「公式サイトから予約が入らない。のほうが安く見えるからでしょうか」。私たちmicadoはホテル・旅館の集客とを支援していますが、公式サイトの予約を増やしたいという相談の多くは、料金の話から始まります。ところが、料金をにそろえても、公式サイトの予約がほとんど増えないことがあります。
公式サイトの予約は、料金だけで決まるものではありません。顧客が公式サイトにたどり着き、と比べ、予約を終えるまでのどこかで取りこぼしているからです。この記事では、公式サイトがに予約を取られやすい理由を整理したうえで、取りこぼしを3つの段階に分けて確かめ、段階ごとに何から手を打つかをお伝えします。それぞれの打ち手の詳細は、専門の記事へご案内します。
なぜ公式サイトは、に予約を取られやすいのですか?
最初に、公式サイトが置かれている状況を確かめます。公式サイトの予約が伸びないのは、担当者の努力が足りないからではなく、との間に仕組みの差があるからです。その差を知っておくと、どこで勝負すべきかが見えてきます。皆さまの施設では、顧客がどこで施設を見つけ、どこで予約を決めているかを把握できているでしょうか?見つけた場所と予約した場所が違う顧客は、思っている以上に多いものです。
は、見つけてもらう仕組みにお金をかけています
は、施設から受け取る手数料を元手に、顧客に見つけてもらうための仕組みを整えています。検索エンジンの広告、ポイントやクーポン、比べやすい検索画面、使い慣れた予約の手順などです。地域名とホテルで検索すると、の広告や掲載ページが上位に並ぶことが多いのはそのためです。
顧客から見れば、は複数の施設を一度に比べられ、ポイントも貯まり、何度も使っていて手順に迷わない場所です。公式サイトがこの便利さで正面から勝つのは簡単ではありません。広告の予算でも、扱う施設の数でも、公式サイトがに並ぶことはまず不可能です。
だからこそ、公式サイトはと同じ土俵で戦うのではなく、公式サイトでしか得られない理由を用意する必要があります。の手数料のうち、どこまでが見つけてもらうことへの対価で、どこからが予約の手続きへの対価なのかを分けて考える視点は、直接予約の定義を扱った記事で整理しています。
顧客は、で見つけて公式サイトで確かめに来ます
一方で、公式サイトには公式サイトの出番があります。で施設を見つけた顧客が、予約の前に施設名で検索し、公式サイトを確かめに来ることは珍しくありません。写真をもっと見たい、館内の様子を知りたい、公式サイトのほうが条件が良いかを確かめたい、といった理由です。
つまり、公式サイトは施設を最初に見つけてもらう場所であると同時に、で見つけた顧客が最後に確かめに来る場所でもあります。この確かめに来た顧客を取りこぼさないことが、公式サイトの予約を増やす近道です。すでに施設を選んでくれている顧客なので、新しい顧客を集めるより少ない手間で予約につなげられます。
ここで公式サイトの料金がより高く見えたり、予約の画面が分かりにくかったりすると、顧客はに戻って予約します。施設を選んでもらえていたのに、最後の一歩で予約が手数料のかかる経路に流れてしまうわけです。
公式サイトの予約は、どの段階で取りこぼしていますか?
公式サイトの予約を増やすには、どこで取りこぼしているかを先に確かめます。私たちは、顧客の動きを3つの段階に分けて見ています。段階ごとに原因も打ち手も違うので、まとめて「公式サイトを改善する」と考えると、手間をかけても効かない場所を直してしまいます。皆さまの施設では、取りこぼしがどの段階で起きているかを数字で確かめたことがあるでしょうか?
来る、比べる、予約を終えるの3段階に分けます
1つ目は、公式サイトに来てもらう段階です。施設名で検索したときに公式サイトが上に出るか、Googleマップから公式サイトへ進めるか、の広告に施設名の検索を取られていないかを見ます。マップでの見つけられ方は、Googleマップの記事で扱っています。
2つ目は、公式サイトに来た顧客がと比べる段階です。同じ日、同じ客室、同じ条件で比べたときに、公式サイトの料金が高く見えないか、在庫が出ているか、公式サイトで予約する理由が伝わっているかを見ます。
3つ目は、予約を決めた顧客が予約を終える段階です。予約の画面までたどり着けるか、入力の途中で迷わないか、疑問がその場で解けるかを見ます。
3つの段階は順番につながっているので、手前の段階で減った顧客は後ろの段階には現れません。来る人が少ないのに予約の画面だけを直しても、予約はほとんど増えません。

段階ごとに、見る数字を決めておきます
3つの段階は、それぞれ別の数字で確かめます。来る段階なら、施設名を含む検索での表示回数やクリック数、Googleビジネスプロフィールからのサイトへのアクセスです。比べる段階なら、公式サイトに来た人のうち予約エンジンの画面に進んだ人の割合です。予約を終える段階なら、予約エンジンに進んだ人のうち予約を完了した人の割合です。
この3つを並べると、どこで大きく減っているかが分かります。来る人は多いのに予約エンジンに進む人が少ないなら、比べる段階で負けています。予約エンジンには進むのに完了が少ないなら、予約を終える段階に問題があります。予約を終える段階の離脱をどう減らすかは、予約完了率の記事で詳しく扱っています。
数字は、アクセス解析と予約エンジンの管理画面があれば月に1回集められます。最初から細かく見る必要はなく、3つの割合の推移を追うだけでも、手を打つ場所を間違えにくくなります。改善の手を打ったあとに同じ割合を見比べれば、効いたかどうかも確かめられます。
その課題、”自社の数字”を見れば打ち手が見えてきます。同じエリアの施設はもう動き始めています——気づかないうちの取りこぼしを止めませんか? 予約データを入れるだけで改善点が見えるLevitt Lite、その場で相談できるmicado AI、記事もツールもすべて無料。▶ **mintに無料で会員登録する**
段階ごとに、何から手を打てばよいですか?
取りこぼしている段階が分かったら、そこから手を打ちます。中でも多いのが、比べる段階での取りこぼしです。公式サイトまで来てくれた顧客を、との比べ合いで逃しているケースです。皆さまの公式サイトは、と並べて比べられたときに、選ばれる理由を示せているでしょうか?自社の施設をと公式サイトで並べて見てみると、顧客の目に映る違いがよく分かります。
料金と在庫で負けず、選ぶ理由は特典で作ります
比べる段階で最初に確かめるのは、料金と在庫です。同じ条件で比べたときに公式サイトのほうが高かったり、には在庫があるのに公式サイトでは満室になっていたりすれば、その時点で勝負になりません。媒体ごとに料金と在庫をどう出し分けるかは直販の料金と在庫の記事で、セールのたびに崩れない料金の整え方はベストレートの記事で扱っています。
料金と在庫で負けない状態を作ったら、次は公式サイトで予約する理由です。ここで割引を足すと、との値下げの競い合いになり、利益が削られていきます。私たちがおすすめしているのは、客室のアップグレードや館内で使える特典、チェックアウトの延長のように、原価が小さく、では用意しにくい特典で選ぶ理由を作ることです。特典の組み立て方は公式サイトの特典設計の記事で詳しく整理しています。特典は、公式サイトのトップや客室のページ、予約の画面の近くなど、比べている顧客の目に入る場所に書いておくことも欠かせません。
ここは率直にお伝えします
公式サイトの予約を増やしても、からの予約がなくなるわけではありませんし、なくす必要もありません。は、公式サイトだけでは届かない顧客に施設を見つけてもらう場所として、引き続き役割を持ち続けます。
目指すのは、で見つけて公式サイトに確かめに来た顧客や、すでに施設を知っている顧客を、公式サイトで取り切ることです。それだけでも、手数料のかからない予約は着実に増えます。公式サイトで予約した顧客には次の宿泊の案内も直接届けられるので、リピートにつなげやすくなる利点もあります。
また、公式サイトの改善はすぐに数字に表れるとは限りません。施設名の検索やマップの整備は数か月単位で効いてくるものです。料金と在庫の確認、予約画面の分かりにくい箇所の修正のように、すぐに効く手から先に進めるのがおすすめです。単価を下げて公式サイトに呼び込む方法は、私たちは最後の手段だと考えています。

まとめ
公式サイトの予約が伸びないのは、が見つけてもらう仕組みにお金をかけているという構造の差があるからです。それでも、で施設を見つけた顧客が公式サイトに確かめに来る場面では、公式サイトに出番があります。
取りこぼしは、来る、比べる、予約を終えるの3つの段階に分けて確かめます。段階ごとに見る数字を決めて、どこで大きく減っているかを見れば、手を打つ場所を間違えません。比べる段階では料金と在庫で負けない状態を作り、選ぶ理由は割引ではなく特典で示す。すぐに効く手から順に進めれば、公式サイトの予約は着実に増やせます。
読んで「なるほど」で終わらせていませんか?
施策は思いついても「どの順で・いつやるか」で止まっていませんか。いま売上を伸ばしている施設と、そうでない施設の差は、「どこで取りこぼしているか」に気づき、「いつ・何をすべきか」を数字で判断できているか。違いはそこだけです。
同じエリア・同じ規模の施設は、すでにデータを見ながら最適なタイミングで手を打ち始めています。一方で「分析する仕組みがない」「何から手をつければいいか分からない」と判断を後回しにしている間も、機会損失は静かに積み上がっていきます。
まずは”自社で実際に何が起きているか”を見るところから。それが、最適なタイミングで最適な一手を選べる施設への第一歩です。
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