るほうが判断を誤りにくくなります。ここで見えた傾向は、予約台帳の数字と並べて確かめます。

まとめ
を伸ばすためにで最初に見るのは、3つの基本レポートです。トラフィック獲得で、公式サイトに来た人の入口と、経路ごとの予約の割合を見る。ページとスクリーンで、顧客が確かめているページと、すぐに離れているページを見つける。そして、予約の件数が予約エンジンの管理画面と合っているかを確かめる。
計測が合っていると確かめたうえで、毎週、予約の結果から入口へ戻る順に見ていきます。すべての機能を使いこなす必要はありません。見る場所を絞り、見えたずれを1つずつ直すことが、に頼りすぎないの土台になります。
読んで「なるほど」で終わらせていませんか?
施策は思いついても「どの順で・いつやるか」で止まっていませんか。いま売上を伸ばしている施設と、そうでない施設の差は、「どこで取りこぼしているか」に気づき、「いつ・何をすべきか」を数字で判断できているか。違いはそこだけです。
同じエリア・同じ規模の施設は、すでにデータを見ながら最適なタイミングで手を打ち始めています。一方で「分析する仕組みがない」「何から手をつければいいか分からない」と判断を後回しにしている間も、機会損失は静かに積み上がっていきます。
まずは”自社で実際に何が起きているか”を見るところから。それが、最適なタイミングで最適な一手を選べる施設への第一歩です。
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