閉じる 
閉じる 
OTA 販売促進

2025.11.10

OTAでSEO対策?ユーザーとの接点を増やすキーワード戦略と5つの実践術

多くのOTA担当者が、広告出稿やセール参画による露出強化に注力しています。しかし、その一方で「検索結果で自施設がどう表示されているか」という、最も基本的な流入経路(OTA内SEO)をおろそかにしているケースが散見されます。

実は、多くのユーザーはGoogle検索と同様に、OTAの検索窓に具体的なキーワードを打ち込んで宿を探しています。この記事では、OTA運用3年以上の担当者様向けに、OTA内検索の現実を解き明かし、キーワード検索経由の「指名買い」を増やすための5つの具体的なコンテンツ管理戦術を、実績に基づき徹底解説します。

OTA内検索の現実

Google検索で上位表示を目指すSEO対策と同様の概念が、OTAプラットフォーム内にも厳然と存在します。中〜上級者の皆様は、広告枠や掲載順位ロジック(スコア)は意識されていても、「キーワード検索」というユーザー行動の重要性を見落としているかもしれません。

多くのユーザーは、もはやエリアや日付だけで検索しません。OTAの検索窓に「駅近」「露天風呂付客室」「子連れ歓迎」「ワーケーションデスク」といった、自身のニーズを反映した具体的なキーワードを打ち込んでいます。これは、ユーザーが「自分に合わない施設」を最初から除外しようとする、合理的な行動です。

OTAのアルゴリズムは、これらの検索キーワードと、各宿泊施設が管理画面から登録したあらゆる「コンテンツ(テキスト情報)」を照合し、関連性が高いと判断した順に検索結果を表示しています。つまり、自施設の強みを「ユーザーが使う言葉」で登録しておかなければ、検索結果に永遠に表示されず、存在しないのも同然なのです。

キーワードを制する「コンテンツ管理」5つの戦術

OTAの検索アルゴリズムに「自施設がこのキーワードの受け皿である」と認識させるには、管理画面内のあらゆるテキスト入力欄を活用し、戦略的にキーワードを配置する必要があります。ここでは、私たちが数百の施設改善で実践してきた、即効性の高い5つのコンテンツ管理戦術を紹介します。

戦術1:プラン名(最重要)

プラン名は、OTA内SEOにおいて最も重要な要素の一つです。これは、検索結果一覧ページでユーザーの目に最も触れやすく、かつアルゴリズムが「このプランが何であるか」を判断する最優先のテキスト情報だからです。

NG例は、「スタンダードプラン(素泊まり)」や「お得プラン」といった抽象的な名称です。これでは、施設側が伝えたいベネフィットも、ユーザーが検索するキーワードも一切含まれていません。

OK例は、「【駅徒歩3分/コンビニ1分】ビジネス至便!シモンズベッド確約(素泊まり)」です。このプラン名は、「駅徒歩3分」「ビジネス」「シモンズベッド」といった、ビジネス客が検索するであろうキーワードを明確に含んでいます。同時に、一覧ページで見た際にも具体的なメリットが伝わり、クリック率(CTR)の向上にも寄与します。

プラン名は「検索キーワードの受け皿」であり、同時に「一覧でのクリック誘導(CTR向上)」の役割も持つことを強く意識し、ターゲットが検索する「利便性」「設備」「ベネフィット」を戦略的に盛り込んでください。

戦術2:プラン詳細説明文

プラン名が「見出し」だとすれば、プラン詳細説明文は「本文」です。プラン名に盛り込めなかった詳細情報や、関連キーワードを自然に盛り込む場所として機能します。アルゴリズムは当然、この説明文内のテキストも精査しています。

重要なのは、プラン名との一貫性です。プラン名で「シモンズベッド確約」と謳ったなら、詳細説明文でも「全米ホテルシェアNo.1のシモンズ社製ベッドが、出張の疲れを癒します」といった補足を加えることで、キーワードの関連性を高め、ユーザーの納得感も醸成します。

また、プラン名で使った主要キーワード(例:「ビジネス至便」)を、説明文内でも不自然にならない程度に繰り返す(例:「ビジネスマンのお客様から高い評価をいただいております」)ことも有効です。

実践TIPSとしては、箇条書き「・」を使い、視認性を高めつつキーワードを羅列することです。

・駅徒歩3分、コンビニ徒歩1分の好立地
・全室に加湿空気清浄機と無料Wi-Fiを完備
・ワーケーションにも最適な大型デスクを設置

このように、「誰に」「どんな体験を」提供できるかを具体的に記述することで、SEO効果とCVR向上の両立を図ります。

戦術3:設備・アメニティの「全チェック」

これは「キーワード検索」対策であると同時に、OTA内検索のもう一つの柱である「絞り込み検索(フィルター)」対策の根幹です。多くの施設が、この基本的な設定を驚くほど見落としています。

OTAの管理画面には、膨大な数の設備・サービス・アメニティのチェックボックスが存在します。アルゴリズムは、このチェックボックスがONになっているかOFFになっているかを、最も信頼できる「ファクト(事実)」データとして参照します。

ユーザーが「駐車場あり」や「禁煙ルーム」で絞り込んだ際、実際には設備があるにもかかわらず、チェックボックスがOFFになっているために、検索結果から除外されている(=機会損失)ケースは後を絶ちません。

「存在するものは全てチェックする」のは当然ですが、中上級者は「新規導入したら即時反映」を徹底すべきです。例えば「サウナ」を改装して新設したのに、管理画面の「サウナ」にチェックが入っていなければ、「サウナ」で検索するユーザーに永遠に見つけてもらえません。存在する設備は、管理画面の奥深くまで確認し、関連する全ての項目にチェックを入れてください。

戦術4:写真キャプション

OTA担当者が最も見落としがちなSEO領域が、写真キャプション(説明文)です。アルゴリズムは、写真の「美しさ」や「写っているもの」を(まだ完全には)認識できません。その写真が何であるかを、キャプションのテキストを読んで判断しています。

「IMG_1234.jpg」や「客室1」といったデフォルトのまま放置するのは論外です。これではSEO的な価値はゼロです。

対策は、全ての写真に「キーワード」を含めた具体的な説明文を付けることです。

例:「【デラックスツイン】〇〇の夜景を一望する窓辺のソファ(シモンズ製ベッド)」
例:「【風呂】24時間利用可能な源泉かけ流し大浴場(サウナ付)」

このように、写真の「被写体」だけでなく、それによって得られる「ベネフィット」や「関連する設備キーワード」を補足します。これは、写真だけでは伝わらない情報をユーザーに補足するというユーザビリティ向上施策であると同時に、アルゴリズムにキーワードを認識させる強力なSEO対策となります。

戦術5:宿ニュース/ブログ機能の活用(楽天・じゃらん)

楽天トラベルの「宿からのお知らせ」や、じゃらんの「宿ログ」といったブログ機能は、強力な「ロングテールキーワード」の受け皿となります。プランや設備情報といった「宿の内部情報」では拾いきれない、広範な検索ニーズに対応できます。

ここで狙うのは、「宿を探している顕在層」ではなく、「旅の情報を探している潜在層」です。

例えば、「〇〇(近隣の観光地)紅葉見頃」や「〇〇(イベント会場)周辺ホテルアクセス」といったキーワードで検索しているユーザーに対し、有益な情報を提供するのです。

実践TIPSとしては、記事タイトルが命です。「【当館から車で15分】〇〇の紅葉が見頃です!今週末の空室情報」のように、「有益情報」と「宿への誘導(空室)」を必ずセットにします。

「〇〇アリーナまで当館から徒歩10分!ライブ・イベント前後に最適」といった記事は、イベント開催の度に検索需要が発生するキラーコンテンツとなります。これらの記事はOTA内だけでなく、Googleの検索結果に表示されることもあり、非常に費用対効果の高い施策と言えます。

まとめ

OTA運用は、広告やセールといった「攻め」の施策に目が行きがちですが、ユーザーに「見つけてもらう」ための地道なコンテンツ管理(OTA内SEO)こそが、安定した集客基盤となります。多くのユーザーは、Google検索と同じ感覚でOTAの検索窓に具体的なキーワードを打ち込んでいます。

今回解説した5つの戦術(プラン名、詳細説明文、設備チェック、写真キャプション、ブログ機能)は、すべて「ユーザーが使うであろう言葉」を管理画面の適切な場所に配置し、検索アルゴリズムに正しく認識させるための施策です。これらは一度設定すれば資産として機能し続けます。

広告だけに頼る「刈り取り型」の運用から脱却し、キーワードを制する「資産蓄積型」のコンテンツ管理を徹底することで、「検索」経由の「指名買い」を増やす、強固なOTA運用を実現しましょう。

他の人はこちらも読んでいます

現在、表示するeBookはありません。

Contact
お問合せ
貴社の施設規模や課題に沿って
最適なプランをご提案いたします→
Company
会社概要
詳しくはこちら→
Recruit
採用情報
詳しくはこちら→