「をやるなら、公式サイトで地域名とホテルの検索に上位表示されたい」。私たちmicadoはホテル・旅館のWebマーケティングと運用の両方を支援していますが、宿泊施設のの相談は、たいていこの目標から始まります。ところが、地域名とホテルで検索すると、上位には旅行サイトがずらりと並んでいることが少なくありません。
宿泊施設のは、一般的な企業サイトのと前提が違います。顧客はGoogleでも探しますし、旅行サイトの中でも探します。この記事では、宿泊施設のを「Googleの検索」と「旅行サイトの中の検索」の2つに分けて考え、公式サイトが取りに行く検索語の選び方と、旅行サイトの中で見つけてもらうための整え方を整理します。
宿泊施設のは、どこで検索される前提で考えますか?
最初に、顧客がどこで施設を探しているのかをそろえておきます。宿泊施設のというと公式サイトの検索順位の話になりがちですが、顧客の探し方はそれだけではありません。皆さまの施設では、顧客が最初にどこで施設を見つけているかを把握できているでしょうか?探し方が分かれば、どこに手をかけるべきかも見えてきます。
検索の入口は、Googleと旅行サイトの中の2つです
顧客が泊まる施設を探すとき、入口は大きく2つあります。1つはGoogleなどの検索エンジンです。地域名やホテル、目的を入れて検索し、出てきた結果から施設を探します。もう1つは旅行サイトの中の検索です。楽天トラベルやじゃらん、一休.comなどで、日付や人数、エリアを指定して施設を絞り込みます。
この2つは、順位が決まる仕組みがまったく違います。Googleの検索は公式サイトのページの中身や構造で評価されますが、旅行サイトの中の検索は、その旅行サイトに登録した情報や販売の状況で決まります。どちらも「検索で上に出る」ための取り組みなので、私たちはどちらもとして扱っています。担当者が分かれている施設では、公式サイトの担当はGoogleだけを、の担当は旅行サイトだけを見ていて、2つの検索を通して見る人がいないこともあります。
片方だけに力を入れると、もう片方で見つけてもらえない状態になります。旅行サイトの中での見つけられ方については、OTAのSEOを扱った記事でも詳しく整理しています。
地域名とホテルの検索は、旅行サイトと分け合っています
Googleで地域名とホテルを入れて検索すると、地域や時期によって違いはありますが、旅行サイトや比較サイトが上位に並ぶことが多いのが実情です。旅行サイトは膨大な施設の情報と口コミを持っており、こうした広い検索語では公式サイトより強く評価されやすいからです。
ここで公式サイトが真正面から順位を競うと、時間も費用もかかります。それでも上位に届かないことは珍しくありません。だからといって、地域名とホテルの検索を諦める必要はありません。その検索から旅行サイトに流れた顧客にも、旅行サイトの中で見つけてもらえばよいのです。旅行サイトで施設を知った顧客が、予約の前に施設名で検索して公式サイトを確かめに来ることもあります。そのときに公式サイトが選ばれる状態を作っておけば、広い検索語の順位で負けていても取り返せます。
公式サイトで地域名とホテルの検索に上位表示される施設が何をしているのかは、地域名とホテルの検索を扱った記事で扱っています。この記事では、2つの検索をどう分担させるかに話を絞ります。
公式サイトは、どの検索語を取りに行けばよいですか?
Googleの検索で公式サイトが取りに行く検索語は、旅行サイトと正面からぶつからないところから選びます。すべての検索語を取ろうとするのではなく、検索語ごとに公式サイトの役割を決めておくことが出発点です。皆さまの施設の公式サイトには、どんな検索語で顧客が来ているでしょうか?検索語が分かれば、公式サイトが今どの役割を果たせていて、どこが手薄なのかが見えてきます。
検索語を3つに分けて、役割を決めます
私たちは、公式サイトに関わる検索語を3つに分けて考えています。1つ目は施設名で探すです。すでに施設を知っている顧客の検索なので、確実に公式サイトにたどり着いてもらうことが役割です。
2つ目は、地域名に目的や条件を組み合わせた検索です。たとえば地域名に「家族旅行」「露天風呂付き客室」「ペット可」といった言葉を足した検索です。広い検索語より検索される回数は少ないものの、顧客の目的がはっきりしているので、施設の強みと合えば予約に近い顧客を集められます。
3つ目は、観光やアクセス、周辺のお店など、地域の情報を探す検索です。すぐの予約にはつながりにくいものの、旅行を計画している段階の顧客と最初の接点を作れます。この3つを分けておくと、公式サイトのどのページで何を取りに行くのかがはっきりします。目的や条件の検索語は、施設の強みと結びつくものだけに絞るのがこつです。

が、旅行サイトの広告に取られていないかも見ます
1つ目のは、公式サイトにとって最も守るべき検索です。ところが、施設名で検索したときに、公式サイトより上に旅行サイトの広告や掲載ページが表示されていることがあります。そうなると、施設を指名して探していた顧客が、旅行サイトから予約することになります。
まずは自社の施設名で実際に検索し、何がどの順番で表示されるかを確かめてください。公式サイトが上に出ていなければ、施設名でのページの作り込みやGoogleビジネスプロフィールの整備から手をつけます。施設名での検索は、施設の側が最も手を打ちやすい検索でもあります。旅行サイトの広告が表示されること自体は止められなくても、公式サイトとGoogleビジネスプロフィールの情報を整えておけば、顧客が公式サイトを選びやすくなります。
そのものを増やす考え方は指名検索を扱った記事で、AIの回答で施設名が挙がるための考え方はAI時代のホテルSEOの記事で詳しく扱っています。
その課題、”自社の数字”を見れば打ち手が見えてきます。同じエリアの施設はもう動き始めています——気づかないうちの取りこぼしを止めませんか? 予約データを入れるだけで改善点が見えるLevitt Lite、その場で相談できるmicado AI、記事もツールもすべて無料。▶ **mintに無料で会員登録する**
旅行サイトの中の検索では、何を整えればよいですか?
2つ目の入口である旅行サイトの中の検索は、公式サイトのとは別の考え方で整えます。旅行サイトの中の順位は、その旅行サイトに登録した情報と、販売の状況で決まるからです。皆さまの施設では、旅行サイトの中の検索結果で、自社がどのあたりに表示されているかを確かめているでしょうか?公式サイトの順位は気にしていても、旅行サイトの中の順位は見ていない、という施設は少なくありません。
登録した情報の充実度と、口コミへの返信を整えます
旅行サイトの中の順位の決め方は、細かいところまでは公開されていません。ただ、各社の運用の案内から、登録した情報の充実度が順位に関わることは分かっています。たとえばじゃらんでは、写真の枚数や客室・設備の情報、プランの数などで施設の情報の充実度が段階的に評価され、それが検索順位に直結するとされています。
もう1つは口コミです。口コミに全件返信していることが、検索順位に良い影響を与えるとされています。返信しないまま放置している施設は、それだけで不利になります。
プランの名前も見直します。旅行サイトの中で顧客が使う言葉がプランの名前に入っていないと、条件で絞り込んだ顧客の目に留まりにくくなります。ただし一休.comのように高価格帯を扱う媒体では、安売りの印象を与える言葉は避けるなど、媒体ごとに合う言葉は違います。写真や客室の情報は、季節の入れ替えや改装のたびに更新し、古い情報を残さないことも順位と予約の両方に効きます。
ここは率直にお伝えします
公式サイトのは、成果が出るまでに時間がかかります。数か月単位で取り組んで、ようやく検索語ごとの動きが見えてくるのが普通です。その間も予約は旅行サイトから入り続けるので、公式サイトのだけに期待をかけるのはおすすめしません。
私たちがおすすめしているのは、2つの検索を役割で分けることです。旅行サイトの中の検索では、登録した情報と口コミを整えて今の予約を取りこぼさない。Googleの検索では、を守り、目的のはっきりした検索語から少しずつ取りに行く。Googleマップでの見つけられ方も、この2つをつなぐ入口になります。マップの整え方はGoogleマップの記事で扱っています。
公式サイトにどんな検索語で顧客が来ているかは、Googleサーチコンソールで確かめられます。施設名を含む検索と含まない検索に分けて、月ごとの推移を見るだけでも、どちらの取り組みが進んでいるかが分かります。

まとめ
宿泊施設のは、Googleの検索と旅行サイトの中の検索の2つに分けて考えます。地域名とホテルのような広い検索語は旅行サイトと分け合っているので、公式サイトがすべてを正面から取りに行く必要はありません。
公式サイトでは、を確実に守り、地域名に目的や条件を組み合わせた検索語と、地域の情報を探す検索語で接点を作ります。施設名で検索したときに旅行サイトの広告が上に出ていないかも確かめます。旅行サイトの中では、写真や客室の情報、プランの名前を整え、口コミに全件返信する。2つの検索を役割で分担すれば、公式サイトのに時間がかかる間も、予約を取りこぼさずに済みます。
読んで「なるほど」で終わらせていませんか?
施策は思いついても「どの順で・いつやるか」で止まっていませんか。いま売上を伸ばしている施設と、そうでない施設の差は、「どこで取りこぼしているか」に気づき、「いつ・何をすべきか」を数字で判断できているか。違いはそこだけです。
同じエリア・同じ規模の施設は、すでにデータを見ながら最適なタイミングで手を打ち始めています。一方で「分析する仕組みがない」「何から手をつければいいか分からない」と判断を後回しにしている間も、機会損失は静かに積み上がっていきます。
まずは”自社で実際に何が起きているか”を見るところから。それが、最適なタイミングで最適な一手を選べる施設への第一歩です。
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