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2025.11.27

宿泊施設の直販を伸ばすGA4活用術!初心者が最初に見るべき3つの基本レポート

GA4(Google Analytics 4)の管理画面を開いたものの、機能が多すぎて「どこを見ればいいのか分からない」と頭を抱えていませんか?多くの宿泊施設で導入が進む一方、実務で使いこなせている現場はまだ少数です。しかし、直販比率を高めるためのデータ分析に、全ての機能を使う必要はありません。

本記事では、数多あるレポートの中から、宿泊施設の売上改善に直結する「3つの基本レポート」だけを厳選して解説します。複雑な解析ツールとしてではなく、自社の「勝ち筋」を見つけるための武器として、GA4の第一歩を踏み出しましょう。

1.指名検索かそれ以外か「入口」を知る

サイト分析のスタート地点は、お客様が「どこを経由して」公式サイトにたどり着いたかを知ることです。この内訳を把握することで、現在の集客施策の強みと弱みが明確になります。

GA4の左メニューから [レポート] → [集客] → [トラフィック獲得] を開いてください。ここで見るべきは、ユーザーがどのチャネル(経路)から訪れたかという内訳です。

宿泊施設において特に注視すべきは以下の指標です。
・Organic Search(自然検索):GoogleやYahoo!検索からの流入。ここが弱い場合、SEOやコンテンツ不足の可能性があります。
・Referral(参照元):他サイトからのリンク。旅行メディアなど転載されている媒体からの流入です。
・Direct(直接流入):ブックマークやURL直接入力、メルマガなどからの流入です。

数字の大小だけでなく、その背景にある「顧客心理」を読み解くことが重要です。
例えば「Referral(参照元)」に特定のOTAが多い場合、それは「OTAで施設を知り、より詳細な情報や安値を求めて公式サイトへ流れてきた」という、いわゆるビルボード効果が機能している証拠です。
この流入が多いなら、公式サイトで「ベストレート保証」や「限定特典」を強く訴求することで、直販への転換率(CVR)を高めるチャンスがあります。

また、「Direct」や「指名検索(施設名での検索)」が多い場合は、ブランド認知が高い、またはリピーターが再訪しているサインです。この層は予約意欲が高いため、スムーズに予約完了まで導くUX設計が最優先事項となります。

2. 顧客が何に興味を持ったのかを知る

入口を確認したら、次は館内(サイト内)での振る舞いを確認します。お客様がどのページ(商品)に興味を持ち、どこで足を止めたかを知ることで、公式サイトの「接客精度」を上げることができます。

[レポート] → [エンゲージメント] → [ページとスクリーン] を確認します。ここでは、ページごとの「表示回数」と、GA4独自の重要指標である「平均エンゲージメント時間」を見ます。

宿泊施設サイトでは、トップページの次にどのページが見られているかが重要です。
「特定の客室タイプ」のページがよく見られているのか、それとも「お料理」や「アクセス」なのか。見られているページこそが、お客様が施設に求める「価値」です。

施設側が売り出したい「高単価プラン」のページがあまり見られておらず、逆に「スタンダードプラン」や「日帰りプラン」のページばかり見られているなら、トップページでのバナー配置や導線設計を見直す必要があります。

また、「表示回数は多いのに、エンゲージメント時間が極端に短いページ」には注意が必要です。

例えば、客室詳細ページへのアクセスは多いのに、平均閲覧時間が10秒以下の場合、何が起きているでしょうか?
おそらく、ユーザーは「期待してクリックしたけれど、写真がイマイチだった」「思ったより価格が高そうだった」「情報が少なかった」と感じ、即座に離脱しています。

これを「人気ページ」と勘違いしてはいけません。これは機会損失を生んでいる「穴の空いたバケツ」です。写真を魅力的なものに差し替える、具体的なアメニティ情報を追記するなど、直ちにUX改善を行うべき箇所と判断できます。

3. どのくらい予約に至ったのかを追求する

集客と行動を分析しても、最終的な「出口(=予約)」に繋がっていなければ意味がありません。GA4分析のゴールは、このコンバージョン指標をモニタリングし、前年対比で成長させることにあります。

[レポート] → [エンゲージメント] → [コンバージョン] を確認します。これは、サイトの最終成績表です。

宿泊施設におけるコンバージョンは「宿泊予約完了」です。eコマース設定が実装されていれば、単なる「予約件数」だけでなく、「予約経由の売上金額」や「客単価」まで把握可能です。

マーケティング責任者は、まずこのレポートを見て「今月の直販売上はどうなっているか」を確認し、そこから逆算して「なぜ売上が上がったのか(下がったのか)」を、先述の[集客]や[行動]レポートに戻って分析する癖をつけましょう。

GA4では、特定の行動を「イベント」として設定し、それをコンバージョンとして登録する必要があります。一般的には、予約完了画面(サンクスページ)への到達を purchase や booking_complete として計測します。

しかし、TriplaやDirect Inなどの予約エンジンとGA4の連携(クロスドメイン設定など)が正しく行われていないケースが散見されます。数字が取れていなければ分析は不可能です。サイトリニューアル時やGA4移行時には、必ず制作会社やシステム担当者と連携し、「予約完了と売上金額が正しくGA4に反映されているか」をテスト予約で確認してください。

まとめ

多機能なGA4に圧倒される必要はありません。宿泊施設のマーケティング責任者が直販率向上のために見るべきポイントは、実は非常にシンプルです。

・[集客]:OTAからの流入(Referral)や指名検索(Direct/Organic)のバランスを見て、自社の認知経路を把握する。 ・[行動]:どの客室やプラン(ページ)が長く見られているかを確認し、顧客ニーズと施設側の訴求のズレを修正する。 ・[成果]:予約完了(コンバージョン)が正しく計測されているかを確認し、ここを起点に施策の良し悪しを判断する。

まずはこの3つのレポートを毎週チェックすることから始めてください。データに基づいた小さな改善の積み重ねこそが、OTAに依存しない強固な直販チャネルを構築する最短ルートとなります。

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