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Expediaで施設ページは作ったものの、検索結果の奥深くに埋もれてしまい、なかなか予約に繋がらない…そんな悩みを抱えていませんか?Expediaの掲載順位は、決して運や偶然で決まるものではありません。この記事では、その順位を決定づけるアルゴリズムの仕組みをプロの視点で解き明かし、自施設の現状を正確に把握する方法、そして順位を具体的に引き上げるための戦略的な打ち手を徹底解説します。
Expediaの掲載順位は、ブラックボックスのように思われがちですが、その評価基準は極めて論理的です。Expediaのビジネスゴールは「ユーザーが予約を完了すること」であり、そのゴールに貢献する施設ほど高く評価されます。ここでは、その評価を構成する4つの主要な要素を深掘りし、アルゴリズムの思考を理解します。
掲載順位の最も基本的な土台となるのが、施設の「魅力度」、すなわち**オファーの強さ(Offer Strength)**です。ユーザーが「ここに泊まりたい」と思う魅力がなければ、予約には至りません。具体的には、競合と比較して魅力的な価格設定、滞在のイメージが湧く高品質な写真、安心感を与える豊富なクチコミといった要素が、ページの基本的な価値として評価されます。
これがアルゴリズムの核となる考え方です。ページを訪れたユーザーのうち、どれだけの割合が実際に予約まで至ったかを示す**予約転換率(CVR)**は、掲載順位に最も大きな影響を与えます。CVRが高い施設は「ユーザーを満足させ、予約を成立させる能力が高い」と判断され、Expediaはそうした”売れる施設”を優先的に上位表示させます。魅力的なページを作り、ユーザーを確実に予約完了まで導くことが重要です。
Expediaが提供するプロモーションやキャンペーン、広告(TravelAds)などを積極的に活用している施設は、「Expediaのプラットフォーム上で積極的に販売しよう」という意欲が高いパートナーと見なされます。特に、Expediaの優良会員向けの「会員限定料金」などを設定することは、Expediaへの貢献度を示す上で非常に効果的です。こうした活動は、アルゴリズムによってポジティブに評価され、掲載順位のブーストに繋がります。
最終的な掲載順位は、これら「施設の魅力度」「予約転換率(CVR)」「Expediaへの貢献度」といった複数の要素を、独自のアルゴリズムが総合的に評価(スコアリング)して決定されます。どれか一つの要素だけが突出していても不十分です。全ての要素をバランス良く高めていくことが、安定した上位表示を実現するための唯一の方法なのです。
掲載順位を上げるためには、まず「敵(競合)と己(自施設)を知る」ことが不可欠です。Expediaの管理画面(Expedia Partner Central)には、そのための強力なツール「露出度(Visibility)」が用意されています。このデータを活用することが、改善の第一歩となります。
「露出度」の画面では、自施設のパフォーマンスが競合施設群と比較され、総合的なスコアで表示されます。このスコアは、前述した「施設の魅力度」「CVR」「貢献度」などがどれだけ優れているかを客観的に示したものです。感覚的に「最近調子が悪い」と感じるのではなく、具体的な数値で現状を把握することが重要です。
このツールの最も優れた点は、総合スコアだけでなく、「料金の競争力」「コンテンツの充実度」「クチコミ評価」といった項目別に、競合施設群の平均値と自施設のスコアを比較できることです。例えば、「クチコミ評価は競合より高いが、料金の競争力で劣っている」といった具体的な強みと弱みを一目で把握できるため、次に取るべきアクションが明確になります。
さらに「露出度」の画面では、スコアが低い項目に対して「写真をXX枚追加しましょう」「XXの設備情報を登録しましょう」といった、具体的な改善アクションが提案されます。Expediaが「ここを直せばスコアが上がりますよ」と答えを示してくれているようなものです。この提案に素直に従うことが、最も手軽で確実な改善策となります。
市場や競合の状況は常に変化するため、このスコアも日々変動します。最低でも週に一度は「露出度」をチェックする習慣をつけましょう。定点観測することで、「先週から急に料金競争力のスコアが落ちたな。競合が新しいプロモーションを始めたのかもしれない」といった市場の変化をいち早く察知し、迅速に対応することが可能になります。
アルゴリズムを理解し、自施設の現状を把握した上で、いよいよ具体的な改善アクションに移ります。掲載順位を上げるための施策は無数にありますが、ここでは特に効果が大きく、全ての施設が取り組むべき4つの基本的な打ち手をご紹介します。
上位表示の基本は、ユーザーが予約したいと思ったときに、予約できる状態にあることです。常に競合施設を意識した魅力的な料金を提供し、特に需要が高まる時期には、安易に満室売り止めにせず、十分な在庫(売り室)を提供し続けることが重要です。在庫が少ない施設は、アルゴリズムから「販売機会が少ない施設」と見なされ、評価が下がってしまいます。
ユーザーが予約を決断する際の不安を取り除くことが、CVR向上の鍵です。客室、バスルーム、共用施設など、施設の魅力が伝わるプロ品質の写真を、推奨されている枚数(各客室タイプごと、施設全体で多数)登録しましょう。また、「Wi-Fi無料」「駐車場あり」「空港シャトル」といった設備情報は、ユーザーが検索時の絞り込み条件に使うため、一つでも登録漏れがあると、その時点で比較の土俵から降りてしまうことになります。
クチコミは、施設の質を証明する第三者の声であり、CVRに絶大な影響を与えます。質の高いサービスを提供することはもちろん、チェックアウトの際に満足度の高そうなお客様に「予約したサイトへのレビューをお願いします」と一言添えるだけでも、投稿率は大きく変わります。また、投稿されたクチコミ、特にネガティブなものには真摯に返信することで、次のお客様への誠実なアピールに繋がります。
これは掲載順位をブーストさせるための「アクセル」のような役割を果たします。特に、Expediaが重視する「会員限定料金」や、特定の国を狙い撃ちできる「地域限定料金」などを戦略的に活用することで、CVRとExpediaへの貢献度の両方を高めることができます。プロモーションの活用は、短期的な予約増だけでなく、長期的な掲載順位の向上にも繋がる、非常に費用対効果の高い投資なのです。
この記事では、Expediaの掲載順位を上げるための基本的な考え方と具体的なアクションについて解説しました。しかし、本当の成果を出すためには、「どの競合をベンチマークすべきか?」「自施設の客層にとって、最も効果的なプロモーションは何か?」といった、よりパーソナライズされた戦略が不可欠です。
もし、データ分析に基づいた具体的な改善策の優先順位付けや、施設の魅力を最大限に引き出すための戦略立案にお悩みでしたら、ぜひ一度私たちmicadoにご相談ください。数百施設の改善実績を持つコンサルタントが、貴施設のパートナーとして現状を分析し、掲載順位と予約数を最大化するための最適なプランを一緒に考え、伴走いたします。