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2025.10.15

2025.10.15

Booking.comアナリティクス活用術を解説!データに基づいた販売戦略の立て方

日々の宿泊施設運営を、過去の経験や勘だけに頼っていませんか?Booking.comの「アナリティクス」機能は、無料で使える極めて強力なデータ分析ツールであり、貴施設のパフォーマンスを客観的に可視化してくれます。この記事では、データ分析のプロが、まず見るべき重要指標と、そこから明日取るべき具体的なアクションを導き出すための「データの見方・考え方」を徹底解説します。

アナリティクスで販売戦略を立てよう

経験や勘は確かに重要ですが、それだけでは変化の激しい市場環境に対応しきれません。アナリティクスは、いわば貴施設の経営状態を映し出す「健康診断書」であり、進むべき針路を示す「羅-針盤」です。データに基づいた客観的な事実を把握することで、より精度の高い、再現性のある戦略立案が可能になります。

施設のパフォーマンスを客観的なデータで把握できるツール

アナリティクスを使えば、「どのプランがどれだけ売れているか」「昨年と比較して予約ペースはどうか」「キャンセル率はどう推移しているか」といったパフォーマンスを、全て具体的な数値で把握できます。「最近予約が少ない気がする」といった感覚的な課題認識を、「昨年同月比で予約ペースが15%遅れている」という客観的な事実に変えることが、全ての改善のスタート地点です。

勘や経験だけに頼らない、根拠のある意思決定が可能に

例えば、「閑散期だからプロモーションを打とう」と考える際に、データがあれば意思決定の質が格段に向上します。どの客層(国籍、デバイス等)からの予約が減っているのかをデータで特定し、そのターゲットに限定したプロモーションを打つことで、無駄な割引を避け、費用対効果を最大化できます。これがデータに基づいた根拠のある意思決定です。

競合施設や市場の動向と比較して自施設の立ち位置を知る

アナリティクスの中には、自施設だけでなく、競合施設群や自エリア全体の市場データと比較できるレポートも含まれています。「自施設の予約が少ないのは、市場全体の需要が落ち込んでいるからなのか、それとも自施設の競争力が低下しているからなのか」を切り分けて分析できるため、打つべき施策の方向性が明確になります。

全ての施設が無料で利用できる強力な武器

これほど高機能な分析ツールが、追加費用なしで、Booking.comに参画している全ての施設に標準提供されているという事実は、もっと注目されるべきです。この強力な武器を使わない手はありません。専門的な知識がなくても、見るべきポイントさえ押さえれば、誰でも今日からデータドリブンな施設運営を始めることができます。

初心者がまず見るべき重要データ5つ

アナリティクスには数多くのレポートが存在しますが、全てを一度に理解しようとする必要はありません。まずは、施設の現状を診断するための最も基本的で重要な5つのデータを定期的にチェックする習慣をつけましょう。ここでは、それぞれのデータが「何を意味するのか」そして「そこから何が読み取れるのか」を解説します。

「需要データ」:自エリアの検索需要の推移がわかる

これは、自施設が所在するエリアで、どれだけの旅行者が宿泊施設を検索しているかを示すデータです。いわば「市場全体の盛り上がり度」を測る指標です。このデータを見ることで、自施設の予約不振の原因が、市場全体の需要低下によるものか、自施設の魅力や価格設定に問題があるのかを切り分けることができます。

「予約ペース」:未来の予約が昨年同日と比べてどうか

指定した未来の期間(例:来月1ヶ月間)の予約状況が、昨年の同じ時点と比較してどうなっているかを示すレポートです。将来の売上を予測し、先手を打つために不可欠なデータです。もし予約ペースが昨年を大幅に下回っていれば、何らかの対策を早期に講じる必要がある、という明確なアラートになります。

「売上データ」:収益の日々の変化をグラフで確認

日別や月別の収益(予約された総額)の推移を確認できる基本的なレポートです。プロモーションを実施した期間の売上がどう変化したかなど、施策の効果測定に役立ちます。また、曜日ごとの売上傾向を分析することで、「週末は好調だが水曜日の売上が弱い」といった具体的な課題を発見できます。

「予約者データ」:どんな国の旅行者が予約しているか

予約者がどの国から来ているのか、どのデバイス(PC、モバイル)で予約しているのか、といった顧客属性を把握できます。例えば、特定の国からの予約が全体の30%を占めていると分かれば、その国をターゲットにしたプロモーションや、その国の言語での館内案内を充実させるといった、具体的なインバウンド対策に繋がります。

「リードタイム」:宿泊日の何日前に予約されているか

予約が宿泊日の平均で何日くらい前に行われているかを示すデータです。これが分かれば、価格設定や在庫解放のタイミングを最適化できます。もしリードタイムが短い(直前予約が多い)傾向なら、直前割引プロモーションが有効かもしれません。逆にリードタイムが長ければ、早期割引を強化して、早めに予約を確定させる戦略が考えられます。

データを次のアクションに繋げるヒント

データをただ眺めているだけでは、何も変わりません。データ分析で最も重要なのは、そこから得られた気づき(インサイト)を、具体的な次の行動(アクション)に結びつけることです。ここでは、分析結果を具体的な施策に繋げるための思考法を、事例を交えてご紹介します。

予約ペースが遅い日には、プロモーションを検討する

「予約ペース」レポートを見て、来月の特定期間の予約が昨年より20%少ないとします。この時、すぐプロモーションを打つのではなく、まず「需要データ」を確認します。もし市場全体の需要も落ち込んでいるなら、広範囲にアピールできる「キャンペーンセール」が有効です。逆に市場の需要は高いのに自施設だけが遅れているなら、競合に負けている証拠。より強力な「ディープセール」やターゲットを絞った「限定料金」で対抗する必要がある、と判断できます。

特定の国からの予約が多ければ、その言語の案内を充実させる

「予約者データ」で、台湾からの予約が全体の25%を占めていることが判明したとします。次のアクションは、繁体字中国語の施設説明文をより丁寧に作り込んだり、よくある質問(FAQ)を繁体字で用意したりすることです。さらに一歩進んで、台湾の旅行者限定のプロモーションを打つことで、さらなる需要の取り込みが期待できます。

キャンセル率が高い時期の傾向を掴み、対策を練る

アナリティクスの「キャンセルデータ」を分析し、特定のイベント期間や連休中にキャンセル率が急上昇する傾向を掴んだとします。その期間の予約に対しては、一部返金不可の料金プランの在庫比率を上げる、あるいは事前決済を必須にする、といったポリシー変更を行うことで、キャンセルによる機会損失を未然に防ぐことができます。

定期的にデータをチェックし、小さな変化に気づくことが重要

最も大切なのは、これらのデータを単発ではなく、定点観測することです。週に一度、決まった曜日にデータをチェックする習慣をつけましょう。継続的に見ることで、「先週からリードタイムが急に短くなったな」「競合に比べてクリック率が落ちてきたな」といった些細な変化に気づけるようになります。この小さな気づきの積み重ねこそが、大きな問題の発生を防ぎ、継続的な改善を生み出すのです。

より具体的な改善策をお探しの方へ

この記事では、Booking.comアナリティクスの基本的な見方と、それをアクションに繋げるためのヒントをご紹介しました。しかし、データをさらに深く読み解き、「どのデータをどのように組み合わせれば、最適な料金設定が導き出せるのか」「競合施設のデータから、自施設が取るべきポジショニング戦略は何か」といった、より高度な分析を行うことで、改善の精度は飛躍的に高まります。

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