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ホテル業界ニュース

2025.06.06

2025.01.17

ホテル業界の現状とは?2025年以降の動向を予測し、本質的に取り組むべきことを解説

この記事では、2024年の宿泊市場の「回復と革新」というキーワードを軸に、2025年以降のホテル業界の動向を予測します。アフターコロナで旅行需要が回復する一方で、競争激化も予想される中、生き残るためには何が必要なのか?

価格競争に陥ることなく、安定した収益を確保するためのマーケティング戦略、そしてDX化やパーソナライゼーションといった具体的な施策まで、網羅的に解説することで、ホテル経営者様やマーケター様に実用的な考察をしていきます。

また、2025年1月8日に開催した”トップマーケターが予測する2025年以降の宿泊業界”をテーマにしたセミナーでは、激化する市場で選ばれるための戦略・戦術に関する話をしているので、こちらから無料会員登録をするとご視聴いただけます。

はじめに:2024年の宿泊市場は「回復」だけじゃなかった?

山口:渡邉さん、今日はよろしくお願いします!早速ですが、2024年のホテル業界を振り返ると、コロナ禍も落ち着いて、旅行者がたくさん戻ってきた「回復」の年だった印象があります。

渡邉:山口さん、こちらこそよろしくお願いします。おっしゃる通り、2024年は力強い「回復」が見られた年でした。ただ、それだけではないんです。もう一つの重要なキーワードが「革新」です。

山口:「革新」ですか?

渡邉:はい。実は、お客様がホテルに求めるものが、コロナ禍を経て大きく変化しました。その変化に対応するために、各ホテルが新しいサービスや工夫を凝らし始めた、まさに「革新」の年でもあったんです。この「回復と革新」という2つの軸で見ていくと、2025年以降の動向も予測しやすくなりますよ。

山口:なるほど!それは興味深いです。ぜひ詳しく教えてください!

2024年を深掘り!回復の裏で起きていたこと

山口:「回復」の要因としては、やっぱりインバウンド需要の復活が大きいですよね?街でも海外の旅行者をたくさん見かけるようになりました。

渡邉:ええ、特にアジア圏からの旅行客の回復は目覚ましく、都市部のホテルにとっては大きな追い風となりました。それに加えて、政府の観光促進策なども後押しとなり、国内の旅行需要も非常に活発でしたね。

山口:一方で、「革新」についてですが、お客様のニーズはどう変わったんですか?

渡邉:まず、衛生面や安全性への意識は格段に高まりました。その結果、非接触型のチェックイン・チェックアウトシステムや、AIコンシェルジュといったサービスが急速に普及しました。

山口:確かに、フロントで並ばなくても良くなったり、スマホで全部完結したり、便利になりましたよね。

渡邉:そうなんです。さらに、「ワーケーション」や「長期滞在」といった新しい宿泊スタイルや、環境に配慮した「サステナビリティ」への関心も高まっています。プラスチック製のアメニティを廃止するホテルも増えましたよね。こうした多様化するニーズにいかに応えるか、各ホテルが知恵を絞っています。

山口:お客さんが増えて良いことばかりかと思いきや、ホテル側も色々大変なんですね…。競争も激しくなっているんじゃないですか?

渡邉:ご明察です。特に、円安などの影響で国内のお客様は価格にシビアになっています。結果として価格競争が激化し、OTA(オンライン旅行予約サイト)の手数料も経営を圧迫する要因になっています。だからこそ、ただ安いだけではない、「独自の価値」を提供できるかどうかが重要になっているんです。

山口:都市部だけでなく、地方の旅館さんなんかも、すごく工夫されているところが増えた気がします!

渡邉:おっしゃる通りです。地域の食材や文化を活かしたユニークな体験プランを開発するなど、その土地ならではの魅力を最大限に引き出すことで、新たな顧客層を掴もうと挑戦していますね。

2025年の宿泊業界予測!万博景気の裏で激化する競争

山口:では、いよいよ本題です!2025年の宿泊業界、ズバリどうなるんでしょうか?

渡邉:全体としては「潤う」年になると予測しています。2025年には大阪・関西万博という大きなイベントも控えていますし、インバウンド需要も引き続き堅調でしょう。

山口:おぉ、明るいニュースですね!

渡邉:しかし、手放しでは喜べません。その裏で、競争は間違いなく「激化」します。新規ホテルの開業ラッシュも続いていますし、お客様のニーズはさらに多様化・高度化していくでしょう。

山口:なるほど…。安さだけで勝負していると、あっという間に埋もれてしまいそうですね。

渡邉:その通りです。「ワーケーション」や「サ-ステナブルツーリズム」といったキーワードへの対応はもちろん、ベジタリアンやアレルギー対応の食事など、より細やかな「パーソナライゼーション」が求められます。

山口:うーん、なんだかやるべきことがたくさんあって、頭がパンクしそうです(笑)。

渡邉:(笑)。そこで役立つのがテクノロジーです。AIやIoTを活用したスマートキーや多言語対応チャットボットなどは、顧客満足度を上げるだけでなく、スタッフの業務効率化にも繋がります。テクノロジーと人の温かさをどう融合させて、独自の顧客体験を創り出せるかが鍵となります。

生き残りの鍵は「選ばれる理由」の再発見

山口:「独自の価値」とか「差別化」って、言葉ではよく聞きますけど、いざ自分のホテルで考えると「うちは何が強みなんだろう…」って悩んでしまう方も多いと思うんです。

渡邉:良い視点ですね。そこで重要になるのが、自施設のプレファレンス(選好性)、つまり「お客様が自社を選んでくれる理由」を今一度見つめ直すことです。

山口:プレファレンス、ですか。具体的にはどうすれば?

渡邉:はい。大切なポイントが3つあります。 まず、「ターゲット顧客の明確化」です。 誰に泊まってほしいのか?を具体的に描いてみてください。例えば、小さなお子様連れのファミリー層なのか、記念日を祝うカップルなのかで、提供すべきサービスは全く異なりますよね。

山口:確かにそうですね。ターゲットが決まれば、何が必要か見えてきそうです。

渡邉次に、「独自の強みの明確化」です。 他のホテルにはない、自施設ならではの魅力は何かを言葉にしてみましょう。「絶景の露天風呂」でもいいですし、「地元出身のシェフが作る創作料理」や「歴史的建造物をリノベーションした空間」など、何でも構いません。

山口:なるほど、自分たちの「売り」をはっきりさせるわけですね。

渡邉そして最後に、「顧客体験の設計」です。 先ほど決めたターゲットのお客様に、チェックインからチェックアウトまで、どんな気持ちで過ごしてほしいかをデザインするんです。地域の魅力を伝えるマイクロツーリズムのプランを組み込むのも、素晴らしい体験設計の一つですね。

山口:なるほど!自分たちの「売り」を明確にして、それを求めている人にちゃんと届くように体験をデザインする、ということですね。当たり前のようで、意外とできていないことかもしれないです。

【具体策】2025年以降、ホテルマーケティングで絶対にやるべきこと

山口:考え方が整理できました!じゃあ、明日から具体的に何に取り組めばいいのか、もっと教えてください!

渡邉:承知しました。では、2025年以降に特に強化すべきマーケティング施策をいくつかご紹介します。

1. データドリブンマーケティング
山口:「データ」って聞くと、ちょっと難しそうですが…。

渡邉:そんなことはありません。まずはGoogleアナリティクスなどで、どんな人がサイトを見に来てくれているのか、どのプランが人気なのかを分析するだけでも、大きなヒントが得られます。データに基づいて戦略を立てることで、無駄撃ちが減らせます。

2. モバイルファーストへの対応
山口:これはもう必須ですよね!私もホテルは絶対スマホで予約します。

渡邉:はい。スマホでサイトが見づらい、予約しづらいというのは致命的です。今すぐに見直すべきポイントです。

3. 動画コンテンツの活用 山口:写真だけじゃ伝わらない魅力ってありますもんね。
渡邉:おっしゃる通りです。YouTubeやInstagramのリールなどで、館内の様子やスタッフの雰囲気、周辺の観光情報などを動画で発信すると、お客様は滞在のイメージが湧きやすくなります。

4. SNSマーケティングの進化
渡邉:単なる情報発信だけでなく、お客様と積極的にコミュニケーションを取る場として活用しましょう。口コミに返信したり、ハッシュタグキャンペーンを実施したりすることで、ファンを増やしていくことができます。

5. 体験価値とパーソナライゼーション
渡邉:先ほどお話しした「プレファレンス」を形にする部分ですね。お客様の予約履歴などから好みを把握して、「〇〇様、前回お好きだとおっしゃっていたワインをご用意しました」といった一言があるだけで、顧客満足度は劇的に向上します。

6. サステナビリティへの取り組み
山口:環境への配慮がホテル選びの基準になる時代なんですね。

渡邉:はい。アメニティを選択制にしたり、省エネに取り組んだり。そうした姿勢をきちんと発信することが、共感を呼び、企業のイメージアップにも繋がります。

さいごに:次の一手に迷ったら

山口:いやー、すごく勉強になりました!やるべきことが明確になった一方で、「うちのホテルだけで、これを全部やるのは正直大変そうだ…」「何から手をつければ一番効果的なんだろう?」と感じている方も多いんじゃないかと思います。

渡邉:そのお悩み、非常によく分かります。多くの施設様が同じ課題を抱えています。だからこそ、やみくもに施策を打つのではなく、まずは**「現状分析」**をして、自社の立ち位置を客観的に把握することが何よりも重要なんです。

山口:現状分析、ですか。

渡邉:はい。競合と比べて自社の強みや課題はどこにあるのか?今やっているSNSやOTAの運用は本当に最適なのか?それをデータに基づいて専門的な視点で可視化することで、打つべき次の一手がクリアになります。

山口:なるほど!健康診断みたいですね。まず自分たちの状態を正しく知らないと、的確な処方はできない、と。

渡邉:まさにその通りです。もし、そうした現状分析にご興味があれば、私たちmicadoがお手伝いできます。micadoは宿泊業界に特化した視点で、貴社のマーケティング課題を分析し、具体的な改善策までご提案するサービスです。

山口:専門家に伴走してもらえるのは心強いですね!

渡邉:宿泊施設の魅力を最大限に活かすヒントが、きっと見つかるはずです。少しでも気になった方は、まずは詳しいサービス内容が分かる資料をダウンロードしてみてください。もちろん、お問い合わせフォームからお気軽にご相談いただくだけでも大歓迎です。

山口:渡邉さん、本日は本当にありがとうございました!2025年に向けて、なんだかワクワクしてきました!

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