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通常のプロモーションだけでは、予約の伸びが頭打ちになっていませんか?Expediaが不定期に開催する「キャンペーン」は、Expedia自身の莫大なマーケティング予算を活用し、特定の旅行意欲が高いユーザー層に直接アプローチできる絶好の機会です。この記事では、キャンペーンがもたらす絶大な集客効果のロジックを解き明かし、そのチャンスを確実に掴むための準備と、参加効果を最大化するプロの思考法を徹底解説します。
Expediaのキャンペーンは、施設が独自に行うプロモーションとは全く異なる性質を持つ、プラットフォーム主導の大型特集企画です。これを理解する鍵は、「Expediaとの共同マーケティング」という視点を持つことです。Expediaが特定のテーマで集客を強化する大きな波に、自社施設も戦略的に乗っていくというイメージです。
「スキー&スノーボード特集」「夏休みファミリー旅行セール」「憧れのラグジュアリーホテル」といったように、Expediaが特定の季節やイベント、旅行スタイルをテーマに掲げて大々的に展開する、期間限定の販売促進企画です。Expediaが持つ膨大なデータを基に、需要が高まることが予測されるテーマが選定されます。
キャンペーンに参加すると、そのテーマに合致した施設として、通常の検索結果とは別に設けられた特集ページ(ランディングページ)に掲載されます。ユーザーは、漠然とエリアで検索するのではなく、「温泉旅館に泊まりたい」といった明確な目的を持ってこのページを訪れるため、非常に予約意欲が高いのが特徴です。そのユーザーに対し、自施設を「温泉が自慢の宿」として直接アピールできます。
キャンペーンの最大の魅力は、この特設ページからの強力な流入です。例えるなら、巨大なショッピングモールのメインストリートに、期間限定の特設ブースを出店するようなものです。普段は自施設のページまでたどり着けないような多くのユーザーの目に触れるため、施設の認知度とアクセス数が飛躍的に向上します。
有力なキャンペーンに参加すると、特設ページへの掲載だけでなく、Expediaが数十万、数百万単位で配信するメールマガジンや、SNS広告などで自施設が紹介されることがあります。これは、Expedia自身の広告宣伝費を使って、自施設を宣伝してもらえることと同義であり、計り知れない集客効果を生み出す可能性があります。
キャンペーンへの参加は、単に割引をして予約を増やすという短期的な視点だけでなく、施設のブランディングや新規顧客開拓といった、中長期的な成長に繋がる多くのメリットをもたらします。ここでは、参加によって得られる4つの主要なメリットを解説します。
日々の掲載順位(ランキング)を上げる努力とは別に、全く新しい流入経路を確保できるのが大きなメリットです。ランキング上位の常連である競合施設と同じ土俵で戦うことなく、テーマという別の切り口で自施設をアピールできるため、下克上を起こすチャンスにもなります。
キャンペーンのテーマは、「一人旅」「ペットと泊まれる宿」など、非常に多岐にわたります。普段、自施設がメインターゲットとしていない顧客層向けのキャンペーンに参加することで、これまでリーチできていなかった新しい客層に施設の魅力を伝え、ファンになってもらうきっかけを作ることができます。
Expediaが主催する公式キャンペーンに選ばれ、掲載されるということ自体が、施設の信頼性やブランド価値を高める効果を持ちます。特に、厳しい参加基準が設けられているキャンペーンであれば、「Expediaお墨付きの優良施設」としてユーザーに認識され、長期的な資産となります。
自施設の強みと、キャンペーンのテーマ、そして市場の需要が完全に合致した時、予約は爆発的に増加します。例えば、桜の名所の近くにある旅館が「お花見特集」キャンペーンに参加すれば、その相乗効果は絶大です。この「勝ち筋」を見極めて参加することが、キャンペーンを成功させる最大の鍵です。
大きなリターンが期待できるキャンペーンですが、成功を収めるためには、戦略的な準備といくつかの注意点を理解しておく必要があります。ここでは、参加後に「こんなはずではなかった」と後悔しないための、プロが実践する”参加前のチェックリスト”をご紹介します。
キャンペーン参加の対価として、施設側は通常のプロモーションよりも高い割引率の提供や、特定の部屋タイプの在庫提供などを求められることが一般的です。その条件を飲むことで得られる露出(リターン)が、割引による減収(コスト)を上回るかどうか、冷静に費用対効果を試算する視点が不可欠です。
魅力的なキャンペーンは、募集期間が短かったり、参加枠が限られていたりすることがあります。Expediaの管理画面(Partner Central)の「プロモーション」タブは定期的にチェックする習慣をつけましょう。また、担当のマーケットマネージャーと良好な関係を築いておくことで、一般公開前のキャンペーン情報をいち早く入手できることもあります。
キャンペーンが成功すれば、短期間に予約が殺到します。この需要の波に乗り遅れないよう、キャンペーン対象期間の在庫(売り部屋)は十分に確保しておきましょう。また、予約が増えることを見越して、フロントや清掃のオペレーション体制を事前に整えておくことも、顧客満足度を維持する上で重要です。
これが最も重要な戦略的判断です。「割引率が高いから」「露出が増えそうだから」という理由だけで、自施設のコンセプトと合わないキャンペーンに参加するのは避けるべきです。例えば、静かな滞在を売りにする高級旅館が、価格重視の「激安セール」に参加しても、求める客層とのミスマッチが起こるだけです。参加すべきは、自施設の魅力を最も理解してくれるであろうユーザーが集まるキャンペーンです。
この記事では、Expediaのキャンペーンを戦略的に活用するための基本的な考え方と準備について解説しました。しかし、その効果を最大化するためには、「年間でどのようなキャンペーンが予測されるのか」「数あるキャンペーンの中から、自施設の予算と目標に最も合致するものを選ぶにはどうすればいいか」といった、先を見越した戦略的な判断が不可欠です。
私たちmicadoは、常に最新のOTAキャンペーン情報を収集・分析し、各施設様の強みや販売状況に合わせて、最も費用対効果の高いキャンペーンへの参加タイミングを的確にご提案します。OTAを最大限に活用し、戦略的に売上を伸ばしていきたいとお考えでしたら、ぜひ一度、私たちの知見をご活用ください。