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2025.10.23

2025.10.23

Trip.comで“投資対効果10倍”を狙う?中国インバウンドを対象にした広告運用の最前線

ポストコロナで急速な回復を見せる中国インバウンド市場。この巨大なポテンシャルを目の前にしながらも、どこから手をつけるべきか悩んでいる施設は少なくありません。Trip.comがその唯一無二のゲートウェイであることは論を俟ちませんが、本記事では、その中でも特に「広告」に焦点を当て、リスクを抑えながら費用対効果を最大化するための体系的な戦略を解説します。

なぜ、Trip.comへの注力が必要なのか

具体的な広告手法に触れる前に、Trip.com、ひいては中国市場へ注力すべき戦略的理由を明確にしておく必要があります。マクロな市場環境とプラットフォームの特性を理解することで、広告投資の重要性が明確になり、より精度の高い施策判断へと繋がります。

中国市場のポテンシャルは計り知れない

各種データが示す通り、中国からのアウトバウンド旅行者数は力強い回復を続けています。特に個人旅行(FIT)の需要が旺盛で、旅行体験に対する価値観も多様化しています。これは、画一的な団体旅行とは異なり、施設の個性を評価してくれる顧客層にアプローチできるチャンスが拡大していることを意味します。この巨大な需要を取りこぼすことは、大きな機会損失に繋がります。

日本は中国人旅行者に最も人気のある旅行先の一つ

円安という追い風もあり、日本は中国人旅行者にとって依然として魅力的な旅行先の上位に位置し続けています。地理的な近さに加え、独自の文化、食、安全性などが高く評価されており、リピーターも多いのが特徴です。この根強い人気は、プロモーションを行う上での大きなアドバンテージであり、適切なアプローチを行えば、高い反応が期待できる市場です。

Trip.comは、唯一無二のプラットフォーム

言うまでもなく、Trip.com(旧Ctrip)は中国のオンライン旅行市場において圧倒的なシェアを誇ります。他のグローバルOTAも中国市場に展開していますが、ユーザー数、ブランド認知度、そして旅行文化への深い理解度において、Trip.comの牙城を崩すには至っていません。中国市場に本気でリーチするためには、Trip.comを主戦場と位置づけることが最も合理的かつ効果的なのです。

比較的少額から始められる効果的な広告商品がある

Trip.comの魅力は、そのリーチ力だけではありません。後述するように、クリック課金型や成果報酬型など、施設の規模や予算に応じて柔軟に選択できる広告商品が用意されています。大規模な予算を投下せずとも、テストマーケティングから始めることが可能であり、戦略的に活用すれば、高い投資対効果を実現できるポテンシャルを秘めています。

Trip.com広告活用術

Trip.comへの注力の重要性を理解したところで、いよいよ具体的な広告活用法について解説します。ここでは代表的な3つの手法を取り上げ、それぞれの特性と、どのような目的で、どのように活用すべきかを、数百施設の改善実績に基づいた実践的な視点で深掘りしていきます。

Sponsored Ads

これは、特定の検索条件に合致したユーザーに対して、検索結果の上位に自施設を表示させるクリック課金(CPC)型の広告です。最大のメリットは、日次での予算設定が可能で、リスクを厳密にコントロールできる点にあります。まずは、主要な出発地である上海、北京、広州といった大都市からの旅行者にターゲットを絞って少額で配信し、自施設への関心がどの程度あるかを試す、といった使い方が賢明です。

トラフィックブースト

これは、予約が成立した場合にのみ、予め設定した追加の手数料を支払う「成果報酬型」の広告機能です。広告費の持ち出しリスクがないため、非常に導入しやすいのが特徴です。特に、春節や国慶節といった大型連休の数週間前など、「この期間だけは絶対に予約で埋めたい」という明確な目標がある場合に、コミッション率を一時的に引き上げて集中的に露出を強化する、といったメリハリの効いた活用法が効果的です。

キャンペーンへの参加

Trip.comは年間を通じて、様々なテーマのキャンペーンを実施しています。中でも「独身の日(11月11日)」や「618商戦(6月18日)」など、中国独自の巨大セールイベントに合わせたキャンペーンへの参加は、現地の消費トレンドに乗り、爆発的なアクセスを集める絶好の機会です。これらのイベントは、旅行商品の予約も活発になるため、特別プランを用意して参加することで、大きな成果が期待できます。

費用対効果を最大化するためのヒント

広告はただ配信するだけでは意味がありません。投下した費用に対して、どれだけのリターンがあったかを常に計測し、改善し続ける姿勢が不可欠です。ここでは、広告効果を最大化し、持続的な成功に繋げるための4つの重要なヒントを解説します。

まずは「Sponsored Ads」でのテストマーケティングから

いきなり大きな予算を投下するのではなく、まずは「Sponsored Ads」を1日あたり数千円程度の少額予算でスタートし、テストマーケティングを行うことを強く推奨します。どの地域のユーザーからのクリックが多く、どの客室タイプが注目されやすいのか、といったデータを収集・分析することが第一歩です。この初期データが、その後の本格的な広告戦略を立てる上での羅針盤となります。

週次でのパフォーマンス確認と微調整

広告のパフォーマンスは生き物のように変化します。最低でも週に一度は管理画面を確認し、クリック率(CTR)、コンバージョン率(CVR)、そして費用対効果(ROAS)といった主要指標をチェックしましょう。パフォーマンスが悪い広告は停止し、良い広告には予算を寄せるといった微調整を迅速に行うことが、無駄な広告費を削減し、全体の効果を高める鍵です。

広告の受け皿となる施設ページの充実

広告でいくらユーザーを集めても、遷移先の施設ページに魅力がなければ予約には至りません。特に、簡体字での施設説明の充実は必須です。写真の質を高めることはもちろん、WeChat PayやAlipayといった主要な決済手段に対応していることを明記するなど、中国人ユーザーが予約の最終段階で感じるであろう不安や疑問を先回りして解消しておく地道な努力が、転換率を大きく左右します。

口コミへの丁寧な返信は最高の広告

見落とされがちですが、極めて重要なのが口コミへの対応です。特に、中国人ユーザーから投稿された口コミには、翻訳ツールを活用してでも、一つひとつ丁寧に簡体字で返信しましょう。良い口コミへの感謝はもちろん、ネガティブな指摘に対しても真摯に対応する姿勢は、他の潜在顧客に「この施設は信頼できる」という強いメッセージを与えます。良い口コミと丁寧な返信の積み重ねは、どんな広告よりも雄弁な施設のPRとなるのです。

まとめ

回復から成長フェーズへと移行する中国インバウンド市場。その巨大な果実を得るためには、Trip.comという唯一無二のプラットフォームの戦略的活用が不可欠です。本記事で解説したように、まずは「Sponsored Ads」を少額から始め、自施設のポテンシャルをテストすることから着手してください。

そして、週次でのデータ分析と改善を繰り返しながら、広告と並行して施設ページのコンテンツや口コミ対応といった「受け皿」を地道に強化していく。この両輪を回し続けることこそが、眠れる巨龍を呼び覚まし、持続的な成長を掴むための最も確実な道筋です。

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