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2023.11.21
2020.10.26
GoToが終わった後の宿泊需要について考えているでしょうか?
政府の大判振る舞いが終了すると、消費のスピードが一気に低下し、あちこちで倒産危機になることが予想されています。そのほとんどがサービス業である宿泊業や飲食業などが当てはまるでしょう。
充実した集客チャネルがあるのにも関わらず、思うような集客を達成できないのは、施設が持つコンテンツだけでなく、Web上での販売戦略にも原因があるのです。
〔主なWeb上での取り組み〕
・OTA上での販売戦略の見直し
・予約エンジン内での見せ方
・SNS投稿による認知度向上
・メルマガでの再訪問誘導
・デジタル広告の運用
・外部メディアの活用…..など
今回は、集客力を向上する施策についての内容ではなく、OTA上でよく見かける”ポイント還元”または”割引クーポン”はどちらの方が効果的なのかについて解説していきます。
近年、クレジットカードや電子マネー、口座振替を利用して紙幣・硬貨での現金支払いの縮小化が進んでいます。2019年10月からの消費税率引上げに伴って、需要平準化対策として、キャッシュレス対応が全国で拡大しました。
宿泊施設のメリットは、お金周りの業務量が軽減し、生産性向上の効果があること。さらに、事前決済による支払いも徐々に浸透しており、キャンセル料の回収やキャンセル規約による対応などの業務負担を減らすことにも繋がっています。
キャッシュレス事業の参入はプラス要因だけでなく、マイナス要因もあります。それは「ポイント還元」や「割引クーポン」のような消費者への還元が当たり前になってきているからです。
OTA市場でも同じことが起きています。宿泊プランの販売にあたって、消費者に割引クーポン券を発行したり、還元するポイント率を設定したり、さまざまな工夫が求められているのです。
小さい取り組みのようにも思いますが、ポイント市場のシェア率は年々増加しており、消費者は「還元」というキーワードには敏感になっていると言えます。
さらに、多くの人は割引よりも”ポイント還元”の方が選ばれやすい理由としては、「保有効果」という心理的要因があると考えています。
保有効果とは、自分が持っているのものは高い評価をしたがり、多くのポイントを保有すればするほど、周囲の人と比較して優越感に浸れます。ポイント残高の確認は、銀行に貯蓄している残高を見るのと同じような気分になるのです。
まず、考えるべきは「消費者心理」です。価格競争が激しいOTA上での売れ筋を伸ばしていくためには、”宿泊料金”と”還元”による相乗効果でお得感を出すことです。
料金で訴求する理由をお伝えしますと、皆様もご存知のとおり、価格帯での検索機能を中心として使用するユーザーが多く、ニッチな層よりもにわかな層が大半だからです。
宿泊料金がリーズナブルなホテルより、ハイクラスなホテルにお手頃に泊まれる方がお得感は強く、消費者は行動しやすい傾向にあります。
例えば、OTA上で以下の宿泊料金でプランを販売しているとしましょう。
①「Aプラン:14,000円/泊」
②「Bプラン:6,000円/泊」
宿泊料金だけで比較すれば、Bプランの方が安く泊まれるので、多くの方はBプランを選ぶでしょう。
ここからはご自身で考えてみてください。今の期間は”GoToトラベル”で最大35%OFFが適応しているので、割引額だけで比べたらAプランの方がお得感があります。
売上ベースだけで見るのではなく、消費者にとってのお得感を基準にして考えたら、Aプランの方が売れると思いませんか?
さらに、以下の条件を基に販売していくとしたらどうでしょうか。
〔条件:本来販売したい宿泊単価は7,000〜8,000円〕
①Aプラン:12,000円/泊+35%OFF
②Bプラン:17,000円/泊+35%OFF+3000円割引クーポン券
結果的には、支払いする料金は7,000〜8,000円になりますが、消費者視点ではどちらの方が「泊まりたい」と予約検討熟度が上がるのでしょうか。
ポイント還元や割引クーポンを併用して、どのようにブランドの構築に絡めていくかが重要です。ターゲット層や地域ごとに分けた還元に取り組むことで、特定の層からは支持を得ることもできます。
最近、ポイント還元や割引クーポンを活用する宿泊施設も見受けられるようになってきたので、差別化できるお客様への還元戦略について解説しました。
(市場に合わせて価格変動を行う)レベニューマネジメントがホテル業での欠かせない存在ではあるものの、意識なくコモディティ化を招く原因となっています。
前述の見出しで解説したように、売上は変わらずとも消費者にとってのお得感について向き合うことも重要です。サービス向上や新しい宿泊プランの造成なども大切ですが、心理的な面を利用した販売戦略もぜひ試してみてはいかがでしょうか?
〔本記事のまとめ〕
・消費者は「還元」に敏感になっている
・割引よりもポイント還元の方が選ばれやすい
・差額が大きい方が注目されやすい
・売上は同じでも割引率を広く見せるのも戦術の1つ
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