Story

micadoの創業ストーリー

株式会社micado 代表取締役社長 田代 貴彦
1996.7.11 横浜生まれ横浜育ち
19歳からWebマーケティングに関わり、今日まででコンサルティングを行った社数は680社に達する。
データ分析を得意とし、人間の心理や行動特性からリアルとオンラインでの行動分析を行うことで、最適なデジタルマーケティング戦略の立案を行ってきた。

自分にとって正しい働き方とは?

日本には260万以上の企業があります。それほどの企業があるにも関わらず、なぜ23歳にして会社を立ち上げたのか。

理由は簡単で「自分が気持ちよく働ける環境が見つからなかったから」です。19歳から23歳までに、5つの会社に勤めました。どの企業も素晴らしい企業ではあったのですが、どれだけ働いても心の満足を得ることができませんでした。

その理由で最も大きかったのが、どの企業でもどうしてもお金儲けが1番の目的にあり、お客様のためではなく、自分たちのために働かなければならなかったことです。

学生時代に不動産の営業をしていた時に、世間的にも問題になりましたが、入居者が変わる際に数百円の消臭除菌スプレーを撒いて、除菌消臭代として1万円を請求していた業者が多くありました。

このような価値の低いものを、顧客が分からないのをいいことに、高額にして請求しているのは、不動産業界に限らず社会に蔓延しているお金の稼ぎ方の一つです。

当然違法ではないので、違和感を感じない人が多くいるのは間違いではありませんが、私はこの方法でお金を稼ぐことに強烈な反発を感じたのを今でも覚えています。

いい仕事でご飯を食べる

micadoのコアバリューでもあるこの言葉は、私自身が大事にしている言葉であり、社内のメンバーにも大事にしてほしいと願っている言葉です。

「世界にはご飯を食べられない人がたくさんいる」幼い頃から母親に言われ続けたこの言葉が、私のご飯を食べる上でのルールを作りました。

ここ20年で飢餓人口は大幅に減少してはいるものの、現在も7億人以上の人々が十分な食料を得ることができない状態にあります。

そんな中、我々は1日もご飯を口にすることができない状態はほとんどなく、3食を満足に食べることができる日々の方が多いです。

様々な理由で1食を取ることすらままならない人がいるのであれば、せめて自分が口にする食事は、人に喜んでもらったり、人に価値を出したことで頂いたお金で食べたいと考え、「いい仕事でご飯を食べる」という言葉をコアバリューにしています。

日本のホテルマーケティングの現状と向き合う

 micadoを創業する以前は、国内の広告代理店やWeb制作会社に対してデータ分析の重要性や、データの集め方、分析手法などについてコンサルティングする会社におり、そこで共同創業者の渡邉と出会いました。

1日8社にコンサルティングを行い、休む暇もなくデータを分析する日々を過ごしていた頃、EC業界や食品業界のデジタルマーケティングの高いレベルに感銘を受けている中、とても気になる業界がありました。それが宿泊業界です。

ホテルの立ち上げと運営を経験している渡邉と共に、宿泊業界のWeb制作会社や広告代理店へのコンサルティングに注力をし始めたところ、マーケティングと呼べないレベルのサービスが、ホテルや旅館に対して高額で提供されている事実を知りました。

昔から家族の影響で旅行が好きな私は、この現状を見落としていたことへの後悔と、宿泊業界に蔓延している正しくないビジネスのあり方に違和感を感じました。

実は宿泊業界の年収は他の業界に比べて最低水準となっており、269万3,000円と多くの大学卒業生が見る初任給から考えても低い数字となっています。

一方で宿泊業界のコンサルティングをしている企業は、そのような宿泊施設から高額のコンサルティング費用を受け取り低レベルのサービスを提供しているのが現状です。

 我々は実際にホテルに出向き状況把握を行っているため、ホテルのフロントスタッフの方や、サービススタッフの方々と接することがありますが、いつも笑顔で素晴らしい対応をしてくださいます。

ホテルで働くみなさまは、お客様に喜んでいただくために丁寧にそして、工夫してサービスを提供しているのに、その方々よりも多くの費用を受け取っているコンサルティングは、どうすれば自分たちが儲けることができるかばかりを考えていると思うと、とても悲しい気持ちになります。

当時渡邉と業界を知るために調査をしていると、ここまでお話しした宿泊業界の状況は、宿泊施設の意思決定者の方々が、正しい判断ができるほどの情報が世間に出回っていないことや、長年宿泊施設に取り入る手法を研究している営業の強い会社が多いことから生まれていることを知りました。

そこで我々は、世の中に正しいホテルマーケティングの基準を作り、ホテルの方々にとって本当に価値あるサービスを提供していこうと決断し、2019年12月に株式会社micadoを設立しました。

創業時から変わらないルール

 「人に価値を出せる人間」は創業時から守り続けているルールのひとつです。様々な人とお話をしていると時々、自分はその人に価値を提供していないのに何かを貰おうとする人に会うことがあります。

厳しい言い方にはなってしまいますが、社会の仕組みやこれまでの時代の中で、このような人が正しかったことは一度もありません。

常に自分が誰かに価値を提供し、その対価として何かを貰うのが正しい仕組みだと考えています。それは、仕事においても同様であり、お客様からお金を貰うことばかりを考えて、自分が提供できる価値を磨こうとしない企業は、誰かを騙さない限りは長続きすることはありません。

現代社会において成長を続け多くの人に愛されている企業に共通して言えるのは、お客様に喜んでもらえることを追求しそれに努力を惜しまないことです。

業績が伸び悩むと、お金を追求して価値を忘れてしまうのが人ですが、我々は自分たちが苦しい時こそどうすれば喜んでもらえるのか、どうすれば提供している価値をさらに高めることができるのかを考えるようにしています。

創業3ヶ月で直面した世界的な危機

 創業してすぐにmicadoはこれまでの繋がりによって、多くの企業からお仕事をいただいており、新しいメンバーを複数人採用しました。

その3ヶ月後、新型コロナウイルスによって、ほとんどの契約がなくなり、月の売り上げが

3万円の月もありました。しかし従業員の方々には給与を支払う必要があったため、23歳にして多額の借金を背負うことになります。

自分たちの信じたことをやり抜くことの大切さ

 「最近の人はすぐに諦めるから甘いよね」なんて言葉を様々なところで耳にしますが、正直これは時代に関わらず、やらない人はやらないですし、やる人はどの時代でもやっていると思います。

やり抜くことができる人がそうでない人と違う点は、その意義をどこまで強く持てているかなのではないかと考えていますが、その点我々は、この宿泊業界に正しいホテルマーケティングを広めるために創業していたため、たとえ1日1食しか取れない状況になったとしても、その手を止めることはありませんでした。

これまで様々な論文や書籍を読み、1日8社のコンサルティングをしていたため、多くの発信できる情報を持っていた我々は、それを渡邉のノウハウと掛け合わせてホテルに合わせた戦略に成形し、時には寝ることも忘れ文字に起こし続けました。

そうして、弊社のメディアmintは徐々にホテル業界の方々に見られ始めました。

どん底から見え始めた成果

 記事を書き続けて半年が経ち、収入がほとんどない状態が続いていた頃に、突然世界トップレベルのホテルブランドより問い合わせがありました。

「日本には御社のようなデータ分析をしっかりしている企業がなかったので、ようやく見つけることができました。」

このようにその方は我々にお話しくださり、今でもその時の喜びは忘れることはありません。

その後立て続けに日本の大手ホテルグループからもご相談をいただくようになり、危機的状況から抜け出すことができました。

今でもその頃にご依頼いただいた施設の方々とお付き合いはありますが、どのような難しいご依頼でも私自身ができる限り対応するようにしています。

それは、できたばかりの小さな会社で地位も何もなかった若者にチャンスをくださり、社運をかけて信じてくれたことへの感謝が心に刻まれているからです。

そして我々は、誰かに価値を提供することに一生懸命になることで、自分たちにとって大きな喜びを得ることができるということを、改めて心の底から感じました。

毎日を楽しく過ごすために

 創業5年目を迎える今でもmicadoで働くメンバーに大切にしてほしいことは、毎日を楽しく過ごすことです。

友達との飲み会で会社の愚痴を言っている人、リモートワークでサボってる自慢話をしている人の話をよく耳にします。

仕事をする時間は1日8時間を1年間で約240日間もあります。1年の2/3は仕事の日ということですが、この時間を退屈なものにしていて幸せなのでしょうか?

せっかくみなさまは、自分の人生を自分でコントロールすることができるのに、自分が志望して入った会社で、毎日のようにストレスを抱えて過ごしていくのは賢い選択なのでしょうか?

働くの捉え方をもっとポジティブに

 働く=義務という考え方は、小さい頃から植え付けられているもので、多くの人がそのように捉えています。

しかしよくよく考えてみると、働かなくても生活保護を受けることで生活をすることは日本では可能です。

ということは義務ではないということが分かるかと思います。

生活するためには働かなければいけないのか?屋根のある家で過ごすためには働かなければいけないのか?別にそんなことはないということは皆さんはすでに知っていることです。

しかしそれでも働いている。それはなぜなのでしょうか?

ブランド品を買うため?友達と遊ぶため?様々な理由があるかと思いますが、それは1年の240日間もストレスを受けながらでも達成しないといけないでしょうか?

人の価値観はそれぞれですが、一番破綻しているのは、ストレスを抱えながら仕事で10万円稼いで、その10万円をストレス解消に使うことです。

働くとは何かについてもう一度向き合う

 もう一度考えてみてほしいのですが、なぜ皆さんは働いてるのでしょうか?

私は、micadoのコアバリューである「いい仕事でご飯を食べる」ためです。自分の中のルールがあり、それを守るためにはいい仕事をする必要があり、いい仕事にはストレスは邪魔な存在です。なので、私は仕事を楽しむようにしています。そして仕事を楽しむために努力を惜しまないのが、今の自分の生活を楽しい状態にできていると考えています。

micadoで働くメンバーには、自分の目的や意義を達成する過程の中で、自分たちのことを信じてくださっているお客様のために努力を惜しまず、毎日楽しい時間を過ごして欲しいと考えています。

会社としては、正しい価値のあるサービスを生み出し続け、磨きづつけること、楽しく働く環境を整えることを大切にしています。

そのため、皆さんには自分の目的をしっかりと明確にし楽しく働くためにどうすればいいのかを考え続けて欲しいと思っています。

これからmicadoが目指す未来

 5年目に入り、多種多様な能力を持った素晴らしいメンバーが揃っている弊社は、現代の技術を駆使し、ホテルマーケティングのレベルをより高めるためにAIとシステムの開発に注力しています。

コンサルティングで顧客の声を聞き、成果を出し続けつつ、これらの業務をテクノロジーでより高いレベルに押し上げることを目標に、コンサルティングチームと開発チームが手を取り合ってサービスの価値向上に勤めています。

世の中の捉え方と可能性

ここで、我々のミッションとビジョンを紹介します。

ミッション:人とテクノロジーの支え合いにより全国のホテルマーケティングを100%にする

ビジョン:全国のホテルがマーケティング100%になることで、国内の旅行者の年間旅行回数を1回増やす

通常の事業戦略というのは他社と差別化し、自社の強みを表現し理解してもらうことで選ばれる確率を向上させることにありますが、これを宿泊施設で行う場合、弊社は1つのエリアで1つのクライアントとしか契約を結ぶことができないという論理が成り立ちます。実際にそのようなルールを掲げている会社もありますが、それでは本質的な顧客価値を向上させていると言えません。

それはなぜか、他社を蹴落とし自社が儲かるようにするという行為は、資本主義における財や幸福の不均衡から考えても理想的ではないということが分かります。

ハンス・ロスリング著のFACT FULNESSにあるように、「世界はどのように変化していると思いますか?」という質問に対して、「どんどん悪くなっている」と答えた人の割合は、日本では50%を超えているという結果が出ています。

しかし実際は(新型コロナウイルス感染症の影響を除く)1日に2ドル以下で生活する人々の割合は、1966年時点で50%だったのに対して、2017年時点では9%と大幅に減少しています。

財が取るか取られるかの有限の物であったのならばこれを達成することはできていません。

蹴落とすのではなく母数を増やすという考え方

本題に戻ると、競合差別化という言葉ばかりが先走りしてしまい競合を蹴落とすことが必要だと考えてしまう人が多く、それが競争を産み、より良いサービスに成長していっていると考える人がいますがその捉え方は安直です。

本質を捉えるのであれば、他社よりも優位に立つために自社の魅力となる要素を増やし、選んでもらうことがサービスの成長につながっているのであり、これは顧客のニーズを理解し、ニーズに対して正確な価値を提供している必要があります。

隣のホテルがシャンパンサービスを始めたから、自分たちはワインサービスをしよう。

というように、競争だけに目が向いている人は無駄な争いをしてしまいます。

本来であれば、顧客のニーズを理解し、顧客への価値を最大化することを目的とし、ペインとゲインが対応状態にあることが理想です。

我々マーケティングのプロフェッショナルであれば、他社よりも売り上げを上げることは容易です。

それは売り上げを上げる手段というのは昔の営業活動だけではなく、SNSやOTA、Google Mapやアプリなどであり、このように様々なアプローチがあるため、顧客の心理を操作することは難しいことではないからです。

しかしそれでは、クライアントは利益を出しても旅行業界にとっては利益とは言えません。

あらゆるデータを駆使し、人間では見つけることのできなかったデータの関係性を見つけ出すことによって、顧客の本当のニーズを数値化して理解することができる様になり、旅行者に適切な価値を提供することができる様になります。

micadoが作り出す新しい宿泊業界

 micadoは国内の旅行者の年間旅行回数を1回増やすということを目的とすることで、クライアントの宿泊施設に訪れる旅行客をとにかく増やすだけではなく、顧客価値を向上させた上で、その宿泊施設にマッチするユーザーを獲得することにより、ハズレの旅行を減らし、旅行体験が充実した結果、「また旅行に行こうか」と思える人を増やすのを目標としています。

一定量の旅行者を取り合うのではなく、旅行者の母数を増やすことができ、それによりクライアントの利益が増加するという仕組みを全国に広めるため、このようなビジョンを掲げ、それを達成するためにmicadoは存在しています。

最後までお読みいただきありがとうございます。

これから皆様が、楽しい毎日を過ごせる機会に出会えることを祈っています。

2024年3月21日

株式会社micado

代表取締役 田代貴彦

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