2025.04.26
2025.04.24
2025年3月27日、Googleは検索機能を大幅に拡張し、旅行者向けにAIを活用した複数の新機能を正式に発表しました。これにより、従来の「情報検索ツール」としてのGoogleは進化を遂げ、旅行の意思決定から行動までを包括的にサポートする存在へとシフトしています。
特に宿泊業界においては、これまでのOTA依存型モデルから脱却し、Googleを軸とした新たな集客戦略への転換が求められる局面に入ったといえるでしょう。
本記事では、Googleの新機能概要から、ユーザー行動の変化、宿泊施設に及ぼす影響、そして取るべき具体的な対応策まで、分かりやすく整理・解説します。
今回発表されたGoogleの新機能は以下の通りです。
ユーザーがGoogle検索やGoogleマップ上で気になるホテルを保存すると、
その施設の料金変動を自動的に追跡・通知できる機能が追加されました。
これにより、価格変動に敏感なユーザーが、最適なタイミングで予約することが容易になります。
検索バーに「〇〇への旅行プランを作成」と入力すると、AIが日程や観光ルートを提案。
さらに作成したプランをGoogleドキュメントやその他ツールにエクスポートすることも可能に。
※当面は米国・英語圏中心。日本展開も今後期待されています。
スマートフォンで撮影した画像に対して、AIが即時に情報提供。
街歩き中の観光地や店舗について、リアルタイムで知識を深められる機能です。
スマホ内に保存した観光地のスクリーンショットを自動解析し、
Googleマップ上でピン留めやリスト化を提案。旅程管理がよりスムーズに。
つまり、Googleが旅行のプランニングと予約の中心プラットフォームとなり、
宿泊施設もそこにどう表示され、どう差別化できるかが問われる時代が到来したのです。
現在、多くのホテル・旅館は、7～8割の集客をOTAに依存しているのが現状です。
しかしGoogleが料金比較・予約ナビゲーションまでを担うようになると、予約の起点がOTAからGoogle検索に移る可能性が高まっています。
この流れを無視すれば、OTA頼みの集客はジリ貧になり、手数料負担だけが膨らみ続ける危険性もあります。
Googleは今後、「情報の入り口」＋「比較・検討」＋「旅程管理」＋「予約完了」までを一手に担う”旅のOS”的存在へと進化していきます。つまり、宿泊施設にとってGoogle上でどう存在感を示すかが、これまで以上にビジネスの死活問題となるのです。
では、この変化にどう対応すればいいのでしょうか？
ポイントは、次の3点です。
まずは、Googleマップ・検索結果で最も目につく場所をしっかり磨き上げる必要があります。
・最新で魅力的な写真を多数掲載
・最新の設備・サービス情報を正確に反映
・顧客レビューへの迅速・丁寧な返信（評価スコアの底上げ）
・営業時間・イベント情報をリアルタイム更新
・レスポンス速度の向上（チャット、メッセージ対応も重視）
GBPの質＝施設の第一印象です。
検索結果上での「選ばれる理由」を、ここでしっかり作り込むことが重要です。
Googleホテル検索で自社サイトの料金が表示されるかどうかが、今後の集客力を左右します。
・Googleホテル広告への正確な価格連携
・OTAとの価格整合性確保
・公式サイト限定特典・割引プランの打ち出し
・予約エンジンUI/UXの最適化
ユーザーが「公式サイトから予約する理由」を明確に打ち出すことで、
高い手数料を支払うOTA経由予約から、自社直販へとシフトを促すことができます。
Googleの価格追跡機能によって、ユーザーは価格変動をリアルタイムで監視できるようになります。
価格戦略の甘さは、すぐに可視化され、競争力を失うリスクがあります。
・需要に応じたダイナミックプライシングの導入
・価格変動の理由説明（例：イベント時、ハイシーズンなど）
・早割・直前割・長期滞在割引の戦略的運用
価格の透明性と納得感が、これまで以上に集客を左右する時代になります。
今回のGoogle進化を受け、私たちmicadoはこう考えます。
✅ もはや単なるSEO（検索順位対策）では不十分
✅ 施設情報の整備（GBP最適化）＋直販強化＋価格戦略がセットで求められる
✅ さらに、「AIにどう認識・推薦されるか」も重要になる
GoogleのAI Overview（検索要約機能）の普及も見据え、
「質の高いコンテンツ提供」や「構造化データ対応」など、より深い施策が不可欠です。
変化を正しく捉え、戦略的に動ける宿泊施設だけが、これからの時代を勝ち抜けます。
