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2023.11.21
2020.04.27
オンライン旅行予約サイトのBooking.comはOTA市場のうち半分以上のシェア率を占めています。外国人をターゲットとしている宿泊施設は必須の集客チャネルと言っても過言ではありません。
日本人の使用率も数年前と比べて増加していて、施設側は滅多なことがない限り、Booking.comは切り離せない存在でしょう。ですが、OTA市場のトップを独走していても、抱えている課題もたくさんあります。
ホテル流通テクノロジープロバイダーのD-EDGEのレポートによると、OTAの中では最もキャンセル率が高く、年々増加している傾向にあります。
一番の理由としては、「無料予約キャンセル」が簡単になりすぎたこと、ユーザーがキャンセルに慣れてしまったからだと考えられます。チェックインの2~3日前または前日までなら宿泊費を支払わずにキャンセルができてしまうのです。
そのことから、滞在する地域は決まっていても旅行者は宿泊先を変更できるようになり、チェックイン日ギリギリまで施設の比較検討を行う人も決して少なくありません。
多くの旅行者が利用するBooking.com、その他のOTAではさまざまなロイヤルティがあるので、ユーザーはお得な方を検索して選びます。ですので、より多くの旅行者にリーチできるように多くのOTAを利用するのです。
前置きが長くなってしまいましたが、ヨーロッパで最も予約キャンセル率の高いBooking.comと言えども、日本の宿泊施設でも同じような現象が起きています。
楽天やじゃらんなどの国内OTAでは、ポイント・特典・割引など、ユーザーにとって魅力的な還元システムが付与されるのが少しずつ強化されていることから、国内旅行者は宿泊先をギリギリまで比較検討できるのです。
結論、予約を獲得しなければ売上に結びつくことはありません。
前置きが少し長くなりましたが、OTA市場のシェア率トップであるBooking.comの予約キャンセル率を下げるために、いくつかの改善策を紹介します。
多くの宿泊施設で見られる傾向としては、レベニューマネジメントに当たる日々の価格設定や曜日の需要予測を気にしているあまり、ユーザー(旅行者)の視点になりきれていません。つまり、マーケティングが弱いということです。
思い当たる節としては、売れ行きが偏る宿泊プランや予約キャンセルのお問い合わせなど、これらはお客様に対して適切なアプローチ・適切な対応ができていないことが当てはまります。
Booking.comのユーザーにはGenius会員という特典があり、管理画面のメニューから「販促アドバイス→Genius特典プログラム→割引の提供範囲」 を選択すると上記の画像に変わります。
「国」または「出張者」に向けて、特別割引ができるので、検索ヒットしたときに選んでもらえる確率が上がります。
比較検討されずに予約してもらうには、その他のOTAで掲載していない新しい宿泊プランを掲載することや、Booking.comに支払う手数料も踏まえて料金設定をすることです。
Genius特典を最大限い発揮させるのであれば、会員レベル2のユーザーに向けて割引よりも「対象プランでの無料客室アップグレード」や「対象プランで朝食無料」を提供してあげることで、予約検討熟度が高くなるだけでなく、予約キャンセル率は通常の宿泊プランに比べてかなり低いとBooking.com側でも言われています。
設定方法は、「①対象の国→②対象の客室プラン→③追加の割引率→④特別料金の名称を設定」と簡単に行えるので、まだの方はぜひ試してみてください!
キャンセル料については、請求するか免除するかが売上を左右します。ですが、一方的にキャンセル料を請求したらといっても、ユーザーはもちろん反論してきますので、施設側でキャンセル規約を提示しましょう。
設定方法は「料金・客室設定→料金設定→新しい料金プラン設定」で、宿泊プランごとにキャンセル規約を作成できます。
「返金不可」で設定する宿泊プランのポイントとしては、価格帯を少し低く設定してあげることです。狙いどころとしては、チェックイン日に対して日数が短い傾向(当日〜3日前)なので、そもそもキャンセルを考えていない宿泊客に適切なプランです。
一方、完全フレキシブルの宿泊プランは、チェックイン当日または前日まで無料予約キャンセルができる条件なので、キャンセルされやすい傾向にあります。
Booking.comdでは、「返金不可の料金プランを設定することで平均9%以上のキャンセル数減少と平均5%以上の予約数アップが見込める」と述べています。
キャンセルされずにより確実に宿泊してもらうためには、キャンセルポリシーの設定は不可欠です。また、宿泊施設を利用する客層やチェックイン日に対して予約されやすい期間を把握することです。
設定方法は、管理画面のメニューから「アナリティクス→リードタイム情報」から確認できます。
キャンセルに最もつながっている料金プランは、リードタイムの予約について返金不可の料金プランを割安で提供することをオススメします。
クレジットカードの事前認証とは、予約されてからゲストがチェックインするまでの間に、支払う金額を設定することができる機能です。
事前認証を行うことで、クレジットカードが有効か無効か検証できるので、不正防止に繋がります。また、キャンセル料を請求できないといったケースも防げることができます。
予約に至る前に検討熟度が高いか低いか判断されるので、手間はかかりませんが、現地での現金払いを希望するユーザーからの予約は減ってしまう可能性があるので、柔軟な支払い方法と事前決済の複数の支払いプランを設定するとリスクを分散できるでしょう。
管理画面のメニューから「宿泊施設→ポリシー→事前承認の設定」から登録できます。「設定を変更」をクリックすると、選択した宿泊プランの事前支払いを決めることができます。
Booking.comを利用している時点で、どの国の人から宿泊予約されるか予測することはできませんし、各国によってメインとなる支払いは異なります。
また、支払い方法を多様化することは、宿泊料金を受け取るだけでなく、キャンセル時のお支払いなどにも適応するので、グローバル化が進む日本では欠かせないでしょう。
オンライン決済を申し込むことで、ゲストはPayPalやWeChatなどで代替の支払いができるようになります。
こちらを設定するメリットとしては、ゲストが提供したクレジットカード情報が無効だった場合にも役立ちます。別の支払い方法を提供することで予約と収益を確保することが可能です。
Booking.comで予約する際に、プラン詳細を確認すると、食事は現地払いになっている事例をよく見かけます。
ユーザー心理を踏まえると現地での金銭やり取りをするより、事前決済して宿泊してもらう方が、金銭的負担を軽減できるので、高い満足度になりやすい傾向にあります。
設定方法は、「①宿泊施設→②設備・サービス→③追加の割引率→④特別料金の名称を設定」と簡単に行えるので、まだの方はぜひ試してみてください!
食事の設定が終わりましたら、「①料金・空室設定→②料金プラン設定」に移り、食事付きの宿泊プランを作成をしましょう。
ここで注意したいポイントとしては、料金プラン名の登録時にどのような食事なのか想像できるようなタイトル付けが肝心です。
こちらの設定は存じ上げている方も多いのですが、あまり実践している施設は少ない印象があります。OTAコミッションを高くすることで、選択した期間の間は掲載順位が上がりやすくなります。
メリットとしては、閑散期などで予約獲得がしづらかったり、繁忙期なのに供給過多している地域などでは効果的ではあります。しかし、選ばれるためには、 Booking.com内で掲載している写真やプランに工夫は必須です。
選択できる手数料は12%~30%までと幅広く、予約が埋まらない期間には試してみるといいでしょう。
「露出の強化」に似たようなオプション機能ですが、こちらは誰もが利用できるわけではありません。
利用条件としては、期待される売上とユーザーの需要を組み合わせたもの「パフォーマンススコア」と宿泊したゲストからの「口コミスコア」の2つが一定ラインを超えていることです。
プリファード・プログラムに参画することで、掲載順位が高くなるメリットがあります。ユーザーファーストであることを意識した施設情報を作成することが重要です。
Bookin.comだけの話ではありませんが、お客様からの問い合わせは日々絶えません。ゲストの行動としては、返信が来ないと予約検討熟度が下がってしまうのと、既存予約をキャンセルする傾向にあります。
キャンセルされると売上向上に繋がらなくなってしまうので、定型文や自動送信、自動返信など作成し、問い合わせを受けてから素早く返信できる体制を整えることで、常に高い満足度を維持できます。
設定方法は、管理画面のメニューから「宿泊施設→メッセージ機能→メーセージの定型文・ゲストからのメッセージに自動返信・定型自動返信」から作成できます。
ゲストからのメッセージに自動返信で、チェックインやチェックアウトに関する質問ごとの設定ができます。施設でよくある質問を設定することで、作業時間を短縮することが可能です。
宿泊施設の悩みとされている「直前キャンセル」は、かなりの痛手で、再販売しても予約が埋まらなかったりすることはよくあることです。
売上を確保するためには「事前決済」が鍵となるのは間違いなく、キャンセル率を低下することができれば、作業の手間をも減らすことができます。
実際に、事前決済は売上を上げるための工夫を施せるのがメリットでもあります。
Booking.comの改善策でもご紹介したとおり、事前に支払う料金の設定を行えたり、代わりとなるクレジットカード情報を記入してもらうことで、キャンセルされたとしても料金を回収することが可能です。
Booking.comは高機能なツールがたくさん揃っており、既存予約をどれだけ来館に結びつくことができるかまでの分析機能は多用していますでしょうか。
予約のデータを蓄積することで、その宿泊施設を利用する客層が見えて、特にキャンセル傾向を期間ごとに比較することで、販売するべき種伯プランや料金設定が明確にできます。
また、レベニューマネジメントで定義されている、「適した商品を適した価格で適したお客様に適したタイミングで適したチャネルで販売すること」に基づいた販売戦略に近づけます。
宿泊事業者様は、OTA集客に依存しすぎていることから、施設に見合ったターゲット選定ができていません。「ターゲットを絞る必要はない!」と言われることもありますが、果たしてそうでしょうか。
ターゲットを絞りすぎると宿泊してくれるお客様が少なくなってしまう不安から、どのお客様にも対応すると耳にしますが、そういった施設に見られやすいのは、公式サイトのコンテンツに一貫性がなかったり、お客様によって口コミの点数にばらつきがあるといったことが起こりがちです。
予約をしていたとしても、宿泊日まで時間があるユーザー(宿泊者)は他の宿泊施設と比較検討をして予約キャンセルになることも決して珍しいことはでありません。
OTAをもっと活用したいと考えている方は、OTA手数料の支払いに不満を持つアナタへ。OTAをフル活用した販売戦略を教えます…!をお役立てください。
予約キャンセル率を減らすためには、OTA内で改善することも重要ですが、自社サイトからの直接予約を増やすこともオススメします。
実際に、自社サイトから予約したユーザーのキャンセル率は、OTAと比べて約30%ほど低いというデータが出ているのを踏まえると、自社サイトの見直しや改善は今後欠かせません。
コロナ渦中やGo To Travelキャンペーンの割引率の変化によって行き先が不安な施設様は、前年比230%の売上!コロナ渦中で過去最高の売上を達成した某ホテルでの事例で、これからの取り組むについて紹介しているので、こちらもぜひご覧ください。
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