閉じる 
閉じる 
OTA 海外OTA

2025.10.23

Expedia掲載順位の向上ツール「アクセラレーター」を使いこなし、露出で予約を増やす戦略

「空室が目立つから、とりあえずアクセラレーターを使ってみよう」。そんな場当たり的な使い方で、貴重な利益を無駄にしていませんか?
Expediaの掲載順位向上ツール「アクセラレーター」は、正しく使えば費用対効果抜群の武器になりますが、その特性を理解せずに使うと、単に手数料を上乗せするだけのコスト増要因になりかねません。

この記事では、アクセラレーターを単なる露出強化ツールとしてではなく、施設の収益を最大化するための戦略的な一手として使いこなすための、思考のフレームワークと具体的な実践方法を徹底的に解説します。

「アクセラレーター」を使いこなし、露出と利益を両立

Expediaの数あるツールの中でも、特に戦略的な活用が求められるのが「アクセラレーター」です。このツールは、いわば「ドーピング」のようなもの。
正しく使えば記録的な成果を生み出しますが、使い方を誤れば副作用も大きいのです。ここでは、その仕組みと本質を深く理解し、利益を最大化するための土台となる知識を固めます。

掲載順位向上ツール「アクセラレーター」とは?

アクセラレーターは、宿泊施設が任意でコミッション(手数料)率を上乗せすることにより、指定した期間において検索結果の掲載順位をブーストできる機能です。例えば、通常15%のコミッション契約の施設が、特定の期間だけ+5%のブーストをかければ、20%のコミッションレートの施設として扱われ、掲載順位の算出ロジック上有利になります。

このツールの本質は、成果報酬型の広告であるという点です。予約が成立して初めて追加のコストが発生するため、費用対効果のコントロールがしやすいという大きなメリットがあります。

効果を最大化するアクセラレーター活用術

アクセラレーターの効果を最大限に引き出す鍵は、「いつ」「どのくらい」使うかをデータに基づいて判断することです。ここでは、数々の施設で成果を上げてきた、具体的な活用シーンと設定のコツを解説します。これを自施設の状況に当てはめることで、明日からの運用精度は格段に向上するはずです。

活用シーン:

アクセラレーターは、常時使用するものではなく、明確な目的を持ってスポット的に活用することで真価を発揮します。

・閑散期で、どうしても稼働を上げたい平日: 周辺の需要が低く、通常の施策だけでは稼働の向上が見込めない期間に、集中的に露出を強化して予約の底上げを図ります。

・周辺でイベントがあり、競合が一斉に強気になる日: 大規模なコンサートや学会など、特定の日に需要が集中することが予測される場合、競合も価格を上げてきます。その中で埋もれないよう、アクセラレーターで掲載順位を確保し、取りこぼしを防ぎます。

・直前で空室が目立ってきた際の、最後のひと押し: 宿泊日までのリードタイムが短くなり、このままでは空室が残りそうな状況で、最後の駆け込み需要を獲得するためにブーストをかけます。

まずは低い手数料率から試し、効果をもとに徐々に調整

アクセラレーターのコミッション上乗せ率は、1%単位で細かく調整が可能です。最初から高い料率を設定するのではなく、まずは+1%や+2%といった低い料率からスタートし、数日間その効果(ページビュー数や予約数の変化)を観測してみましょう。もし効果が薄いようであれば、少しずつ料率を上げていくというアプローチが、リスクを抑えながら自施設にとっての最適な料率を見つけるための賢明な方法です。市場環境や競合の動きによって効果は変動するため、「この料率が絶対」という正解はありません。常にテストと検証を繰り返す姿勢が重要です。

無駄なコストをかけないための注意点

アクセラレーターは強力なツールである一方、使い方を誤ると簡単に利益を圧迫します。ここでは、運用担当者が陥りがちな失敗を避け、無駄なコストを徹底的に排除するための、プロが実践する思考法と具体的な注意点を解説します。

アクセラレーターはあくまで「補助的なツール」

大前提として、アクセラレーターは販売戦略の主役ではありません。まずは、競合分析に基づいた適正な価格設定、魅力的なプラン造成、ターゲットに合わせたプロモーション(会員割引やDP割引など)といった、基本的なレベニューマネジメントの活動を徹底することが最優先です。
これらの土台がしっかりしていて初めて、アクセラレーターが補助的なツールとして活きてきます。基礎を疎かにしてアクセラレーターに頼る運用は、穴の空いたバケツで水を運ぶようなもので、効果は限定的です。

必要な期間だけスポット的に利用する

アクセラレーターを一度設定したまま、数週間あるいは数ヶ月間放置するのは最も避けるべき運用です。市場の需要は日々刻々と変化します。週に一度は必ず販売状況レポートや先行きの予約状況(オンハンド)を確認し、「来週のこの曜日は予約のペースが鈍いから、3日間だけアクセラレーターを設定しよう」といった形で、必要な期間だけスポット的に利用することを徹底してください。このきめ細やかな運用こそが、費用対効果を最大化する鍵となります。

需要予測をしっかり行うことが重要

これは最も陥りやすい罠の一つです。例えば、すでに80%以上の稼働が見込めている週末や、エリア全体で需要が非常に高いことが明らかな日にアクセラレーターを使用するのは、本来なら通常の手数料で獲得できたはずの予約に対して、不必要な追加手数料を支払う「機会損失」に他なりません。Expediaの「今後の需要」ツールや、自施設の過去の実績データを活用し、需要予測をしっかり行った上で、「何もしなくても売れる日」にはアクセラレーターを設定しない、という判断をすることが、利益を守る上で極めて重要です。

投資に見合う効果が得られるかを事前にチェック

アクセラレーターの設定画面には、コミッションの料率を調整すると、それに応じて「推定される表示回数の増加」といった形で、露出への影響度が予測値として表示されます。これは非常に重要な判断材料です。例えば、「コミッションを+5%上乗せすることで、クリック数が約30%増加する見込み」といった予測が表示された場合、その投資(追加手数料)に見合うだけのリターン(予約増)が期待できるかを、自施設の予約転換率や平均単価を基に試算してみましょう。この一手間をかけることで、「なんとなく」の運用から脱却し、データに基づいた投資判断が可能になります。

まとめ

本記事では、Expediaの掲載順位向上ツール「アクセラレーター」を戦略的に活用し、露出と利益を両立させるための具体的な手法と考え方について解説しました。アクセラレーターは、闇雲に使えば単なるコスト増要因ですが、その特性を深く理解し、適切なタイミングで活用すれば、施設の収益を大きく押し上げる強力な武器となります。

重要なのは、アクセラレーターを**「魔法の杖」ではなく、データに基づいたレベニューマネジメント戦略を補完するための「精密なメス」**として捉えることです。まずは基本となる価格設定やプラン造成を徹底し、その上で「ここぞ」という場面でスポット的に活用する。そして、必ず効果測定を行い、投資対効果を検証する。このPDCAサイクルを回し続けることこそが、Expedia運用のプロフェッショナルへの唯一の道です。

他の人はこちらも読んでいます

micadoの無料eBook

今この記事をお読みの方にピッタリの教材はこちらの2つ!

eBook一覧
OTA運用は〇〇で売上が変わる!?~今からでも間に合うホテル集客の活用法~

ダウンロード

OBOへの取り組み2022年以降の宿泊業界の流れとは

ダウンロード

Contact
お問合せ
貴社の施設規模や課題に沿って
最適なプランをご提案いたします→
Company
会社概要
詳しくはこちら→
Recruit
採用情報
詳しくはこちら→