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2025.10.14

2025.10.14

じゃらん掲載順位の仕組みとは?アルゴリズムを制し、安定集客を実現する本質的な戦略

多くのOTA担当者が日々の運用で最も頭を悩ませるのが、じゃらんnetの「掲載順位」ではないでしょうか。様々な施策を打っているにも関わらず、競合施設が常に自施設より上位に表示されている状況は、まさに死活問題です。この順位は決してランダムに決まるのではなく、施設の様々な活動を評価する「アルゴリズム」によって決定されています。

本記事では、そのブラックボックスとされがちなアルゴリズムの本質を解明し、小手先のテクニックではない、持続可能な上位表示を実現するための戦略的アプローチを解説します。


掲載順位に影響する3大要素

じゃらんの掲載順位アルゴリズムは、究極的には「ユーザーにとって最も魅力的で、予約する価値のある宿はどこか」を判断するために設計されています。その評価軸は多岐にわたりますが、特に重要視されるのが「販売実績」「情報の質と鮮度」「顧客からの評価」という3つの柱です。これらの要素を深く理解することが、効果的な施策立案の第一歩となります。

予約件数・売上金額で示される「販売実績」

アルゴリズムが最も重視する指標は、疑いようもなく「販売実績」です。特に、過去7日間や28日間といった「直近の予約件数および売上金額」が強く影響します。これは、じゃらんというプラットフォームにとって、実際に売上をもたらしてくれる施設こそが最も重要なパートナーであるという、ビジネスモデルの根幹に関わる部分です。予約がコンスタントに入り、高い売上を上げている施設は「ユーザーから支持されている人気の宿」とアルゴリズムに判断され、さらなる販売機会を得るために上位に表示される、という好循環が生まれます。

口コミ評価と情報量の「質と鮮度」

次に重要なのが、施設の信頼性を示す「情報の質と鮮度」です。代表的なものが「口コミ評価」で、総合点だけでなく、部屋・風呂・食事といった項目別の評価点や、投稿された口コミへの返信率・返信の丁寧さも評価対象と考えられます。また、写真の枚数が上限まで登録されているか、プラン内容や基本情報が充実しているかといった「情報量」も重要です。さらに、在庫や料金の更新頻度が高い施設は「アクティブに運営されている」と判断され、「情報の鮮度」という観点からポジティブな評価を受ける傾向にあります。

CTR・CVRで測る「ページの魅力度」

見落とされがちですが、検索結果画面での「クリック率(CTR)」や、施設ページに遷移した後の「予約転換率(CVR)」といったユーザー行動データも、掲載順位に間接的な影響を与えています。魅力的な写真やキャッチコピーでCTRが高まり、作り込まれたページでCVRが向上すれば、それは結果的に販売実績の増加に繋がります。アルゴリズムは、こうした一連のユーザー行動を「ページの魅力度」として捉え、評価の一部に組み込んでいるのです。

掲載順位の改善に直結する5つの施策

アルゴリズムが評価する要素を理解したら、次はその評価を高めるための具体的なアクションプランです。ここでは、日々の運用の中で比較的着手しやすく、かつ掲載順位の改善に直結しやすい5つの実践的施策をご紹介します。

在庫の「小まめな設定」と「1部屋でも売り続ける」執念

「満室なので売り止め」は、掲載順位の観点からは悪手です。なぜなら、その日は販売実績がゼロになり、アルゴリズムからの評価が途切れてしまうからです。たとえ残室が1部屋であっても、キャンセル発生を見越してでも、販売を継続することが重要です。また、在庫や料金を小まめに更新する行為そのものが、「この施設はアクティブである」というシグナルをアルゴリズムに送ります。サイトコントローラーだけに頼らず、1日に1回はじゃらんの管理画面にログインするだけでも、情報の鮮度を保つ上で意味があります。

柔軟な「料金調整」で販売機会を最大化する

需要と供給に応じて料金を柔軟に変動させるレベニューマネジメントは、販売機会を最大化し、結果として販売実績を高めるために不可欠です。周辺の競合施設の価格や地域のイベント情報を常に把握し、適切な価格設定を行いましょう。特に動きの鈍い日には、直前割引などを活用して実績を積み上げることが、アルゴリズム評価の維持・向上に繋がります。

「口コミ対応」は迅速・丁寧に。未来の顧客へのメッセージと捉える

投稿された口コミへの返信は、投稿者への感謝を示すだけでなく、そのやり取りを見ている未来の顧客への重要なメッセージとなります。全ての口コミに対し、24時間以内に、テンプレートではない心の込もった返信を徹底しましょう。特にネガティブな口コミに対して、真摯に謝罪し、具体的な改善策を提示する姿勢は、施設の信頼性を大きく高めます。この「顧客と向き合う姿勢」は、アルゴ-リズムにもポジティブに評価される要素です。

写真・キャッチコピーを磨き、CTR・CVRを改善する

検索結果一覧でその他多数の施設の中からクリックしてもらうためには、ユーザーの目を引く魅力的な写真とキャッチコピーが不可欠です。季節感のある写真に入れ替える、ターゲットに響くキーワード(例:「カップル限定」「源泉かけ流し」)をキャッチコピーに盛り込むといった改善でCTRを高めましょう。クリック後のページで期待を裏切らないよう、プラン内容や写真の質を充実させ、CVR(予約転換率)を向上させることが、最終的な販売実績に繋がります。

短期対策と長期改善のバランスが、持続的な上位表示の鍵

掲載順位を安定的に上位で維持するためには、短期的な売上を作る施策と、長期的な視点で施設の価値を高める施策を、両輪で回していく必要があります。どちらか一方に偏ることなく、バランスの取れた戦略を構築することが重要です。

タイムセールや直前割引で「販売実績の起爆剤」を投下する

掲載順位が伸び悩んでいる時や、閑散期にテコ入れをしたい時には、短期集中で販売実績を作る「起爆剤」が有効です。例えば、「24時間限定タイムセール」や「3日前からの直前割引」といったプランを戦略的に投下し、瞬間的な予約件数を稼ぎます。これにより、アルゴリズムに対して「この施設は今、売れている」という強いシグナルを送り、掲載順位の向上トリガーとすることができます。

顧客満足度の向上が、最強のアルゴリズム対策である

ここが最も本質的な部分です。長期的に安定した上位表示を勝ち取るために最も重要なのは、宿泊した顧客の満足度を高め、高い口コミ評価を獲得し続けることです。質の高いサービス、清潔な客室、美味しい食事といった基本的な価値提供を徹底することが、結果としてポジティブな口コミを増やし、リピーターを育て、安定した販売実績に繋がります。この好循環こそが、あらゆるアルゴリズム変動にも揺るがない、施設の競争力の源泉となります。

アルゴリズム対応とは「顧客満足の可視化」である

私たちは、アルゴリズム対策を「システムをハックする小手先のテクニック」とは考えていません。その本質は、**「日々のオペレーションの中で生まれる高い顧客満足度を、じゃらんのシステムが認識できる形に翻訳し、可視化してあげる作業」**であると捉えています。お客様が満足すれば、おのずと口コミ評価は高まり、再訪や紹介を通じて販売実績は安定します。在庫やプランを丁寧に更新する姿勢も、顧客への誠実さの表れです。つまり、顧客満足を追求する王道の経営こそが、結果として最強のアルゴリズム対策になるのです。

まとめ

じゃらんの掲載順位アルゴリズムは、一見すると複雑で難解に見えるかもしれません。しかし、その根底にあるのは「ユーザーにとって良い宿を、正当に評価し、推奨したい」という、極めてシンプルで合理的な思想です。

したがって、私たちが目指すべきは、アルゴリズムの裏をかくようなテクニックではなく、その思想に真正面から応えることです。日々の販売実績を着実に積み上げる「短期施策」と、その源泉となる「顧客満足度の向上」という長期的視点を両立させる。そして、その優れた取り組みを、口コミへの丁寧な返信や情報のこまめな更新といったアクションを通じて、じゃらんのシステムに「可視化」してあげること。この本質を理解し、実践し続けることが、貴施設を継続的な上位表示、そして安定した経営へと導く唯一の道です。

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