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2025.10.14

2025.10.14

じゃらんの手数料は安いのか?OTA運用のプロが教える売上アップに繋がるポイントを解説

国内OTAの中で最もユニークユーザー数が多いと言われる"じゃらん"ですが、今読まれている皆様であればご存じのように、たくさんのコンテンツが充実しています。主な集客源となるOTAですが、主要国内OTAの1つに入っているのではないでしょうか?

本記事ではタイトルにあるように、じゃらんの手数料が他OTAよりも良心的であることと、予約増加におけるメリットとデメリットを解説していきます。全国のホテル・旅館さまのOTA運用コンサルティングを行うmicadoならではの視点や解説を最後までご覧ください。

OTAの中でもじゃらんに課題を感じている方は、記事を読み終わった後に、2024年11月14日(木)に開催したじゃらんの売上最大化をテーマにしたセミナー動画も視聴することで、短期的に成果の出る運用ができるでしょう。

なぜ、じゃらんの手数料は「良心的」と言えるのか?

「手数料が安い」という単純な話ではありません。じゃらんの手数料構造には、施設の利益率を健全に保ち、戦略的なマーケティング投資を可能にする、明確な3つの理由が存在します。

① 販促コストを圧迫しにくい、基本手数料と決済手数料

ご存じの通り、じゃらんの基本手数料は2名以上利用で8〜10%が基準であり、カード決済手数料も1.5%と、他の主要OTAと比較しても競争力のある水準です。特に、客室単価(ADR)が重要な指標となるホテル・旅館経営において、この数パーセントの差が年間の最終利益に与えるインパクトは計り知れません。手数料という固定費を低く抑えられることは、後述する販促施策へ戦略的に投資するための原資を確保する上で、大きなアドバンテージとなります。

② ポイント付与上限10%がもたらす「健全な販促環境」

楽天トラベルの最大20倍(20%)、一休.comの最大40%というポイント付与率と比較すると、じゃらんの最大10%という上限は一見すると見劣りするように感じるかもしれません。しかし、これこそがじゃらんの手数料が良心的であると断言できる最大の理由です。 高すぎるポイント付与は、本質的には施設負担による大幅な値引きであり、際限のないポイント競争はエリア全体の価格競争と利益率の低下を招きます。じゃらんの10%という上限は、過度なポイント合戦を抑制し、施設が価格以外の「価値」で勝負するための健全な土壌を守っているのです。これにより、施設はポイント以外のクーポンや広告といった、より戦略的な販促手法に目を向けることが可能になります。

③ 豊富な広告商品。運用次第で費用対効果(ROAS)を最大化できる

ポイント施策が抑制的である一方、じゃらんの強みは、多種多様な特集や広告商品にあります。これらの広告は、それぞれターゲットや目的が明確に分かれており、施設の課題(例:閑散期の平日を埋めたい、ファミリー層にアプローチしたい)に応じて、ピンポイントで投資することが可能です。運用者の戦略設計能力が問われますが、目的を持って広告を選択し、その費用対効果(ROAS)を徹底的に検証・改善していくことで、他のOTAでは実現不可能な、極めて効率的なマーケティング活動を展開できるのです。

じゃらん集客における戦略的メリットと活用法

良心的な手数料構造を土台に、じゃらんが持つ3つの大きなメリットを最大限に活用することで、集客効果を飛躍的に高めることができます。

① 国内最大級の「多様なユーザー層」へのアプローチ

じゃらんは、若年層からシニア層まで、日本で最も幅広く、そして多くのユーザーに利用されているOTAです。これは、単に「顧客が多い」ということ以上の意味を持ちます。この多様なユーザー層は、施設のマーケティング戦略における**「最高の実験場」**となり得るのです。 例えば、「若者向けの体験型プラン」や「シニア夫婦向けの美食プラン」といった、異なるターゲットに向けた商品を造成し、それぞれの層に響く特集や広告を使い分けてテストマーケティングを行う。その反応を見ることで、自施設が本当にアプローチすべき顧客層や、響きやすい訴求方法を発見することができます。

② 豊富な特集・広告という「マーケティングツールキット」

じゃらんの豊富な特集や広告は、単なる露出枠ではありません。施設のマーケティング戦略を具現化するための、多彩な**「ツールキット」**です。重要なのは、これらのツールを闇雲に使うのではなく、明確な目的意識を持って選択することです。 例えば、「とにかくPV数を増やして認知度を上げたい」フェーズなのか、「特定のプランの予約転換率(CVR)を高めたい」フェーズなのかによって、選ぶべき広告は全く異なります。施設の現状と課題を正確に分析し、最適なツールを選択し、その結果を検証するというPDCAサイクルを回し続けることが、費用対効果を高める唯一の道です。

③ 成果に直結する「透明性の高い掲載ロジック」

じゃらんの最大のメリットの一つが、掲載ロジックの主要な部分が公開されている点です。これにより、施設は明確な目標を持って日々の運用に取り組むことができます。

※じゃらん公開の掲載ロジック

 ロジックの核心は**「PV数(閲覧数)」「クチコミ評点」**にあります。我々の数百軒に及ぶ分析結果からも、たとえクチコミ評点が競合にわずかに劣っていても、それを補って余りあるPV数を獲得できれば、掲載順位で上回ることが可能であると結論づけています。 つまり、戦略的に広告や特集を活用して意図的にPV数を創出し、高いレベルの顧客満足度(クチコミ)でそれを受け止める、という勝利の方程式が描きやすいのです。また、効果が見えにくいと敬遠されがちな「宿ログ」も、長期的な視点で見ればPV数を底上げする重要なコンテンツマーケティングであり、掲載順位にポジティブな影響を与えることが実証されています。

デメリット(課題)を克服するための戦略的思考

じゃらんの唯一のデメリットは、そのユーザー数と登録施設数の多さ故の**「競争の激しさ」**です。特に施設が密集する都市部や人気観光地では、掲載順位の奪い合いが熾烈を極めます。

しかし、この課題は、発想を転換すれば克服可能です。競合施設がひしめく中で、クチコミ0.1点の差や、安易な値下げで戦うのは賢明ではありません。重要なのは、**「いかにして競合と同じ土俵で戦わないか」**という視点です。 そのために、前述した多様な広告や特集を活用し、自施設だけが提供できる独自の価値(例:「ペットと泊まれる」「特別な記念日演出」など)に共感してくれる、ニッチなターゲット層に的確にアプローチするのです。大多数の施設が価格で競争する中で、独自の価値で選ばれるポジションを築くこと。それこそが、競争の激しさを乗り越えるための、最も本質的な戦略と言えるでしょう。

まとめ:じゃらんを制する者は、利益を制する

じゃらんの手数料構造とプラットフォームの特性は、戦略的な思考を持つOTA担当者にとって、極めて有利な戦場を提供してくれます。 重要なのは、変化し続ける宿泊情勢やユーザーのニーズを的確に捉え、安易な現状維持に甘んじることなく、常に仮説と検証を繰り返すことです。本記事で解説した視点を参考に、ぜひ貴施設のじゃらん運用を見直し、売上と利益の最大化を実現してください。

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