閉じる 
閉じる 
SNS 認知拡大・集客

2025.12.16

2025.12.16

「いいね」だけでは予約は増えない。SNSを“直販予約のプラットフォーム”に変える運用戦略とは?

「フォロワーが増えるだけで、宿泊予約は一向に増えないじゃないか」。もしそう感じているなら、それはSNSを「アルバム」として使っているからです。現代のホテルマーケティングにおいて、Instagramは認知から予約、そしてADR(客室単価)の向上までを担うプラットフォームです。本記事では、現場の負担を「利益」に変えるための、泥臭くも実践的なSNS戦略を解説します。

なぜホテル集客にInstagramが不可欠か

OTAの順位変動やGoogleのアルゴリズムに振り回される「待ちの集客」から脱却するために。Instagramは、潜在層の旅の動機を作り出し、高騰するOTA手数料を回避して直販比率を高めるための最重要ツールです。

文字だけのプラン説明で「1泊5万円」と言われても、顧客は高いと感じます。しかし、Instagramで「湯気立つカニ料理」や「露天風呂から望む雪景色」という圧倒的な視覚情報を提示できれば、その価格は納得感へと変わります。

特に、ADR(客室単価)を引き上げたい施設ほど、写真は必須です。「寝る場所」ではなく「体験」を売ることで、OTAの安売り競争から抜け出すことができます。

潜在層の「発見」タブをハックする

Google検索で「〇〇温泉 旅館」と検索するのは、既に行くエリアを決めている顕在層だけです。一方、Instagramの発見タブや「#日本美食」「#Japantrip」といったハッシュタグは、まだ行き先を決めていない国内外の潜在層にリーチできます。

特にインバウンド比率を高めたい場合、多言語サイトを整備する前に、ビジュアルだけで伝わるリール動画を強化することが、最も低コストで即効性のある集客施策となります。

リール動画で信頼を獲得する

「写真と部屋の広さが違う」という口コミに悩まされたことはありませんか? 広角レンズで撮りすぎた静止画は、時にクレームの火種になります。

ここで役立つのがリール動画での「ルームツアー」です。エントランスから客室、水回りまでの動線をありのまま見せることで、「実際の滞在イメージ」が湧き、予約への心理的ハードルが下がります。これは「期待値調整」という高度な現場オペレーションの一環でもあります。

Instagram運用の最終ゴールは「いいね」ではなく「公式サイトの予約完了画面」です。プロフィールリンクからOTAに飛ばしてしまっては、高い手数料を払うことになります。

Linktree等を活用し、「公式サイト限定プラン」や「ベストレート保証」を明記した予約ページへ直接誘導する。この導線を太くすることが、利益率改善の第一歩です。

OTA依存脱却と「指名買い」の創出

SNS運用を強化することは、単に予約を増やすだけでなく、経営課題である「平日の稼働率安定」や「リピーター育成」に直結します。現場スタッフが誇りを持って働ける「ブランドファン」を作るための具体的なメリットを掘り下げます。

チェックアウトしたお客様との関係は、通常そこで途切れます。しかしInstagramをフォローしてもらえれば、季節の料理替えや、リニューアルした客室の情報を、コストゼロで継続的に届けることができます。

「あの旅館、今は紅葉が綺麗なんだ」と思い出してもらう回数を増やすこと。これこそが、広告費をかけずに閑散期の稼働率を下支えする、リピーターを生む施策です。

一方、「公式の写真は綺麗すぎて信用できない」と考える賢い消費者が増えています。そこで強力な武器になるのが、宿泊客による投稿(UGC)です。

館内にフォトスポットを作り、「#〇〇ホテル」での投稿を促すキャンペーンを打つ。お客様が撮影した楽しそうな写真は、どんなプロのコピーライターが書いた文章よりも、「行ってみたい」と思わせる説得力があります。

価格競争を回避し「泊まりたい」を生み出す

OTAの検索結果では、どうしても近隣施設と「価格」で比較されます。しかし、Instagramで「料理長の毎朝の市場仕入れ」や「女将の生け花」といった“施設の裏側(ストーリー)”を発信し続けることで、比較軸が「価格」から「人・想い」に変わります。

「数千円高いけれど、あのスタッフがいる宿に泊まりたい」。この指名検索の状態を作ることこそが、直販比率向上のゴールです。公式サイトのプラン詳細には書ききれない、料理の背景や生産者の想いを語れるのもSNSの強みです。

「地元農家から仕入れた朝採れ野菜」のストーリーを発信し、その投稿を見た上で予約ページに来た顧客は、既にその料理に価値を感じています。結果として、素泊まりではなく「2食付き高単価プラン」の成約率が向上します。

現場が陥る「予約ゼロ」の落とし穴

「とりあえず毎日投稿しよう」という根性論は、現場を疲弊させるだけです。SNS運用には明確なコスト(人件費)がかかり、戦略なき運用は逆効果になることさえあります。現場担当者が直面するリアルな壁と、その回避策を解説します。

「SNSは無料」は大間違いです。リール動画1本の撮影・編集に2時間かかれば、それは時給換算で数千円のコストです。専任がおらず、フロントスタッフが兼務する場合、チェックイン準備や電話対応がおろそかになり、現場のオペレーション品質が下がるリスクがあります。

「週3回投稿」「隙間時間の活用」など、無理のないルールを決め、シフト調整の中に組み込む覚悟が必要です。

過度な演出が低評価口コミを生む

集客したい一心で、色味を加工しすぎたり、実際には提供していない演出を投稿したりするのは自殺行為です。

来館したお客様が「写真と違う」と落胆すれば、それはOTAへの低評価口コミとして跳ね返ってきます。SNS担当者と現場スタッフ(清掃・サービス)が連携し、「ありのままの魅力」をどう美しく見せるか、という視点を忘れてはいけません。

また、フォロワーが1万人を超えたとしても、その大半が「懸賞目当て」や「海外のボット」であれば、予約は1件も入りません。

重要なのはフォロワー数ではなく、「投稿保存数」や「プロフィールへのアクセス数」です。「いつか泊まりたい」と思っている熱量の高い見込み客に届いているか。虚栄心を満たすための数字にとらわれると、本来の目的である売上を見失います。

まとめ

SNS運用を「見せる広報」から「泊まらせる集客」へ転換するためには、ただ綺麗な写真を並べるだけでは不十分です。

「平日の稼働を埋めるために、ビジネスプランのデスク環境を投稿する」「キャンセルが出た直前枠をストーリーズで告知する」といった、現場の需給に即した戦略的な運用が求められます。

フォロワー数という「承認欲求」ではなく、公式サイトへの遷移数と予約獲得数という「実利」を追うこと。今日からその意識を変えるだけで、あなたのスマホは最強の集客ツールに変わります。

他の人はこちらも読んでいます

micadoの無料eBook

今この記事をお読みの方にピッタリの教材はこちらの2つ!

eBook一覧
【予約転換率150%UP】ホテル・旅館の写真撮影の重要性

ダウンロード

Contact
お問合せ
貴社の施設規模や課題に沿って
最適なプランをご提案いたします→
Company
会社概要
詳しくはこちら→
Recruit
採用情報
詳しくはこちら→