本記事は、当社が提供するサービスを通じて取得した匿名化済みの宿泊実績データをもとに作成しています。
本データは市場全体の動向を網羅するものではありません。
個別の施設・事業者が特定されないよう、統計的に加工・集計しています。
本記事の内容は情報提供を目的としたものであり、
本データを用いた意思決定によって生じたいかなる損害についても、
当社は責任を負いかねます。
① サマリー
2026年3月の宿泊実績は、販売室数が前年同月比で18.32%増となる好調な推移を記録しました。 評価すべき点として、1名利用中心からグループ利用へのシフトが鮮明となり、それに伴い30,001円以上の高単価帯シェアが大幅に拡大したことが挙げられます。 においても31日以上の早期予約が主流となり、需要に支えられた安定的な需要構造への転換が確認された1ヶ月でした。
② 全体の宿泊実績(前年同月比)
今月の販売室数は前年同月比で18.32%の増加となりました。 宿泊人数については、前年は1名利用が過半数を占めていたのに対し、当月は2名以上のグループ利用が約8割に達する大きな変化が見られました。 泊数シェアでは、前年と比較して1泊利用の比率が約8ポイント上昇し、回転率が向上しています。 室単価は、15,000円以下の低単価帯が縮小する一方で、30,001円〜50,000円の層が前年の約10.5%から31.8%へと急拡大しており、全体として単価水準がボトムアップした結果となりました。
③ 指標別分析
販売室数(前年同月比の増加率)

販売室数は前年同月比で18.32%増加しました。 日別ごとの波形を見ると、中旬の連休および各週末において販売室数が突出しており、レジャー需要による明確な曜日波動が確認されました。
宿泊人数(前年同月比)

宿泊人数の構成は劇的に変化しています。前年は1名利用が51.94%と主流でしたが、本年は18.21%まで低下しました。代わって2名利用が41.03%、4名利用が19.55%と、複数名での利用が大幅に伸長しています。
泊数シェア(前年同月比)

泊数別では、1泊利用が60.25%(前年51.9%)とシェアを伸ばしました。一方で、3泊以上の長期滞在シェアは前年比で微減しており、短期滞在の宿泊客が入れ替わる頻度が高まったと考えられます。
室単価(前年同月比)

単価帯別では、30,001円〜50,000円のシェアが31.8%で最多となりました。前年最多であった10,000円〜15,000円(29.82%)のシェアを上回っており、実績値として高単価へのシフトが完了しています。
④ 主要分析(前年同月比)

チャネル構成において、前年首位であった楽天トラベルのシェアが31.57%から27.46%へと低下しました。 対照的に、Agodaが21.46%(前年18.76%)、Expediaが13.83%(前年13.73%)と、海外が着実にシェアを維持または拡大しています。 国内プラットフォームの依存度が下がり、多角的な集客構造への変化が見て取れます。
⑤ 地方別シェア分析(前年同月比)

地方別の構成比では、関東エリアが32.48%(前年27.45%)と大幅にシェアを伸ばしました。 一方で、近畿エリアは前年の28.91%から25.43%へと縮小しており、東西の主要観光地間での地域差が発生しています。 九州(8.35%)や中部(17.81%)は前年並みの水準を維持しており、特定の都市部への需要集中が進行した形となりました。
⑥ 国別シェア分析(前年同月比)

の国別構成比は、台湾が23.46%でトップを維持しています。 特筆すべきは香港(15.98%)とアメリカ(13.86%)の伸長であり、上位3カ国で全体の半数以上を占める結果となりました。 オーストラリアも12.17%と高い水準にあり、アジア圏だけでなく欧米豪からの流入も実績を支える要因となっています。
⑦ 分析(前年同月比)
予約から宿泊までのは、31日〜60日前が23.27%(前年19.07%)と最も多く、早期予約へのシフトが顕著です。 91日以上の超早期予約も13.11%(前年12.11%)と微増しており、直近予約(当日〜3日前)のシェアが前年より減少していることから、旅行者の予約行動が計画的になったと考えられます。

⑧ 総括(評価・振り返り)
2026年3月の宿泊実績は、需要を背景とした「グループ利用の定着」と「客室単価の底上げ」が実現された期間でした。 早期予約の拡大と海外シェアの堅調な推移により、前年を上回る販売室数を確保しつつ、収益性の高い構造への移行が確認されたと総括できます。
『コンサルタント/専門家としての考察』
本レポートで確認されたグループ利用の大幅な増加と、それに伴う高単価帯シェアの拡大を踏まえると、宿泊市場はもはや「安価なビジネス需要」から「付加価値を重視する観光需要」へと完全に主戦場が移ったと解釈できます。特に、前年まで主流だった1名利用が激減し、2名以上のグループが8割を超えた点は、国内観光のレジャー化および訪日客のファミリー・グループ層の増加という業界全体の構造変化と密接に関係しています。
一般的に需要は、が長く単価も高くなる傾向がありますが、今回のデータでも31日以上の早期予約が4割を超えていることは、その特性を強く反映しています。事業者が判断材料として整理すべき視点は、現在の高単価実績が、自社のサービス品質に対する評価なのか、あるいは市場全体の需給逼迫による一時的な押し上げなのかを見極めることです。海外経由の多国籍なゲストが主流となる中で、特定の国に依存しない集客ポートフォリオが形成されているかは、今後の安定稼働における重要なチェックポイントとなるでしょう。
株式会社micadoについて
「昨日の成功法が、今日は通用しない」。 本レポートで市場の激しい変化をご覧いただいた通り、 今の宿泊業界において「勘や経験」だけに頼る経営は、 あまりにリスクが高いと言わざるを得ません。
株式会社micadoは、約10億のデータを処理する独自開発のAI・分析システムと、 700社以上のWebサイト分析実績を基盤に、 「最も成功確率が高く、再現性のあるマーケティング」を追求する専門家集団です。
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