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2025.10.14

じゃらんでメディア運用?売上と体験価値を最大化する情報発信のコツとは

多くの施設が「とりあえず更新している」状況に陥りがちな、じゃらんの宿ニュース。しかし、この無料ツールにこそ、施設の売上と顧客エンゲージメントを飛躍的に向上させるポテンシャルが眠っています。宿ニュースは単なるお知らせ機能ではありません。それは、じゃらんnet内に構築できる、貴施設だけの強力な「ミニ・オウンドメディア」なのです。

本記事では、宿ニュースを単なる作業から、施設の資産を築くための戦略的コンテンツマーケティングへと昇華させるための思考法と、具体的な戦術を徹底的に解説します。

宿ニュースを再定義、単なるお知らせから戦略的ツールへ

宿ニュースの価値を最大化するためには、まずその役割を正しく再定義する必要があります。これはブログ風の「お知らせ欄」などではなく、施設のマーケティング目標達成に貢献する、多面的な機能を持つ戦略ツールです。その本質的な価値を3つの視点から解き明かします。

施設の「体験価値」を伝え、価格競争から脱却するメディア

プランページで伝えられるのは、客室の広さや料金といった「スペック」情報が中心です。しかし、ユーザーが本当に求めているのは、その先にある「素晴らしい宿泊体験」です。宿ニュースは、プラン内容だけでは伝えきれない、料理長の食材へのこだわり、若女将が語る宿の歴史、スタッフだけが知る絶景ポイントといった「体験価値」をストーリーとして伝えられる唯一の場所です。この付加価値を伝えることで、ユーザーの共感を醸成し、単純な価格比較の土俵から降りることが可能になります。

ユーザーの不安を払拭し、CVRを向上させる信頼性の証明

情報が更新されていないウェブサイトを見て、ユーザーがどう感じるでしょうか。「この施設はきちんと運営されているのだろうか?」という不安を抱くはずです。宿ニュースの定期的な更新は、「私たちは積極的にお客様とコミュニケーションを取り、常に新しい価値を提供しています」という無言のメッセージになります。特に、複数の施設で迷っている検討段階のユーザーが再訪した際に新しい情報が掲載されていれば、それが最後のひと押しとなり、予約転換率(CVR)の向上に直接的に貢献します。

じゃらん内SEOにおける「情報の鮮度」という評価軸の獲得

じゃらんの検索アルゴリズムの全ては公開されていませんが、一般的に検索エンジンは「情報の鮮度」を重要な評価指標の一つとしています。定期的に新しいコンテンツが投下されるウェブサイトを「ユーザーにとって価値が高い」と判断する傾向があるのです。宿ニュースを更新することは、じゃらんのシステムに対して「この施設はアクティブに活動している」というシグナルを送ることに他なりません。これが検索順位にポジティブな影響を与える可能性は十分に考えられ、無料でできる重要なSEO対策と位置づけるべきです。

CVRとエンゲージメントを高めるコンテンツ戦略

宿ニュースのポテンシャルを理解した上で、次に重要となるのが「何を、どのように発信するのか」というコンテンツ戦略です。ここでは、単なる情報の羅列ではなく、明確な目的を持ってユーザーの心を動かし、予約に繋げるための具体的なコンテンツ企画術を解説します。

季節・イベント情報で「旅の目的」を創出する

「桜が見頃です」だけでは不十分です。「【必見】当館から徒歩5分、地元民しか知らない"隠れ桜スポット"と撮影のコツ」のように、ユーザーにとって有益で具体的な情報を盛り込みましょう。重要なのは、イベントの1ヶ月〜1ヶ月半前には投稿し、ユーザーの旅行計画段階でアプローチすることです。記事の最後には、「この絶景を楽しむなら、早割プランでのご予約がおすすめです」といった形で、必ず具体的なプランへの導線を設置し、喚起した旅行意欲を直接予約に結びつけます。

新プランや食事情報は「開発秘話」で価値を高める

新しいプランや季節のメニューを紹介する際は、その背景にあるストーリーを語ることで、単なる告知から魅力的なコンテンツへと昇華させます。「【料理長渾身の一品】〇〇産伊勢海老を使った新メニュー、完成までの道のり」といったタイトルで、食材探しの苦労や調理法へのこだわりを語れば、ユーザーはその一皿に込められた価値を感じ、価格以上の魅力を感じてくれるはずです。これは、高単価プランの販売比率を高める上でも極めて有効な手法です。

舞台裏やスタッフ紹介で施設の「人となり」を伝える

ユーザーが最終的に選ぶのは「スペック」ではなく「世界観」です。施設の個性や温かみを伝えるブランディングコンテンツは、リピーター、すなわち施設のファンを育成する上で欠かせません。「新人スタッフ〇〇の奮闘記」や「若女将が愛用する館内の癒しグッズ紹介」など、施設の「人」にフォーカスした記事は、ユーザーに親近感を抱かせ、情緒的な繋がりを構築します。このようなエンゲージメントの高い顧客は、体験価値(生涯顧客価値)が非常に高くなる傾向にあります。

写真は「質」と「文脈」を重視。直感的な魅力を伝える

宿ニュースにおける写真は、文章を補う挿絵ではなく、それ自体が強力なメッセージを持つコンテンツです。記事の冒頭に配置するアイキャッチ画像は、ユーザーが続きを読むかどうかを判断する重要な要素となるため、最も魅力的な一枚を選びましょう。スマートフォンでの閲覧を意識し、被写体が大きく、明るく、魅力が直感的に伝わる写真を選定することが重要です。複数の写真を掲載する場合は、時系列やストーリーに沿って配置することで、ユーザーはより深くコンテンツに没入することができます。

継続運用の仕組み化とSEO効果の最大化

優れた戦略も、継続できなければ意味がありません。多忙な業務の中で、いかにして宿ニュースの更新を継続し、その効果を最大化していくか。ここでは、属人化を防ぎ、組織として運用していくための仕組み作りと、その効果をさらに高めるための応用テクニックを解説します。

まずは月1回更新の目標設定とコンテンツカレンダーの作成

「時間がある時に更新する」というスタンスでは、更新は必ず滞ります。まずは「毎月15日に必ず1本公開する」といった具体的な目標を設定しましょう。その上で、年間のおおまかなイベントや季節の移ろいに合わせ、「〇月は桜、〇月は夏休みプラン、〇月は紅葉…」といった形で、年間のコンテンツカレンダーを作成します。これにより、直前になってネタに困ることがなくなり、計画的な情報発信が可能になります。

最大の価値「リマインド効果」を戦術的に活用する

宿ニュースの最大の価値の一つが、一度離脱した検討ユーザーへの「リマインド効果」です。複数の施設を比較検討しているユーザーが数日後に再訪した際、宿ニュースが更新されていれば、「お、新しい情報が出ているな」と再度興味を引き、サイト内の回遊を促すことができます。これは、有料のリターゲティング広告に近い効果を無料で実現できる、非常に費用対効果の高いアクションです。この効果を最大化するためにも、最低でも月に1〜2回の更新を維持し、常にページに新鮮さがある状態を保つことが望ましいでしょう。

ネタ出しの仕組み化と「お客様の声」からのコンテンツ創出

「書くことがない」という悩みは、運用の属人化が原因です。フロント、レストラン、清掃など、各部署のスタッフから定期的(例:週1回)に「最近お客様からよく聞かれること」「現場で起きた心温まるエピソード」などを収集する簡単なレポートラインを構築しましょう。現場にこそ、ユーザーが求めるリアルな情報の宝庫があります。また、「お客様の声(口コミ)」への返信で書ききれなかった詳細な説明や感謝のメッセージを、宿ニュースで一つの記事として展開するのも、コンテンツを深掘りする有効なテクニックです。

まとめ

じゃらん宿ニュースは、多くの施設が見過ごしている、極めて費用対効果の高いマーケティングツールです。これを単なる「お知らせ」として消費するのではなく、施設の魅力を多角的に伝え、顧客との関係を構築する「ミニ・オウンドメディア」として戦略的に運用することで、その価値は飛躍的に高まります。

本記事で解説した、「需要喚起」「販促強化」「ファン育成」といった目的意識を持ったコンテンツ戦略と、それを継続するための「運用の仕組み化」を実践することで、宿ニュースは貴施設のCVR向上、ブランディング強化、そして体験価値に貢献する強力な武器となるでしょう。まずはコンテンツカレンダーの作成から、ぜひ着手してみてください。

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