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2025.10.23

Trip.comを制す者が中華圏を制す!売上を最大化する4つの販促機能を紹介

中華圏からのインバウンド市場は、日本の宿泊業界にとって極めて重要ですが、Trip.comを正しく理解し、戦略的に活用できている施設はまだ多くありません。この記事では、数多くの施設を成功に導いた経験に基づき、Trip.comが持つ多様な武器を体系的に解説し、明日から実践できる具体的なロードマップを提示します。

なぜ、Trip.comが不可欠なのか

Trip.comの具体的な機能に触れる前に、なぜこのOTAが中華圏市場攻略において絶対的な存在なのか、その構造的な強みを理解する必要があります。この市場特性を把握することが、あらゆる施策の効果を最大化する土台となり、本質的な戦略を描くための第一歩となります。

中国本土からの旅行者において圧倒的なシェア

Trip.com(旧Ctrip)は、中国のオンライン旅行市場で圧倒的なシェアを誇ります。年間数億人規模にのぼる中国本土からのアウトバウンド旅行者の多くが、このプラットフォームを旅の起点としています。他のOTAではリーチできない膨大な数の潜在顧客にアプローチできる唯一無二のチャネルであり、中華圏インバウンドを本気で考えるならば、Trip.comを避けて通ることはできません。

富裕層向けの高単価な予約が期待できる

Trip.comは、一般的な旅行者だけでなく、富裕層向けのハイエンドなサービス「Trip.com LUXE」などを展開しており、高所得者層のユーザーを数多く抱えています。彼らは価格よりも体験価値を重視する傾向が強く、高単価な客室や付加価値の高いプランの販売が期待できます。客室平均単価(ADR)の向上を目指す上で、この顧客層へのアプローチは極めて有効な戦略となります。

航空券、アクティビティなどを網羅した旅行サービス

Trip.comの強みは、宿泊施設予約に留まらない「ワンストップサービス」にあります。航空券や鉄道チケット、現地のアクティビティまで、旅行に関わるあらゆる要素を同一プラットフォーム上で予約できるため、Trip.comを利用します。これは、施設側にとって、旅の目的地を検討している段階の潜在顧客に早期からアプローチできる大きなチャンスを意味します。

独自の会員プログラムとポイント制度で顧客を囲い込み

Trip.comは「Trip plus」や「Coin Plus」といった強力な会員プログラムとポイント制度を構築しています。予約実績に応じて会員ランクが上がり、より多くの割引や特典を受けられるため、Trip.comを利用するようになります。この強力な顧客ロイヤリティは、一度獲得した顧客がリピーターとなり、安定した予約をもたらしてくれる好循環を生み出します。

Trip.comの独自機能

Trip.comの市場における重要性を理解した上で、次はその力を自施設の売上に転換するための具体的な「武器」について解説します。ここでは代表的な4つの機能を挙げ、それぞれの特性と、どのような戦術目的で活用すべきかを、豊富な改善実績から得られた知見を交えて深掘りします。

Trip plus / Coin Plus

Trip.comのロイヤリティの根幹をなすプログラムです。会員ランクに応じて割引が提供される「Trip plus」、そして次回の予約時に利用できるポイントが付与される「Coin Plus」。これらはユーザーの再利用を強力に促進します。施設側はこれらのプログラム参加施設として表示されることで、お得意様への露出を高めることができます。短期的な売上だけでなく、長期的なファン作りを見据えた運用が重要です。

Preferred Partner

「Preferred Partner」は、一定の追加手数料を支払うことで、検索結果ページでの掲載順位が大幅に向上するプログラムです。特に競争の激しいエリアでは、このプログラムへの参加が「戦うための土俵に上がる」ための必須条件とも言えます。単なる露出増だけでなく、Trip.comからのお墨付きとしてユーザーへの信頼性も高まります。投資対効果を計測し、戦略的に活用することで、売上への貢献度は計り知れません。

Sponsored Ads

これは特定のターゲット層に的を絞ってアプローチできる、クリック課金(CPC)型の広告商品です。例えば「上海から大阪へ旅行を検討しているユーザー」といったように、国や都市、検索キーワード単位で広告を表示させることができます。閑散期に特定の国からの需要を喚起したい場合や、新規開業時に認知度を一気に高めたい場合など、明確な目的を持ったキャンペーンで絶大な効果を発揮します。

トラフィックブースト

これはAgodaのAGXにも似た、成果報酬型(コミッション上乗せ)の掲載順位ブースト機能です。クリック課金型広告とは異なり、予約が成立して初めてコストが発生するため、リスクを低く抑えながら露出を強化したい場合に最適です。特に「あと数室が埋まらない」といった特定の日の稼働をピンポイントで引き上げたい際に、非常に有効な戦術となります。

成功へのロードマップ

各機能の役割を理解しただけでは、成果は最大化されません。施設のフェーズや市場環境に合わせて、これらの武器をどう組み合わせ、運用していくかという戦略的思考が不可欠です。ここでは、具体的なアクションプランと、多くの施設が陥りがちな落とし穴について解説します。

Preferred Partner→トラフィックブーストの組み合わせ

中華圏市場を本格的に攻略するなら、まず「Preferred Partner」への参加を検討すべきです。これにより、安定した露出という戦いの土台を確保します。その上で、日々の予約状況を分析し、需要が落ち込む曜日や期間に対して「トラフィックブースト」をスポット的に適用し、稼働の平準化を図ります。この「守り」と「攻め」の組み合わせが、Trip.com戦略の王道です。

中国の大型連休から逆算した準備

春節や国慶節といった中国の大型連休は、売上を最大化する絶好の機会です。しかし、需要がピークに達する直前では手遅れです。少なくとも3ヶ月前から準備を開始し、専用プランの造成、広告予算の確保、プロモーションのスケジュール策定を行いましょう。特に航空券の予約動向などを参考にしながら、旅行者が本格的に宿を探し始めるタイミングを捉え、先手を打つことが成功の鍵を握ります。

複雑な手数料体系の理解と費用対効果の検証

Trip.comの管理画面は多機能な反面、各種プロモーションや広告の手数料体系が複雑に絡み合っています。意図せず手数料が積み重なり、利益を圧迫してしまうケースは少なくありません。必ず各施策の費用対効果(ROAS)をスプレッドシートなどで可視化し、どの施策が本当に売上に貢献しているのかを定期的に検証する文化をチーム内に根付かせることが重要です。

ライブコマースなど最新手法への挑戦

Trip.comは単なる予約サイトに留まらず、ライブコマースやインフルエンサーマーケティングなど、常に新しい販売手法を取り入れています。特に中国市場では、これらの手法が爆発的な予約を生むことがあります。常にアンテナを高く張り、Trip.comの営業担当者と密に連携を取りながら、新しいプログラムへ試験的にでも参加してみる積極的な姿勢が、競合との差別化に繋がります。

まとめ

Trip.comを攻略することは、巨大な中華圏インバウンド市場を攻略することと同義です。その圧倒的なシェアと強力な顧客ロイヤリティを理解し、「Preferred Partner」や「Sponsored Ads」といった独自機能を戦略的に活用することが成功への鍵となります。特に、中国の大型連休を見据えた早期の準備と、複雑な手数料体系を管理し費用対効果を検証し続ける緻密さが求められます。本記事で示したロードマップを参考に、Trip.comのポテンシャルを最大限に引き出し、ビジネスを新たなステージへと引き上げてください。

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